【完結】白い森の奥深く

N2O

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《白い森》と呼ばれるこの森は、一年中雪が降り続いている。

ここだけがこの世から切り取られたような、異質な山だ。


その山に、迷い込んだのが2ヶ月前。



いつものように国境近くを見回っていた。
すると馬車が魔物に襲われていたのだ。



途中子どもを庇った時に隙をつかれ、肩を爪で抉られた。
どう考えても、そのまま戦闘を続けるのは不利だった。

壮絶な痛みに耐えながら考えた結果、囮として魔物を白い森に誘い込むことにした。


「副長!そんな・・・っ!」

「・・・お前、そんな顔もするんだな。」

いつもはお調子者のラドリーの悲痛な顔が物珍しい。

馬車に乗っていた市民たちと一緒に見回りをしていた騎士部下たちが助かるなら、それでよかった。



そしてこの後、朦朧とする意識の中、白い森で彼に出会ったのだ。







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