異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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1488 レイチェルの仕事

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「すごい・・・あれが店長の光魔法・・・」

私は今、目の前で繰り広げられている光景に圧倒されていた。

帝国首都ベアナクールを覆っていた闇は、店長の存在を察知すると、落雷のような轟音を鳴らしてこちらへ向かって動き出した。

果てが見えない巨大な闇だった。

一国の首都を覆っていたのだから、それがどれほど巨大かは説明するまでもないだろう。
闇はあっという間に陽の光を遮り、地上に影を落とし私達を吞み込もうと迫り来る。

この闇をどうにかしようなんて、誰も考えないだろう。考えようとも思わないはずだ。
なぜなら人の力でどうにかできるものではないから。闇は恐れもの、隠れて通り過ぎる事を待つだけ、人々はそうやって今日まで生きて来たんだ。

けれど店長は違う。
闇に対抗する手段を考え、そしてそれを成したのだ。生半可な覚悟でできる事では無い。
決してあきらめず、孤独と戦いながら、気の遠くなるような長い年月をかけてやり遂げたんだ。

私も信じていた。店長なら絶対にできると。

だって今の私があるのは店長のおかげだから。私が・・・いいえ、私達レイジェスのみんなが戦える力を持っているのは、店長のおかげだから。

私達は信じている。
店長ならどんなに巨大な闇にも負けない!絶対に勝てる!


無限を思わせる程の巨大な闇を、店長の放つ光は真正面から受け止め、そして押し返そうとしている。
店長の光魔法とは、両手から闇を打ち消す程の強い光線を放つものだった。
果ての見えない巨大な闇に対し、それと同等、いや上回る程に大きく強い光線。そしてそれは扇状に広がり、上から闇を押さえ込んでいるのだ。

いける!店長の光の方が上だ!

私がそう確信した時だった。


首都ベアナクールから突然雄叫びが上がった。
上を見ていた私は声に反応して顔を向けると、数百メートル程先で、ズラリと横並びになった数えきれない程の帝国兵達が、砂煙を巻き上げながら一斉にこちらへ向かって来た。


「出て来たな・・・私は私の仕事を遂行する。店長の邪魔はさせない」


両手に持つダガーナイフを、クルリと回して握り直す。

予想通りだ。店長が闇を押さえれば、帝国兵が出てくるのは当然だ。
闇を押さえる邪魔な店長を排除する事が目的だろう。だがな、残念ながらそれはできない。
なぜなら私がいるからだ。

こいつらから店長を護る事が、私の、レイチェル・エリオットの役目だからだ!


「さぁ、いくぞ!」


赤みがかった砂を蹴って、私は前へと飛び出した!
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