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第六章 家族のこと
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「梨紅ー、明日暇?」
急に、一葉くんの声が響いてきて、あたしは日向子ちゃんと目を合わせてから声の方に顔を上げた。お店と家を繋ぐドアの前に、いつの間にか戻ってきていた一葉くんが立っていた。
明日は「和やか」の定休日。とくに予定があるわけでもないし、のんびり家で過ごそうかと思っていたから、暇といえば暇だ。だから、あたしは頷く。
「梨紅んち行っていい?」
「……え」
「ちゃんと話したいことがある」
「……うん」
「また連絡する」
静かに、一葉くんはまた戻って行ってしまった。あたしは日向子ちゃんへ視線を送った。
「……一葉くん、うちに来るって」
「そうみたいだね。娘さんを俺にください的なことかな?」
「え⁉︎」
「あー、うそうそ。今の流れでそれはないよね、ごめん。ふざけた。もしかしたら、あれかなぁ、もうすぐ──」
そう言いながら、日向子ちゃんはカウンターの脇に目立たない様に置かれている卓上カレンダーを眺めている。
あたしもカレンダーに視線を送ってみると、咲子さんが書き込んでいる文字の中に、一つだけブルーのペンで丸く囲われた数字を見つけた。だけど、あたしにはそれが何の日なのか、どんな予定が入っているのかは分からない。
「梨紅ってさ、桐先輩と会ったことあるんでしょ? 小さい時」
「……うん」
「きっと、その時見た桐先輩はまだ梨紅の言うヒーローだったと思うよ。あたしだって、小さい頃を思い出せばそう思うもん。でもね、変わっちゃったんだよね。そりゃそうだ。もう十年以上も前のことだもん。人は変わるんだよ。見た目も中身も。周りの環境がそうさせる。あたしも詳しくは分からないけど、もしかしたら、桐先輩、梨紅には心のうちを話してくれるのかもしれないよ」
ピリッと日向子ちゃんはチョコクレープの袋を破った。
「まぁ、せっかくだし食べよっか?」
「……うん」
いつになくしんみりとした空気が漂う。夕暮れ時は静かに過ぎ去っていった。
外はすっかり暗くなってしまって、あたしは咲子さんの車で日向子ちゃんと一緒に家まで送ってもらった。
「梨紅ちゃん」
車から降りようとすると、咲子さんに引き止められた。後ろの座席に座る日向子ちゃんに何かを取るように言ってあたしに渡してくれる。
「これ、新しく調合したの。菜穂ちゃんに味見よろしくって伝えて」
紙袋の中に五〇〇ミリリットルのペットボトルが三本入っている。すぐに、あたしは梅ジュースの素だと分かった。
あれから、咲子さんは「どうにかしてこの梅ジュースを、和やか風にしたいのよね」と言って、お店でお客様に提供するためにと試行錯誤していた。
「はい、分かりました。ありがとうございます。お疲れ様でした」
紙袋を受け取り頭を下げると、車を降りた。
玄関の前に立つと、良い匂いが漂ってくる。すぐに、母が夕飯の準備をしているんだと分かった。
「おねえちゃんっ、おかえりなさーいっ!」
玄関を開けるや否や、海がリビングの扉を開けて顔を出すと、大きな声で迎えてくれる。すぐに駆け寄ってくる姿は、まるで天使のようだ。走ってきたままの勢いで突っ込んでくるから、あたしは海を抱き止める。顔を上げてニコッと口角を上げて笑顔を見せたかと思えば、瞳がキラキラと輝き口を開く。
「さっきね! ひさしぶりにおとうさんから、もしもしきたんだよ! うみ、たくさんおしゃべりした!」
「そーなの?」
「うんっ! おとうさんなつまつりにおうちにかえってくるんだって」
「夏まつりの日?」
「うん! おとうさんね、うみとおまつりいきたいんだって! でもね、いいよっていったらね、なんかね、ないちゃった」
リビングに向かいながら、廊下を海と手を繋いで歩きながら話をする。
「え、お父さん泣いたの?」
「うん、だからね、かえってきたらごめんなさいしなきゃ……」
「え、どうして海が?」
「だって、うみとはなしてて、ないちゃったんだもん。うみがわるいでしょ? おとうさんのこと、かなしくさせちゃったから」
あたしの手をキュッと握って、しょんぼりと俯く海に、しゃがみ込んで目線を合わせた。
「ねぇ海、それってさ、たぶん嬉し泣きだよ」
「……うれし、なき?」
「うん。お父さんは、嬉しくて泣いたんだと思う」
「うれしくて、なみだでるの?」
「うん。お父さんは寂しがりやさんなんだって。だから、海や家族みんなとずっと離れ離れになっていて、寂しいんだって。きっと、海と話せたことが嬉しくて、泣いちゃったんだよ」
「……おとうさん、かなしくない?」
チラリと上目遣いにあたしのことを見る海はまだ不安そう。だから、大きく頷いて笑った。
「うん。嬉しいんだよ」
「……そっか。うれしいんだ、おとうさん」
「うんっ」
あたしが笑いかけると、海も笑顔になる。パッとあたしから手を離して、母のいるキッチンへと走って行ってしまった。
「ママ~! おとうさんうれしいんだって!」
「えー?」
足元に絡みついてくる海を引き連れて、母はサラダをお皿に丁寧に盛り付けている。
「ただいま」
「お帰りー、梨紅。お疲れ様。ご飯すぐ出来るから、手洗っておいでね」
「うん」
今日は時間があったのか、ママ特製のデミグラスソースのかかったハンバーグがすでにお皿に盛り付けられて、テーブルの上に並んでいた。ソースが艶やかで、ハンバーグが浸るくらいにかけられている。途端に、一気にお腹が空いてきてしまう。
あたしは、咲子さんオリジナルの梅ジュースをグラスに注いで、炭酸水で割った。三人で食卓を囲んで「いただきます」をする。
父からきた久しぶりの電話で、母も海も、いつもより上機嫌だ。夕飯を食べながら久しぶりに父の話題で盛り上がって、帰ってきてくれる日が待ち遠しくなった。
その流れで、あたしは一葉くんとの約束を切り出す。
「お母さん、明日ね……友達がうちに来たいって言うんだけど、いい?」
「え⁉︎」
ものすごく驚いた顔をしたかと思えば、母は目元を潤ませた。「友達」と言ってしまったけれど、少し恥ずかしさもあって、正直に一葉くんだとは言えなかった。
「梨紅のお友達がうちに?」
「う、うん」
きっと、あたしの口から今まで出てきたことのない言葉に、驚いているんだと思う。声に出して呼べる友達なんて、今まで出来たことがないから。話しかけられはしても、心からこの子は友達ですって言える人は、今までいなかった。
まあ、でも、それは今もまだ同じかもしれない。日向子ちゃんや一葉くんとは友達になれたけど、まだまだあたしは知らないことだらけだから。
「もちろんっ、いいわよー! リビング片付けなきゃね。お母さんは海とお買い物に出るから、お友達にはゆっくりしてってもらって」
「……え、お母さんも海もいないの?」
「あしたはね、リキトくんとギアのえいがみに、とおくのおっきいマロンまでいくんだよー! で、そのあとはゆうえんちにもいく!」
隣にいた海がワクワクしながらハンバーグの刺さったフォークを振り回す。ハンバーグを食べる時のこのクセをやめてほしいと、あたしは服に付けられないように避けながら思ってしまう。
海の言う「遠くのマロン」とは、いつもあたし達が行く近所のショッピングセンターマロンじゃなくて、同じ系列でも映画館や多くのショップが複合したここよりも大きいマロンのことだ。車で一時間ほどかけないと行けない場所。
と、言うことは、明日は母も海もいないの?
「え、何時に行くの?」
「映画が十時半からだから、余裕もってこっちは九時には出ないとねー」
「ねー」と頷きあう母と海に、あたしはそれじゃあ一葉くんが来ても、二人きりじゃないかと不安になってしまう。
「ちょうど今日ね、明日リキトくんにあげるクッキー焼いたの。梨紅もお友達と食べてね」
綺麗にラッピングされたクッキーが、テーブルの上に置いてある。
「……分かった」
あたしは頷いてから、また考え込んだ。
急に、一葉くんの声が響いてきて、あたしは日向子ちゃんと目を合わせてから声の方に顔を上げた。お店と家を繋ぐドアの前に、いつの間にか戻ってきていた一葉くんが立っていた。
明日は「和やか」の定休日。とくに予定があるわけでもないし、のんびり家で過ごそうかと思っていたから、暇といえば暇だ。だから、あたしは頷く。
「梨紅んち行っていい?」
「……え」
「ちゃんと話したいことがある」
「……うん」
「また連絡する」
静かに、一葉くんはまた戻って行ってしまった。あたしは日向子ちゃんへ視線を送った。
「……一葉くん、うちに来るって」
「そうみたいだね。娘さんを俺にください的なことかな?」
「え⁉︎」
「あー、うそうそ。今の流れでそれはないよね、ごめん。ふざけた。もしかしたら、あれかなぁ、もうすぐ──」
そう言いながら、日向子ちゃんはカウンターの脇に目立たない様に置かれている卓上カレンダーを眺めている。
あたしもカレンダーに視線を送ってみると、咲子さんが書き込んでいる文字の中に、一つだけブルーのペンで丸く囲われた数字を見つけた。だけど、あたしにはそれが何の日なのか、どんな予定が入っているのかは分からない。
「梨紅ってさ、桐先輩と会ったことあるんでしょ? 小さい時」
「……うん」
「きっと、その時見た桐先輩はまだ梨紅の言うヒーローだったと思うよ。あたしだって、小さい頃を思い出せばそう思うもん。でもね、変わっちゃったんだよね。そりゃそうだ。もう十年以上も前のことだもん。人は変わるんだよ。見た目も中身も。周りの環境がそうさせる。あたしも詳しくは分からないけど、もしかしたら、桐先輩、梨紅には心のうちを話してくれるのかもしれないよ」
ピリッと日向子ちゃんはチョコクレープの袋を破った。
「まぁ、せっかくだし食べよっか?」
「……うん」
いつになくしんみりとした空気が漂う。夕暮れ時は静かに過ぎ去っていった。
外はすっかり暗くなってしまって、あたしは咲子さんの車で日向子ちゃんと一緒に家まで送ってもらった。
「梨紅ちゃん」
車から降りようとすると、咲子さんに引き止められた。後ろの座席に座る日向子ちゃんに何かを取るように言ってあたしに渡してくれる。
「これ、新しく調合したの。菜穂ちゃんに味見よろしくって伝えて」
紙袋の中に五〇〇ミリリットルのペットボトルが三本入っている。すぐに、あたしは梅ジュースの素だと分かった。
あれから、咲子さんは「どうにかしてこの梅ジュースを、和やか風にしたいのよね」と言って、お店でお客様に提供するためにと試行錯誤していた。
「はい、分かりました。ありがとうございます。お疲れ様でした」
紙袋を受け取り頭を下げると、車を降りた。
玄関の前に立つと、良い匂いが漂ってくる。すぐに、母が夕飯の準備をしているんだと分かった。
「おねえちゃんっ、おかえりなさーいっ!」
玄関を開けるや否や、海がリビングの扉を開けて顔を出すと、大きな声で迎えてくれる。すぐに駆け寄ってくる姿は、まるで天使のようだ。走ってきたままの勢いで突っ込んでくるから、あたしは海を抱き止める。顔を上げてニコッと口角を上げて笑顔を見せたかと思えば、瞳がキラキラと輝き口を開く。
「さっきね! ひさしぶりにおとうさんから、もしもしきたんだよ! うみ、たくさんおしゃべりした!」
「そーなの?」
「うんっ! おとうさんなつまつりにおうちにかえってくるんだって」
「夏まつりの日?」
「うん! おとうさんね、うみとおまつりいきたいんだって! でもね、いいよっていったらね、なんかね、ないちゃった」
リビングに向かいながら、廊下を海と手を繋いで歩きながら話をする。
「え、お父さん泣いたの?」
「うん、だからね、かえってきたらごめんなさいしなきゃ……」
「え、どうして海が?」
「だって、うみとはなしてて、ないちゃったんだもん。うみがわるいでしょ? おとうさんのこと、かなしくさせちゃったから」
あたしの手をキュッと握って、しょんぼりと俯く海に、しゃがみ込んで目線を合わせた。
「ねぇ海、それってさ、たぶん嬉し泣きだよ」
「……うれし、なき?」
「うん。お父さんは、嬉しくて泣いたんだと思う」
「うれしくて、なみだでるの?」
「うん。お父さんは寂しがりやさんなんだって。だから、海や家族みんなとずっと離れ離れになっていて、寂しいんだって。きっと、海と話せたことが嬉しくて、泣いちゃったんだよ」
「……おとうさん、かなしくない?」
チラリと上目遣いにあたしのことを見る海はまだ不安そう。だから、大きく頷いて笑った。
「うん。嬉しいんだよ」
「……そっか。うれしいんだ、おとうさん」
「うんっ」
あたしが笑いかけると、海も笑顔になる。パッとあたしから手を離して、母のいるキッチンへと走って行ってしまった。
「ママ~! おとうさんうれしいんだって!」
「えー?」
足元に絡みついてくる海を引き連れて、母はサラダをお皿に丁寧に盛り付けている。
「ただいま」
「お帰りー、梨紅。お疲れ様。ご飯すぐ出来るから、手洗っておいでね」
「うん」
今日は時間があったのか、ママ特製のデミグラスソースのかかったハンバーグがすでにお皿に盛り付けられて、テーブルの上に並んでいた。ソースが艶やかで、ハンバーグが浸るくらいにかけられている。途端に、一気にお腹が空いてきてしまう。
あたしは、咲子さんオリジナルの梅ジュースをグラスに注いで、炭酸水で割った。三人で食卓を囲んで「いただきます」をする。
父からきた久しぶりの電話で、母も海も、いつもより上機嫌だ。夕飯を食べながら久しぶりに父の話題で盛り上がって、帰ってきてくれる日が待ち遠しくなった。
その流れで、あたしは一葉くんとの約束を切り出す。
「お母さん、明日ね……友達がうちに来たいって言うんだけど、いい?」
「え⁉︎」
ものすごく驚いた顔をしたかと思えば、母は目元を潤ませた。「友達」と言ってしまったけれど、少し恥ずかしさもあって、正直に一葉くんだとは言えなかった。
「梨紅のお友達がうちに?」
「う、うん」
きっと、あたしの口から今まで出てきたことのない言葉に、驚いているんだと思う。声に出して呼べる友達なんて、今まで出来たことがないから。話しかけられはしても、心からこの子は友達ですって言える人は、今までいなかった。
まあ、でも、それは今もまだ同じかもしれない。日向子ちゃんや一葉くんとは友達になれたけど、まだまだあたしは知らないことだらけだから。
「もちろんっ、いいわよー! リビング片付けなきゃね。お母さんは海とお買い物に出るから、お友達にはゆっくりしてってもらって」
「……え、お母さんも海もいないの?」
「あしたはね、リキトくんとギアのえいがみに、とおくのおっきいマロンまでいくんだよー! で、そのあとはゆうえんちにもいく!」
隣にいた海がワクワクしながらハンバーグの刺さったフォークを振り回す。ハンバーグを食べる時のこのクセをやめてほしいと、あたしは服に付けられないように避けながら思ってしまう。
海の言う「遠くのマロン」とは、いつもあたし達が行く近所のショッピングセンターマロンじゃなくて、同じ系列でも映画館や多くのショップが複合したここよりも大きいマロンのことだ。車で一時間ほどかけないと行けない場所。
と、言うことは、明日は母も海もいないの?
「え、何時に行くの?」
「映画が十時半からだから、余裕もってこっちは九時には出ないとねー」
「ねー」と頷きあう母と海に、あたしはそれじゃあ一葉くんが来ても、二人きりじゃないかと不安になってしまう。
「ちょうど今日ね、明日リキトくんにあげるクッキー焼いたの。梨紅もお友達と食べてね」
綺麗にラッピングされたクッキーが、テーブルの上に置いてある。
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