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第二章 開店「和やか」
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ため息を吐き出して、遠目に日向子ちゃんのいる方を振り返った。あたしが離れてすぐに、数人に囲まれて何やら楽しそうに話している。やっぱり、日向子ちゃんってすごい。
ダンッダンッとボールの弾む音が聞こえて来て、すぐ横に体育館へ繋がる階段を見つけた。あたしは一番下の段に座り込んでグラウンドを眺めた。休憩にでも入ったのか、さっきまで走り回っていたサッカー部の姿はない。
たくさん歩いて、少し疲れたな。こんなに歩いたのは久しぶりかもしれない。
見上げた空、トンビが高く弧を描いて飛んでいた。太陽の光を遮るために目を細めて手をかざそうとした瞬間、ザァッと水飛沫が舞ったかと思えば、あたしの体半分を濡らす。
「あ……」
呟くように聞こえた声の方へと視線を下ろすと、煌めく虹の向こうに一葉くんがいた。
「わりぃ。そこに居るの気づかなかった……って、梨紅?」
本当に悪いと思っているのだろうか? と疑ってしまいたくなるほどに気持ちのこもっていない「わりぃ」に、少しだけ胸の中がモヤッとした。そして、ここにいたのがあたしだってことに、今気が付いたみたいだ。
もぉー! 冷たいっ! 最悪‼
もちろん声には出さずに、心の中で盛大に叫ぶ。
「……ふっ、ははっ。ごめん。ほんと」
ザッザッと駆け寄ってくるスパイクが、うつむいていた視界に映り込む。ふわりと頭の上に柔らかい感触が乗っかって来た。
「まだ俺使ってないから、それで拭いて」
ふわふわのタオルから、お日様の匂いがした。
「あ、ありがとう」
「ってか、今なんも声に出てなかったけど、最悪って思ったでしょ?」
「え⁉ ま、まさか!」
そんなこと、思っていたとしても言えないし。なんでわかるの⁉ ……とは、聞けない。
「梨紅って、面白い。なんとなく、こう思ってんのかなってわかるって言うか。表情豊かだよね」
わ、一葉くんがまた笑ってる。
目の前で笑顔になる一葉くんの顔が眩しすぎて、あたしは恥ずかしくなってタオルで顔を覆い隠した。
「あいつと見に来てくれたんでしょ? サッカー部みんなすげぇから、応援してって。じゃあな」
「あ!」
頭から被った水が滴るのを振り払いながら、一葉くんは走って行ってしまった。
タオル、返さなくてよかったのかな。
濡れてしまった右半分。デニムはまだ湿っているけれど、シフォン素材の半袖ブラウスはすっかり太陽の熱で乾いている。
「桐先輩ビショビショじゃないですかぁ! タオル忘れたんですか?」
日向子ちゃんの所へと戻ると、濡れっぱなしの一葉くんと話しているから、あたしは慌てて肩からかけたタオルを外した。
「ご、ごめんなさいっ! これ」
「ん?」
なぜか日向子ちゃんへとタオルを差し出してしまって、あたしは「あ」と言ってから一葉くんに視線を向けた。
すでにギャラリーの女の子達に囲まれている姿に、圧倒されてしまう。「あたしの使ってー」とタオルやハンカチを差し出す女の子達に、一葉くんは「いや、あっちにあるから大丈夫」と、笑顔はないけれど、爽やかに断っている。
グラウンドのベンチまで走って行く後ろ姿を眺めた。
「あれ? 日向子じゃん! まだ桐くんのこと狙ってんの?」
「入学早々に断られてたじゃん。いいかげんこっち側に来たら?」
一葉くんが行ってしまって、こちらを振り返った女の子達の中から、二人が日向子ちゃんに近付いてきた。
「いえ! あたし、桐先輩のこと諦めてないんで」
「はぁ? それってうちらが諦めたみたいな言い方じゃない?」
「あたし、そうやって仲間意識強めて群れるの嫌いなんですよー。一人でなんとかやりますんで、大丈夫です! 気にかけてくださりありがとうございまーす。いこ、梨紅」
女の子達に背を向けると、日向子ちゃんはグラウンドの反対側目指して歩き出すから、あたしは慌ててついていく。早足で先を行く日向子ちゃんが、ようやくスピードを落として振り返った。
「さっきのね、二つ上の先輩。あたしあー言うの嫌いなんだよね。好きなら好きって正面切って言えば良いのに。みんなで行けば怖くないみたいな感じで桐先輩に近づいてさ。何がしたいのって感じ」
眉を顰めて日向子ちゃんは腰に手を当てた。
「梨紅は正々堂々しててめちゃくちゃ好き!」
「え……あ、あれは……」
そんなんじゃない。
あたしだって、あんな風に好きな人を一緒に応援出来る友達がいたら嬉しいし、誘われたら喜んで仲間にしてもらうと、思う。だから、あたしは正々堂々となんてしていない。もしかして、日向子ちゃんって。
『いえ! あたしは桐先輩のこと諦めてないんで』
まだ一葉くんのこと、好きなのかな。
「あれ? 梨紅髪の毛ちょっと濡れてない?」
日向子ちゃんがあたしの髪が濡れていることに気がついて近づいてくる。
「あ、あー……と」
持っていたタオルを背中に隠して、あたしは笑った。
「さっき水道で、水浴びちゃって」
「えー! やだ大丈夫? 梨紅ってばドジなんだからー、かわいいー!」
「あは、あははは……」
もう、笑うしかない。
きゅっとタオルを握りしめて、そっとバックの中にしまった。
「桐先輩サッカーしてる時が一番カッコいいわー。あとは無愛想でいまいちだけど」
グラウンドの真ん中でボールを追いかけ始めた一葉くんを眺めながら、日向子ちゃんが笑う。日向子ちゃんの横顔がとても綺麗で、真っ直ぐに一葉くんのことを見つめていて、胸が苦しくなった。
なんだろう。この気持ちは。
日向子ちゃんが一葉くんのことを好きだって思ったら、胸の奥がギュッと握りしめられたみたいに痛くて、苦しい。なんだか、息をするのも苦しくなってきた。
深いため息を吐き出すと、太陽の光が急に眩しくなる。そして、徐々に真っ白になっていく世界に目眩を起こした。倒れたらまずいと、あたしはゆっくりしゃがみ込む。砂嵐のような視界に、目を瞑った。とたんに、気分が悪くなる。胸の辺りを服の上からギュッと掴んで、呼吸を整えるために細かく息を吐き出した。
「梨紅?」
日向子ちゃんがすぐにしゃがみ込んで、あたしを覗き込んだ。
「どうしたの? 大丈夫?」
心配してくれる言葉に、答えたいのに上手く言葉が出てこない。
俯いたまま〝大丈夫〟と、日向子ちゃんの方に手を向けた。呼吸をゆっくり整えて、あたしは膝に顔を埋めて落ち着くのを待つ。
耳に聞こえてくるのは、もしかして、一葉くんの声? 日向子ちゃんも、何度も呼びかけてくれている気がする。
遠く、高く、空を飛ぶトンビの鳴き声が聞こえた。穏やかで、緩やかで。夏の風が生温い。
あんなに眩しかった光が、消えた。
ダンッダンッとボールの弾む音が聞こえて来て、すぐ横に体育館へ繋がる階段を見つけた。あたしは一番下の段に座り込んでグラウンドを眺めた。休憩にでも入ったのか、さっきまで走り回っていたサッカー部の姿はない。
たくさん歩いて、少し疲れたな。こんなに歩いたのは久しぶりかもしれない。
見上げた空、トンビが高く弧を描いて飛んでいた。太陽の光を遮るために目を細めて手をかざそうとした瞬間、ザァッと水飛沫が舞ったかと思えば、あたしの体半分を濡らす。
「あ……」
呟くように聞こえた声の方へと視線を下ろすと、煌めく虹の向こうに一葉くんがいた。
「わりぃ。そこに居るの気づかなかった……って、梨紅?」
本当に悪いと思っているのだろうか? と疑ってしまいたくなるほどに気持ちのこもっていない「わりぃ」に、少しだけ胸の中がモヤッとした。そして、ここにいたのがあたしだってことに、今気が付いたみたいだ。
もぉー! 冷たいっ! 最悪‼
もちろん声には出さずに、心の中で盛大に叫ぶ。
「……ふっ、ははっ。ごめん。ほんと」
ザッザッと駆け寄ってくるスパイクが、うつむいていた視界に映り込む。ふわりと頭の上に柔らかい感触が乗っかって来た。
「まだ俺使ってないから、それで拭いて」
ふわふわのタオルから、お日様の匂いがした。
「あ、ありがとう」
「ってか、今なんも声に出てなかったけど、最悪って思ったでしょ?」
「え⁉ ま、まさか!」
そんなこと、思っていたとしても言えないし。なんでわかるの⁉ ……とは、聞けない。
「梨紅って、面白い。なんとなく、こう思ってんのかなってわかるって言うか。表情豊かだよね」
わ、一葉くんがまた笑ってる。
目の前で笑顔になる一葉くんの顔が眩しすぎて、あたしは恥ずかしくなってタオルで顔を覆い隠した。
「あいつと見に来てくれたんでしょ? サッカー部みんなすげぇから、応援してって。じゃあな」
「あ!」
頭から被った水が滴るのを振り払いながら、一葉くんは走って行ってしまった。
タオル、返さなくてよかったのかな。
濡れてしまった右半分。デニムはまだ湿っているけれど、シフォン素材の半袖ブラウスはすっかり太陽の熱で乾いている。
「桐先輩ビショビショじゃないですかぁ! タオル忘れたんですか?」
日向子ちゃんの所へと戻ると、濡れっぱなしの一葉くんと話しているから、あたしは慌てて肩からかけたタオルを外した。
「ご、ごめんなさいっ! これ」
「ん?」
なぜか日向子ちゃんへとタオルを差し出してしまって、あたしは「あ」と言ってから一葉くんに視線を向けた。
すでにギャラリーの女の子達に囲まれている姿に、圧倒されてしまう。「あたしの使ってー」とタオルやハンカチを差し出す女の子達に、一葉くんは「いや、あっちにあるから大丈夫」と、笑顔はないけれど、爽やかに断っている。
グラウンドのベンチまで走って行く後ろ姿を眺めた。
「あれ? 日向子じゃん! まだ桐くんのこと狙ってんの?」
「入学早々に断られてたじゃん。いいかげんこっち側に来たら?」
一葉くんが行ってしまって、こちらを振り返った女の子達の中から、二人が日向子ちゃんに近付いてきた。
「いえ! あたし、桐先輩のこと諦めてないんで」
「はぁ? それってうちらが諦めたみたいな言い方じゃない?」
「あたし、そうやって仲間意識強めて群れるの嫌いなんですよー。一人でなんとかやりますんで、大丈夫です! 気にかけてくださりありがとうございまーす。いこ、梨紅」
女の子達に背を向けると、日向子ちゃんはグラウンドの反対側目指して歩き出すから、あたしは慌ててついていく。早足で先を行く日向子ちゃんが、ようやくスピードを落として振り返った。
「さっきのね、二つ上の先輩。あたしあー言うの嫌いなんだよね。好きなら好きって正面切って言えば良いのに。みんなで行けば怖くないみたいな感じで桐先輩に近づいてさ。何がしたいのって感じ」
眉を顰めて日向子ちゃんは腰に手を当てた。
「梨紅は正々堂々しててめちゃくちゃ好き!」
「え……あ、あれは……」
そんなんじゃない。
あたしだって、あんな風に好きな人を一緒に応援出来る友達がいたら嬉しいし、誘われたら喜んで仲間にしてもらうと、思う。だから、あたしは正々堂々となんてしていない。もしかして、日向子ちゃんって。
『いえ! あたしは桐先輩のこと諦めてないんで』
まだ一葉くんのこと、好きなのかな。
「あれ? 梨紅髪の毛ちょっと濡れてない?」
日向子ちゃんがあたしの髪が濡れていることに気がついて近づいてくる。
「あ、あー……と」
持っていたタオルを背中に隠して、あたしは笑った。
「さっき水道で、水浴びちゃって」
「えー! やだ大丈夫? 梨紅ってばドジなんだからー、かわいいー!」
「あは、あははは……」
もう、笑うしかない。
きゅっとタオルを握りしめて、そっとバックの中にしまった。
「桐先輩サッカーしてる時が一番カッコいいわー。あとは無愛想でいまいちだけど」
グラウンドの真ん中でボールを追いかけ始めた一葉くんを眺めながら、日向子ちゃんが笑う。日向子ちゃんの横顔がとても綺麗で、真っ直ぐに一葉くんのことを見つめていて、胸が苦しくなった。
なんだろう。この気持ちは。
日向子ちゃんが一葉くんのことを好きだって思ったら、胸の奥がギュッと握りしめられたみたいに痛くて、苦しい。なんだか、息をするのも苦しくなってきた。
深いため息を吐き出すと、太陽の光が急に眩しくなる。そして、徐々に真っ白になっていく世界に目眩を起こした。倒れたらまずいと、あたしはゆっくりしゃがみ込む。砂嵐のような視界に、目を瞑った。とたんに、気分が悪くなる。胸の辺りを服の上からギュッと掴んで、呼吸を整えるために細かく息を吐き出した。
「梨紅?」
日向子ちゃんがすぐにしゃがみ込んで、あたしを覗き込んだ。
「どうしたの? 大丈夫?」
心配してくれる言葉に、答えたいのに上手く言葉が出てこない。
俯いたまま〝大丈夫〟と、日向子ちゃんの方に手を向けた。呼吸をゆっくり整えて、あたしは膝に顔を埋めて落ち着くのを待つ。
耳に聞こえてくるのは、もしかして、一葉くんの声? 日向子ちゃんも、何度も呼びかけてくれている気がする。
遠く、高く、空を飛ぶトンビの鳴き声が聞こえた。穏やかで、緩やかで。夏の風が生温い。
あんなに眩しかった光が、消えた。
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