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第30話
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その夜、レスシェイヌと巡は夜遅くまで語らった。
二人でベッドで隣同士で横になっている。レスシェイヌは巡の方を向いて、巡は気恥ずかしくて仰向けの状態だった。
その中でお互いがお互いを誤解していたことに気が付く。
「え、じゃあ、レスシェイヌさんは私に恋人がいたって思って、それで結婚するつもりはないって言ったの……!?」
「まあ、そうなる」
「ええ!? ほんとうに?」
「仕方ないだろう……。恋人ではないと聞いたのはあとからだったから……」
「え、でも、恋人じゃないって言ったときにちゃんと説明してくれればよかったのに!」
「しかし、いきなり言葉を覆すのも誠意がないだろう……!」
「そうだけど! 私はレスシェイヌさんの結婚するつもりはない発言に悩んでたのに!」
「な、悩んでいたのか!?」
「うん! すっごく!」
巡が何度も首を縦に振ると、レスシェイヌは居心地が悪そうに空を仰いだ。
「メグルはずっと平気な顔をしていたのに……」
「だって! 傷ついた顔をするのも変かなって」
「はぁ~……」
「ため息!?」
それから二人は他愛もない話をした。
レスシェイヌは両親のこと、学校でうけたいじめのこと、それに立ち向かって人一倍勉強したこと、そして大神官に選ばれたこと……。
巡はたくさんの質問をした。
レスシェイヌのことをもっと知りたかった。レスシェイヌはそれに真摯に答えた。
月が高いところにのぼったころ、二人の会話が途切れ、しばしすると巡が寝る側から寝息が聞こえ始めた。
レスシェイヌはそっと巡の頭を撫で、その髪に唇を寄せた。
*
翌朝、レスシェイヌとともに朝食を済ませたあと、レスシェイヌが言った。
「今日は部屋でいっしょにのんびりしよう」
「へ? いいの? 仕事は?」
「自主的に謹慎することにする」
巡はレスシェイヌの顔を仰ぎ見た。
彼はいつも無表情であるが、今日ばかりはどこか夜明け色の瞳がやさしい気がする。
巡はふっと笑った。
「じゃあ、真面目に反省するね」
「そうしよう」
こうして冗談を言い合える仲になれたことがたまらなくうれしい。
そうして二人が何をするわけでもなく部屋でそれぞれ読書や勉強をしていると、気を利かせてずっと席を外していたヨンシが部屋に飛び込んできた。
「大変ですわ、おふたりとも」
「え、な、なに?」
ヨンシは血相を変えている。
「お、お越しです!」
「おこし?」
巡が首を傾げている間に、レスシェイヌは素早く立ち上がって貴人を迎え入れる態勢となった。
「え? え?」
「メグル、こちらに」
「え?」
どういうこと、と尋ねる前に部屋にノックの音が落ちた。
ヨンシはすばやくドアに駆け寄ると恭しくドアを開く。
ドアの向こうにいたのはたっぷりの銀色のひげと耳をもつ獣人であった。
彼は恰幅のいい体に簡素な衣服を身に着けている。
年齢は60を過ぎているようにも、40くらいにも見えた。
背筋はしゃんと伸びているが、その顔には深い皺が刻まれている。
彼は眉を下げてこちらを見た。緑の瞳には親し気な色が浮かんでいる。
巡は驚きのあまり声がでなかった。
巡を驚かせたのは、彼がそのがっしりとした肩の上に他の人物を担いでいるからである。
巡が男に声をかけるより先に、レスシェイヌが言った。
「国王陛下」
「こくおうへいか!?」
巡は叫び、大慌てでレスシェイヌの隣に駆け寄る。レスシェイヌは右手を左胸の前に当てて頭をたれている。巡も見よう見真似で同じポーズをとる。
国王陛下、と呼ばれた男は気安げに笑う。
「よいよい。楽にしておれ。いきなり来たこちらが悪い」
そこの声は重厚で、それでいてからりと乾いていた。
「今日は謝罪に来たのだ」
そう言って彼は肩に担いだ人物を床に放り投げる。仰向きに倒れたその人物を見て巡はまた驚くことになる。
「……王子、ですか?」
「セドリック王子?」
巡、レスシェイヌの順でその人物に呼び掛ける。
王子はぐったりとしていて、目を軽く開けたあとまたすぐに閉めてしまう。
その頭には大きなたんこぶができている。
え、なにかあった? と動揺する周囲をよそに、国王は王子の脇腹をつま先でつつく。
「ほれ、どうした。いつまで伸びているつもりだ」
しかし、王子は「ぐう……」という声をあげるだけだ。
「ふむ。伸びている。我が息子ながら情けない」
「ええっと」
「メグルといったか」
急に名前を呼ばれ、巡は背筋を伸ばす。
「あ、はい」
「息子には鉄拳をくらわせた」
「……そうみたいですね」
王子の頭にある大きなたんこぶ。国王はそれを指さして頭をさげた。
「これで勘弁してやってくれないか」
これに巡もレスシェイヌも大慌てである。
「え、あ、いえ、私の方が悪くて」
「いや、息子が悪い。人の上に立つ者として言ってはならぬことを言った」
「はあ」
国王は王子の腕を引っ張ると無理やり立たせる。
「ほら、立て。言うことがあるだろう」
王子はもごもごとなにかを言う。
「…………」
「大きな声で!」
「悪かった!」
王子の顔は真っ赤で涙目になっている。
巡は一夜の間にこの王子の身の上に起きたすさまじい説教の嵐を思い、彼に対していだいていた怒りの感情がおさまっていくのを感じた。
ぜったいに王子に謝らないと思っていた巡であるが、するりと謝罪の言葉が出た。
「あ、えと、私も、武器を出して脅してすみませんでした」
「うむ。そして、脅しに屈した軟弱者にはもう一発」
「ぐっ!?」
国王はまた王子の頭にげんこつをくらわせる。王子は再び床に倒れ伏し、次こそ起きてこなかった。
国王はそんな王子の背を叩き、激励する。
「強い心と強い筋肉を持て、息子よ」
巡とレスシェイヌはぽかんと目の前の光景を見るほかにない。
国王は王子を肩の上に担ぎ上げると、「ではこれで」と言ってドアに足を向ける。誰も彼をとめられない。
そんな国王は一歩、二歩歩いたところで振り返り、レスシェイヌの名を呼んだ。
「おお、そうだレスシェイヌ」
「はい」
「私はそなたが大神官となることを楽しみにしている」
「もったいないお言葉です」
国王は次に巡に目を向ける。
「メグル」
「はひ!」
「危険な目にあったと聞いたが、もう大丈夫か?」
「はい」
「街は楽しいところもある」
「ええ、知っています」
「そうか。儂の自慢の街だ。懲りずに、また遊びに行くといい」
そう言って、彼は豪快に笑うと、大股で部屋から去って行った。
残された巡は目を白黒させたあと、どうにかこうにか言葉を振り絞ってレスシェイヌに尋ねた。
「……え、国王陛下……ほんもの?」
「え、ええ……ああいう方なのです」
「私、許されたってこと?」
「そういうことだろう」
「レスシェイヌさんも?」
「ええ……まあ……もともと半獣人の私のことをそのまま大神官として迎え入れると決めたのはあの方だから……」
「ああ……」
巡はちょっと胸がどきどきしていた。
「なんか、すごい人っぽい?」
「国一番の剣の使い手、そして政治家としても辣腕です」
「はあ……なんか、納得」
巡とレスシェイヌはどちらからともなく顔を見合わせて、それから同時に噴出した。
二人でベッドで隣同士で横になっている。レスシェイヌは巡の方を向いて、巡は気恥ずかしくて仰向けの状態だった。
その中でお互いがお互いを誤解していたことに気が付く。
「え、じゃあ、レスシェイヌさんは私に恋人がいたって思って、それで結婚するつもりはないって言ったの……!?」
「まあ、そうなる」
「ええ!? ほんとうに?」
「仕方ないだろう……。恋人ではないと聞いたのはあとからだったから……」
「え、でも、恋人じゃないって言ったときにちゃんと説明してくれればよかったのに!」
「しかし、いきなり言葉を覆すのも誠意がないだろう……!」
「そうだけど! 私はレスシェイヌさんの結婚するつもりはない発言に悩んでたのに!」
「な、悩んでいたのか!?」
「うん! すっごく!」
巡が何度も首を縦に振ると、レスシェイヌは居心地が悪そうに空を仰いだ。
「メグルはずっと平気な顔をしていたのに……」
「だって! 傷ついた顔をするのも変かなって」
「はぁ~……」
「ため息!?」
それから二人は他愛もない話をした。
レスシェイヌは両親のこと、学校でうけたいじめのこと、それに立ち向かって人一倍勉強したこと、そして大神官に選ばれたこと……。
巡はたくさんの質問をした。
レスシェイヌのことをもっと知りたかった。レスシェイヌはそれに真摯に答えた。
月が高いところにのぼったころ、二人の会話が途切れ、しばしすると巡が寝る側から寝息が聞こえ始めた。
レスシェイヌはそっと巡の頭を撫で、その髪に唇を寄せた。
*
翌朝、レスシェイヌとともに朝食を済ませたあと、レスシェイヌが言った。
「今日は部屋でいっしょにのんびりしよう」
「へ? いいの? 仕事は?」
「自主的に謹慎することにする」
巡はレスシェイヌの顔を仰ぎ見た。
彼はいつも無表情であるが、今日ばかりはどこか夜明け色の瞳がやさしい気がする。
巡はふっと笑った。
「じゃあ、真面目に反省するね」
「そうしよう」
こうして冗談を言い合える仲になれたことがたまらなくうれしい。
そうして二人が何をするわけでもなく部屋でそれぞれ読書や勉強をしていると、気を利かせてずっと席を外していたヨンシが部屋に飛び込んできた。
「大変ですわ、おふたりとも」
「え、な、なに?」
ヨンシは血相を変えている。
「お、お越しです!」
「おこし?」
巡が首を傾げている間に、レスシェイヌは素早く立ち上がって貴人を迎え入れる態勢となった。
「え? え?」
「メグル、こちらに」
「え?」
どういうこと、と尋ねる前に部屋にノックの音が落ちた。
ヨンシはすばやくドアに駆け寄ると恭しくドアを開く。
ドアの向こうにいたのはたっぷりの銀色のひげと耳をもつ獣人であった。
彼は恰幅のいい体に簡素な衣服を身に着けている。
年齢は60を過ぎているようにも、40くらいにも見えた。
背筋はしゃんと伸びているが、その顔には深い皺が刻まれている。
彼は眉を下げてこちらを見た。緑の瞳には親し気な色が浮かんでいる。
巡は驚きのあまり声がでなかった。
巡を驚かせたのは、彼がそのがっしりとした肩の上に他の人物を担いでいるからである。
巡が男に声をかけるより先に、レスシェイヌが言った。
「国王陛下」
「こくおうへいか!?」
巡は叫び、大慌てでレスシェイヌの隣に駆け寄る。レスシェイヌは右手を左胸の前に当てて頭をたれている。巡も見よう見真似で同じポーズをとる。
国王陛下、と呼ばれた男は気安げに笑う。
「よいよい。楽にしておれ。いきなり来たこちらが悪い」
そこの声は重厚で、それでいてからりと乾いていた。
「今日は謝罪に来たのだ」
そう言って彼は肩に担いだ人物を床に放り投げる。仰向きに倒れたその人物を見て巡はまた驚くことになる。
「……王子、ですか?」
「セドリック王子?」
巡、レスシェイヌの順でその人物に呼び掛ける。
王子はぐったりとしていて、目を軽く開けたあとまたすぐに閉めてしまう。
その頭には大きなたんこぶができている。
え、なにかあった? と動揺する周囲をよそに、国王は王子の脇腹をつま先でつつく。
「ほれ、どうした。いつまで伸びているつもりだ」
しかし、王子は「ぐう……」という声をあげるだけだ。
「ふむ。伸びている。我が息子ながら情けない」
「ええっと」
「メグルといったか」
急に名前を呼ばれ、巡は背筋を伸ばす。
「あ、はい」
「息子には鉄拳をくらわせた」
「……そうみたいですね」
王子の頭にある大きなたんこぶ。国王はそれを指さして頭をさげた。
「これで勘弁してやってくれないか」
これに巡もレスシェイヌも大慌てである。
「え、あ、いえ、私の方が悪くて」
「いや、息子が悪い。人の上に立つ者として言ってはならぬことを言った」
「はあ」
国王は王子の腕を引っ張ると無理やり立たせる。
「ほら、立て。言うことがあるだろう」
王子はもごもごとなにかを言う。
「…………」
「大きな声で!」
「悪かった!」
王子の顔は真っ赤で涙目になっている。
巡は一夜の間にこの王子の身の上に起きたすさまじい説教の嵐を思い、彼に対していだいていた怒りの感情がおさまっていくのを感じた。
ぜったいに王子に謝らないと思っていた巡であるが、するりと謝罪の言葉が出た。
「あ、えと、私も、武器を出して脅してすみませんでした」
「うむ。そして、脅しに屈した軟弱者にはもう一発」
「ぐっ!?」
国王はまた王子の頭にげんこつをくらわせる。王子は再び床に倒れ伏し、次こそ起きてこなかった。
国王はそんな王子の背を叩き、激励する。
「強い心と強い筋肉を持て、息子よ」
巡とレスシェイヌはぽかんと目の前の光景を見るほかにない。
国王は王子を肩の上に担ぎ上げると、「ではこれで」と言ってドアに足を向ける。誰も彼をとめられない。
そんな国王は一歩、二歩歩いたところで振り返り、レスシェイヌの名を呼んだ。
「おお、そうだレスシェイヌ」
「はい」
「私はそなたが大神官となることを楽しみにしている」
「もったいないお言葉です」
国王は次に巡に目を向ける。
「メグル」
「はひ!」
「危険な目にあったと聞いたが、もう大丈夫か?」
「はい」
「街は楽しいところもある」
「ええ、知っています」
「そうか。儂の自慢の街だ。懲りずに、また遊びに行くといい」
そう言って、彼は豪快に笑うと、大股で部屋から去って行った。
残された巡は目を白黒させたあと、どうにかこうにか言葉を振り絞ってレスシェイヌに尋ねた。
「……え、国王陛下……ほんもの?」
「え、ええ……ああいう方なのです」
「私、許されたってこと?」
「そういうことだろう」
「レスシェイヌさんも?」
「ええ……まあ……もともと半獣人の私のことをそのまま大神官として迎え入れると決めたのはあの方だから……」
「ああ……」
巡はちょっと胸がどきどきしていた。
「なんか、すごい人っぽい?」
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