【完結】糸と会う〜異世界転移したら獣人に溺愛された俺のお話

匠野ワカ

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165.オイル

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 見つめあいながらキスを交わす。

 その間も、オーニョさんのペニスは物欲しそうに俺の穴をノックしていた。


 我慢ができず腰を下ろしても、オイルでぬるぬるのオーニョさんのペニスは、するりと逃げていってしまう。

 入りそうで入らない。

 俺は焦れて、後ろ手に手を添えると自分で腰を下ろしていった。




「あ、あ、あ、あぁ、んっ」


 いつもよりすんなりとオーニョさんの侵入を許した中は、それだけで頭が痺れるほど気持ちよかった。

 オイルの効能が凄すぎて怖い。




「んっ、は、ぁ、きもち、いいよぉ。オーニョさんも、気持ち、いい?」

「ああ。とても気持ちいいよ。……ユーキ。愛してる」

「俺も。ぁん、俺もだよっ。オーニョさん! 大好き!」




 オーニョさんは泣きそうな顔で、何度もキスをくり返す。

 俺はオーニョさんのキスをうっとりと受け入れながら、膝立ちのままゆるゆると腰を動かした。


 オーニョさんのオイルに濡れた手が、俺の平らな胸をかわいがる。

 じんじんと蓄積していく快楽に、胸を突き出すようにして、オーニョさんの頭にしがみついた。


 ピーリャの上から、がじがじとオーニョさんの耳をかじれば、中でオーニョさんが大きくなったのが分かった。



「ユーキ、耳は、ダメだ……っ!」

「ふふ。気持ちいいねぇ。オーニョさん、もっ、動いて?」



 興奮したときにだけ現れるオーニョさんの鋭い犬歯に、キスをしながらねだる。

 オーニョさんはぐるるると唸りながら、俺の腰を掴み、動きだした。




「ひゃ、あっ! あっ! あん!」


 下から突きあげられ、揺さぶられる。


 すぐに快楽の大きな波がきて、あと少しでいけるというときに、ぐっと中が動いたのが分かった。


 俺を貪っていたオーニョさんは、すぐに俺の体を浮かせ、ずるりと出ていった。

 俺は膝立ちのまま、オーニョさんの首にすがりつく。


 オーニョさんは中に指を入れ、外からはお腹を撫で、卵を優しく誘導するように動かした。




 痛みはなかった。

 圧倒的質量の卵が、ごりごりと中を押し広げるたびに、ひくひくと穴が収縮するのがわかった。

 オーニョさんが両手で穴を広げると、ついに卵が顔を出す。



「ユーキ、がんばれ! あと少しだ」

「あう! んんんっ!」



 ぐっと、卵の一番太い部分が通る。


 オーニョさんが手にした布の上に、ころりと金色の卵がすべり落ちてきた。



「はぁはぁはぁっ! で、出た?」

「ああ。頑張ってくれて、ありがとう」




 俺は力が抜けて、へなへなとオーニョさんの膝の上に座りこんだ。

 オーニョさんと俺のあいだには、一つの卵。



「なんか、ちょっと小っちゃい?」

「そうだな。少し小さいかもしれないが、綺麗な色と形をしている。きっと元気な子に育つさ」

「俺も、持ってみたい。いい?」

「もちろんだ」




 オーニョさんはそっと、俺の手に卵を移動させた。
 俺はおそるおそる両手で受けとった卵を覗きこむ。

 それは温かく、よく見れば、金の糸が幾重にも折り重なってできた卵だと分かった。



「わぁ、柔らかいんだね」

「まだ生まれたてだからな。これから殻も丈夫になって、大きく成長していくんだよ」



 オーニョさんは俺を支えるように手を添えると、用意してあった篭の中に卵を移動した。

 卵は温めなくても、愛情をかてに篭の中で成長し、孵るのだ。




「卵のまま大きくなるなんて、不思議。楽しみだな」

「ああ。きっとすぐだ」

「ふふ。うん。俺たちの卵なら、きっとすぐだね」




 オーニョさんと見つめあって、だって愛しあってるもんねと、何度もキスを交わした。


 オーニョさんは俺の背中に腕を回し、ぐっと引きよせた。

 俺もオーニョさんの背中に手を回し、抱きしめ返す。



 お互い中途半端に脱いだ服の下で、中途半端になったままの下半身が擦れあった。




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