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61~70話
70d、メイド長はご主人様の嗜好をわかっていない1
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ローテーブルの上に二人分の夕食を供し、終えれば速やかに部屋を辞します。
ちらりと拝見する限り少女は戸惑いの大きいご様子でしたが、あれほど近付いていてもガリュース様に対して本気で怯えている素振りは無いようでした。
結局その日整えた客室は使われる事なく、翌日を迎える事となりました。
朝、日も昇りきらないうちから起き出したガリュース様は一人で朝食をお済ませになると、いそいそと外出の準備を始められました。
「少々城に寄ってから買い物に行ってくる。マヤはよく眠っているが、もし起きて寂しがっていたら『昼前には戻る』と伝えてくれ」
「かしこまりました」
あの少女は『マヤ』様というのでしょう。
門から、ガリュース様が転移されてゆくのを見送ります。
ほどなくして両手に抱えきれないほどの荷を持ってお戻りになったガリュース様は、荷を置きマヤ様のご様子を確認するとまたすぐに出かけてゆきました。
それを数度繰り返すと、たちまち部屋には買ってきた品々で大きな山が出来上がりました。
「おしまいしてもよろしいでしょうか?」
「いや、すべて俺がやる。下がっていい」
「かしこまりました」
丸めて置かれたピンク色のマットや、剥き出しのまま積み上げられた愛らしい衣服などから察するに、どうやらガリュース様はマヤ様の生活に必要な物を買い揃えられたようでした。
昼食の下膳に向かう途中、廊下でガリュース様をお見かけしました。
ガリュース様の腕には、マヤ様が抱きかかえられています。
お二人とも御髪の色が黒くいらっしゃるため、そうして大切そうに抱きかかえて歩くお姿は歳の離れた兄妹のようで、なんとも微笑ましくありました。
ガリュース様が部屋にご不在の間に、掃除係のメイド達と共に急いで部屋の清掃をします。
幼い少女に無体を働く方ではないと信じてはいたものの、ベッドシーツに何の痕跡もないことに改めて小さく胸を撫で下ろしました。
ちらりと拝見する限り少女は戸惑いの大きいご様子でしたが、あれほど近付いていてもガリュース様に対して本気で怯えている素振りは無いようでした。
結局その日整えた客室は使われる事なく、翌日を迎える事となりました。
朝、日も昇りきらないうちから起き出したガリュース様は一人で朝食をお済ませになると、いそいそと外出の準備を始められました。
「少々城に寄ってから買い物に行ってくる。マヤはよく眠っているが、もし起きて寂しがっていたら『昼前には戻る』と伝えてくれ」
「かしこまりました」
あの少女は『マヤ』様というのでしょう。
門から、ガリュース様が転移されてゆくのを見送ります。
ほどなくして両手に抱えきれないほどの荷を持ってお戻りになったガリュース様は、荷を置きマヤ様のご様子を確認するとまたすぐに出かけてゆきました。
それを数度繰り返すと、たちまち部屋には買ってきた品々で大きな山が出来上がりました。
「おしまいしてもよろしいでしょうか?」
「いや、すべて俺がやる。下がっていい」
「かしこまりました」
丸めて置かれたピンク色のマットや、剥き出しのまま積み上げられた愛らしい衣服などから察するに、どうやらガリュース様はマヤ様の生活に必要な物を買い揃えられたようでした。
昼食の下膳に向かう途中、廊下でガリュース様をお見かけしました。
ガリュース様の腕には、マヤ様が抱きかかえられています。
お二人とも御髪の色が黒くいらっしゃるため、そうして大切そうに抱きかかえて歩くお姿は歳の離れた兄妹のようで、なんとも微笑ましくありました。
ガリュース様が部屋にご不在の間に、掃除係のメイド達と共に急いで部屋の清掃をします。
幼い少女に無体を働く方ではないと信じてはいたものの、ベッドシーツに何の痕跡もないことに改めて小さく胸を撫で下ろしました。
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