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第29話
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レスシェイヌに横抱きされてベッドに降ろされる。
シーツが肌にあたる。それさえもどかしい快楽となって巡の思考を塗りつぶしていく。
「ん……んぅ、あっ………あぁ……あつい」
「武器を顕現させただけだから、すぐにおさまるはずだ」
「いっ……うぅ……」
レスシェイヌは巡の服を一枚一枚脱がすと、ゆっくりと舌を這わせた。 巡の体は敏感にその刺激を拾い、快楽に震える。
「力を抜いて……」
「んんー!」
胸の頂に息を吹きかけられて、声が漏れそうになるのを歯を食いしばって耐えた。レスシェイヌは巡の手を優しく包み、あやすように撫でた。
巡が力を抜くと、その手は下に下がり、巡の密壺をなぞる。
「もう濡れている……」
その言葉に、何か言い返そうと口をあけると同時に、奥に指を突き立てられ「ああ!」と仰け反ってしまう。
「2度目とはいえ、これはすごい」
「んんっ……」
ぴちゃぴちゃといやらしい水音が巡の耳に届く。
指はゆっくりと巡の奥を探る。
緩慢な動きである。
巡を絶頂に導こうするというよりも、ただ巡の体を知り尽くそうとする動きである。
それなのに。
「----っ!!」
巡は脳天から背筋を通り、足先まで甘い電流が駆け抜けていくのを感じた。
腰が反り、息がとまり、目の前には星が散る。
体の筋肉が収縮し、ぎゅうっとレスシェイヌの指を締め付ける。
――巡は絶頂したのだった。
「え?」
「あ……はぁっ……はっ……はあ……」
体が弛緩すると、じんわりと汗が体を湿らせる。レスシェイヌがゆっくりと指を引き抜くと、そこからは愛液がこぽこぽとあふれ出る。
巡は両手で顔を覆った。
「メグル、もうイッたのか?」
「うぅ……」
「恥ずかしがらなくていい。そういうものなのだから」
巡はレスシェイヌに背を向けて丸くなる。
レスシェイヌはそんな巡の背中をやさしく撫で、呼吸が整うのを待ってくれる。
巡の体を支配していた熱は急速に去り、あとには羞恥心だけが残される。
「レスシェイヌ、さん……」
「なんだ?」
「私……その……」
言葉が続かない。レスシェイヌに顔を見られたくなかった。きっといまひどい顔をしている。
巡は自分の心がわからなかった。
しかし、いまはっきりと自覚した。
(私、たぶんレスシェイヌさんのことが好きなんだ)
体に触れられて、うれしい。
しかしそれを彼に知られるのが、怖い。
巡は押し黙った。
レスシェイヌの感情がわからないことが、巡をよりいっそう臆病にさせた。
レスシェイヌは巡が落ち着いたのを見て取ると、彼女の体を清めると、寝間着を着せて毛布を被せた。
「もう休むといい」
彼はそう言って、巡の体をやさしくとんとんと叩き、自身も巡のとなりに横になる。
「ご迷惑をおかけしてすみません」
巡がやっと言葉を絞り出すと、レスシェイヌは苦笑した。
「王子に謝罪はできそうか?」
「たぶん……」
(ずっと、これは言いたかった言葉)
「でも、あっちが悪いと思わない?」
「だからといって聖なる力を王族に向けるなど……」
「暴力に頼んだことは悪いと思ってるの。私もかっとなってしまって……ふだんはそんなことないのに……」
まだぶつぶつと言う巡をレスシェイヌは後ろから抱きしめた。
「メグル」
「はい」
「私のために怒ってくれて、ありがとう」
巡はその言葉を何度か頭の中で反芻した。
感謝の言葉を言われるのも、違和感があったのだ。
巡はじっと考え込んだあと、違和感の正体に気が付いた。
「いえ……よく考えたら、自分の八つ当たりだったのかも」
「八つ当たり?」
巡はベッドに拳を叩きつけた。
「レスシェイヌさんは、むかつかないんですか!!」
彼は珍しくぽかんとした顔をした。
「むか……つく?」
「もう! 人のことを出来損ないだなんだって! 失敗もするしわからないこともあるし助けてほしいことだっていっぱいあって、それってそんなに悪いこと!?」
「え、あ、あの……」
「って、私がずっと誰かに言ってほしかったんです」
「……」
「でも、誰も言ってくれないんですよね。なんで言ってくれないんだってずっと思っていて。本当は自分で言わないといけないことだったのに。だから、本当は自分に怒っていて、それを王子に八つ当たりしただけなんだと思うの」
巡は寝返りを打ってレスシェイヌと向き合った。
「レスシェイヌさんは誰かに言ってほしくない? あなたは悪くないって」
彼はさみしそうな顔をしていた。
「……私は、あきらめていたよ」
「でも、そう簡単に流せる性質のものでもないんですよね、きっと。私、こっちに来て銃を撃ちまくって、それでふつうなら怖いとかびっくりとかするんでしょうけど、私の場合はすっきりだったんですよ。それで、ああ、たまってたんだなぁって。黒くて、もやもやしたものが。たまりすぎて破壊衝動になったのかも」
「メグルさんはたまっていた? あちらの世界で?」
「……王子は何であんなにレスシェイヌさんにきつく当たるの?」
巡が話題を変えたことにレスシェイヌは気が付いた。そして彼もそれ以上その話題を持ち出さなかった。
「私は獣人ではない……」
「え?」
「父が獣人、母が人間なんだ。いわゆる、半獣人というやつだ。だから、出来損ない、と」
巡は予想していなかった返答に言葉を失う。
そんな巡を見て、レスシェイヌは謝罪した。
「……すみません」
「え? なんで? なんで謝るの?」
「がっかりしただろう。あなたが故郷から、親しい人たちから引き離されて連れてこられた世界で、得られるのが私のような半獣人の番では……」
「えっと……」
巡は言葉を慎重に選ぶ。半獣人というものが巡にはよくわからない。しかしおそらく、レスシェイヌにとって重大なことであることは察せられた。
「半獣人というのがなにか、私にはわからないけど、その、私、レスシェイヌさんが大神官に選ばれてがんばっていることを知ってるから……頑張っている人を笑うっていうのは、私には笑えなくて……自分も笑われてきた側だったので」
彼は毎日忙しそうにしていた。
きっと気を張っていたはずだ。
そんな彼が出来損ないと貶められるのはちがうと思った。
「私、レスシェイヌさんのことが好き」
彼を励ましたい一心であれこれ言い募ろうとしていたはずなのに、巡の口から出たのは彼への愛の言葉だった。
「え?」
「あ……。えと」
レスシェイヌは目を丸くして巡を見て、巡は慌てて口を抑えたが、もう吐いた言葉は戻せない。
巡がどうするか悩んでいる間に、先に動いたのはレスシェイヌだった。
――巡はきつくレスシェイヌに抱きしめられた。
「れ、レスシェイヌ、さん」
「もう一度。もう一度言って」
「……私、レスシェイヌさんのことが……好き」
次は、巡も覚悟を決めて言葉を吐いた。
「メグル」
「は、はい!」
「私もだ。はじめて見たときから、愛している」
私たちは見つめ合い、どちらからともなく唇を合わせた。
シーツが肌にあたる。それさえもどかしい快楽となって巡の思考を塗りつぶしていく。
「ん……んぅ、あっ………あぁ……あつい」
「武器を顕現させただけだから、すぐにおさまるはずだ」
「いっ……うぅ……」
レスシェイヌは巡の服を一枚一枚脱がすと、ゆっくりと舌を這わせた。 巡の体は敏感にその刺激を拾い、快楽に震える。
「力を抜いて……」
「んんー!」
胸の頂に息を吹きかけられて、声が漏れそうになるのを歯を食いしばって耐えた。レスシェイヌは巡の手を優しく包み、あやすように撫でた。
巡が力を抜くと、その手は下に下がり、巡の密壺をなぞる。
「もう濡れている……」
その言葉に、何か言い返そうと口をあけると同時に、奥に指を突き立てられ「ああ!」と仰け反ってしまう。
「2度目とはいえ、これはすごい」
「んんっ……」
ぴちゃぴちゃといやらしい水音が巡の耳に届く。
指はゆっくりと巡の奥を探る。
緩慢な動きである。
巡を絶頂に導こうするというよりも、ただ巡の体を知り尽くそうとする動きである。
それなのに。
「----っ!!」
巡は脳天から背筋を通り、足先まで甘い電流が駆け抜けていくのを感じた。
腰が反り、息がとまり、目の前には星が散る。
体の筋肉が収縮し、ぎゅうっとレスシェイヌの指を締め付ける。
――巡は絶頂したのだった。
「え?」
「あ……はぁっ……はっ……はあ……」
体が弛緩すると、じんわりと汗が体を湿らせる。レスシェイヌがゆっくりと指を引き抜くと、そこからは愛液がこぽこぽとあふれ出る。
巡は両手で顔を覆った。
「メグル、もうイッたのか?」
「うぅ……」
「恥ずかしがらなくていい。そういうものなのだから」
巡はレスシェイヌに背を向けて丸くなる。
レスシェイヌはそんな巡の背中をやさしく撫で、呼吸が整うのを待ってくれる。
巡の体を支配していた熱は急速に去り、あとには羞恥心だけが残される。
「レスシェイヌ、さん……」
「なんだ?」
「私……その……」
言葉が続かない。レスシェイヌに顔を見られたくなかった。きっといまひどい顔をしている。
巡は自分の心がわからなかった。
しかし、いまはっきりと自覚した。
(私、たぶんレスシェイヌさんのことが好きなんだ)
体に触れられて、うれしい。
しかしそれを彼に知られるのが、怖い。
巡は押し黙った。
レスシェイヌの感情がわからないことが、巡をよりいっそう臆病にさせた。
レスシェイヌは巡が落ち着いたのを見て取ると、彼女の体を清めると、寝間着を着せて毛布を被せた。
「もう休むといい」
彼はそう言って、巡の体をやさしくとんとんと叩き、自身も巡のとなりに横になる。
「ご迷惑をおかけしてすみません」
巡がやっと言葉を絞り出すと、レスシェイヌは苦笑した。
「王子に謝罪はできそうか?」
「たぶん……」
(ずっと、これは言いたかった言葉)
「でも、あっちが悪いと思わない?」
「だからといって聖なる力を王族に向けるなど……」
「暴力に頼んだことは悪いと思ってるの。私もかっとなってしまって……ふだんはそんなことないのに……」
まだぶつぶつと言う巡をレスシェイヌは後ろから抱きしめた。
「メグル」
「はい」
「私のために怒ってくれて、ありがとう」
巡はその言葉を何度か頭の中で反芻した。
感謝の言葉を言われるのも、違和感があったのだ。
巡はじっと考え込んだあと、違和感の正体に気が付いた。
「いえ……よく考えたら、自分の八つ当たりだったのかも」
「八つ当たり?」
巡はベッドに拳を叩きつけた。
「レスシェイヌさんは、むかつかないんですか!!」
彼は珍しくぽかんとした顔をした。
「むか……つく?」
「もう! 人のことを出来損ないだなんだって! 失敗もするしわからないこともあるし助けてほしいことだっていっぱいあって、それってそんなに悪いこと!?」
「え、あ、あの……」
「って、私がずっと誰かに言ってほしかったんです」
「……」
「でも、誰も言ってくれないんですよね。なんで言ってくれないんだってずっと思っていて。本当は自分で言わないといけないことだったのに。だから、本当は自分に怒っていて、それを王子に八つ当たりしただけなんだと思うの」
巡は寝返りを打ってレスシェイヌと向き合った。
「レスシェイヌさんは誰かに言ってほしくない? あなたは悪くないって」
彼はさみしそうな顔をしていた。
「……私は、あきらめていたよ」
「でも、そう簡単に流せる性質のものでもないんですよね、きっと。私、こっちに来て銃を撃ちまくって、それでふつうなら怖いとかびっくりとかするんでしょうけど、私の場合はすっきりだったんですよ。それで、ああ、たまってたんだなぁって。黒くて、もやもやしたものが。たまりすぎて破壊衝動になったのかも」
「メグルさんはたまっていた? あちらの世界で?」
「……王子は何であんなにレスシェイヌさんにきつく当たるの?」
巡が話題を変えたことにレスシェイヌは気が付いた。そして彼もそれ以上その話題を持ち出さなかった。
「私は獣人ではない……」
「え?」
「父が獣人、母が人間なんだ。いわゆる、半獣人というやつだ。だから、出来損ない、と」
巡は予想していなかった返答に言葉を失う。
そんな巡を見て、レスシェイヌは謝罪した。
「……すみません」
「え? なんで? なんで謝るの?」
「がっかりしただろう。あなたが故郷から、親しい人たちから引き離されて連れてこられた世界で、得られるのが私のような半獣人の番では……」
「えっと……」
巡は言葉を慎重に選ぶ。半獣人というものが巡にはよくわからない。しかしおそらく、レスシェイヌにとって重大なことであることは察せられた。
「半獣人というのがなにか、私にはわからないけど、その、私、レスシェイヌさんが大神官に選ばれてがんばっていることを知ってるから……頑張っている人を笑うっていうのは、私には笑えなくて……自分も笑われてきた側だったので」
彼は毎日忙しそうにしていた。
きっと気を張っていたはずだ。
そんな彼が出来損ないと貶められるのはちがうと思った。
「私、レスシェイヌさんのことが好き」
彼を励ましたい一心であれこれ言い募ろうとしていたはずなのに、巡の口から出たのは彼への愛の言葉だった。
「え?」
「あ……。えと」
レスシェイヌは目を丸くして巡を見て、巡は慌てて口を抑えたが、もう吐いた言葉は戻せない。
巡がどうするか悩んでいる間に、先に動いたのはレスシェイヌだった。
――巡はきつくレスシェイヌに抱きしめられた。
「れ、レスシェイヌ、さん」
「もう一度。もう一度言って」
「……私、レスシェイヌさんのことが……好き」
次は、巡も覚悟を決めて言葉を吐いた。
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