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ギルド長をぶっとばせ
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部屋から出ていく二人の背中を見送ると、ギルドに荷物を受け取りに行くため、俺はケバ子と一緒にギルドへと向かった。
後ろから気づかれないようにメリリとクリリが後をついてくる。悪い子たちではないとは思うが付けられるのは気持ちの良いものじゃない。
何を企んでいるのやら。
「おっさん、お待たせ!」
ギルドに到着した俺は受付にいたギルド長をおっさん呼びをするとギルド内がざわめきだす。
見たこともない新入りがギルド長をおっさん呼びしたとあれば当然ギルド長の報復があると思って、皆は俺がしこたまやられることを期待してニヤニヤしている。
「おお、来たか待ってたぞ」
ギルド長は慌て俺の側に寄り、背中をバシバシ叩く。
周りに人がいるので体裁を保つためかギルド長は俺にフレンドリーに接して目をかけている冒険者という体にしたいようだ。
当然そんなことはさせない。
「おい、おっさん、背中叩くな、殺すぞ」
「ああ、す、すまん」
ギルド長が謝る姿に、ギルド内はお通夜のごとく静まり返る。どうやら俺が見た目とは違うと気が付いたのだろう。これでこのギルドでの面倒事は避けられるな。
「それで荷物はどこだ」
「ああ、こっちへ来てくれ」
ギルド長の後についていき倉庫へつくと大量の荷物があった。
「馬車3台分じゃなかったのか?」
「正式契約したので安心して荷を任せることが出来るようになったんだ」
契約書があるのと無いのとじゃ安心感が違うのは現代社会でも同じだが
伝票をもらいケバ子にチェックをさせた。
「チェックするのか損害はギルドが持つんだぞ? チェックしなくても良いだろ」
なにやらギルド長が焦りだす。
『カオス様、鋼鉄製の剣が10本足りません』
「おい、おっさん鋼鉄製の剣が10本足りないぞ」
「そんな馬鹿な。おい! グリラ! ちょっと来い!」
「なんでガス?」
姿を表したのは赤茶色の髪を三つ編みに編み上げ両サイドに垂らした眼鏡をかけた少しソバカスのある顔で小柄な少女だった。
「お前、拾ってやった恩も忘れて盗みをしやがったな!」
「あたしはそんな事してないガス。誤解ズラ」
ギルド長はグリラという少女を殴ろうとする瞬間俺はギルド長の手首を掴みやめさせる。
『カオス様、その子はやっていません』
『わかるのか?』
『はい、私のスキル:正義の審判で嘘をついているか本当の事を言っているかわかります』
「おい、人に罪をなすり付けようとしてんじゃねぇぞ」
手首をひきつけ俺の方に顔を向かせるとギルド長をにらみつける。
「か、カオスさん待っててください、いま罪を白状させますから。拾ってやった恩を忘れやがって」
少女を罵倒する姿から明らかに焦って誤魔化そうと必死なのはスキルがない俺でもすぐに分かった。
俺はギルド長を殴り飛ばし、契約の命令をして事の顛末を話させた。
「すみません、ギルドで上の役職に付くには実力か金が必要なんです。実力がない俺は金が必要なんです」
つまり根回しするための金を用意するのに物資をちょろまかしたと言うことか。更に詳しく話させると、他の冒険者にも俺に仕掛けたように罠にハメて金を貢がせているのだという。
『酷い連中は盗賊や殺し屋と組む場合もあります。……私も同じ穴のムジナですが』
ケバ子がそう言うと俺の中で消せない怒りが湧き上がる。俺はギルド長を何度も何度も蹴り飛ばす。
ギルド長は口から血を吐き転げ回る。だが俺は蹴るのをやめない。
死ね! 死ね! 苦しみながら死んでいけ!
「やめるでガス、殴るならグリラを殴って欲しいガス!」
グリラはギルド長をかばうように俺の前に立ち震える声でそう言った。
グリラの顔や腕には無数の傷やアザがあった日常的に殴られている傷だ。
殺したい感情を抑え俺はギルド長の首を鷲掴みにし持ち上げる。
「おい、このグリラって娘は俺がもらうぞ。それで今回の事は許してやる」
「はい! ど、どうぞお持ちください」
ギルド長を地面に投げ捨てると頭を地面に擦り付けて謝る。
このままグリラをギルド長の元に置いておけばイビり殺されるだろう。仮に児童保護施設が有ったとしても、この世界じゃ劣悪な環境だろうし俺が育てたほうがいくらかマシだ。
とは言え、こういう子を全員助けるのかと言われればノーだ。
あくまでも俺が面倒を見れる範囲だ、面倒が見れないのに引き取るのはただの傲慢だ。
そういう観点で言えばこの子は運が良い。
何せ俺の倫理観は現代基準だからな。
「グリラ、お前は今日からカオス様の物だ。わかったか?」
ギルド長がグリラにそう言うとコクリと頷き俺の前で土下座をして「あい、ダンナ様、何でも言うことを聞きますので、可愛がってくださいズラ」と挨拶をする。
その言葉に背筋が凍り、グリラを抱き上げると俺はトドメとばかりにギルド長を蹴り上げた。
「グリラに感謝するんだな。この子がいなければお前は死んでいた」
俺はグリラの頭をなで回復魔法をかけるとすべての傷が癒えた。しかし心の傷までは癒えないのだろう頭に手を置く瞬間体がビックとこわばり固まっていた。
「グリラ、今日からお前を殴る者はいない。俺が守ってやるから安心しろ」
そう言って俺はそのままグリラの頭を撫でる。
「あい、旦那様」
グリラは頭を撫でられるのが嬉しいのか満面の笑みを見せる。
『あい、旦那様』
ケバ子はそう言うと頭を俺の方につきだす。
『なんなのお前、対抗すんなよ』
『……』
横領された物資も取り戻し積み荷を全部アイテムボックスに入れると、俺たちはギルドを後にした。
後ろから気づかれないようにメリリとクリリが後をついてくる。悪い子たちではないとは思うが付けられるのは気持ちの良いものじゃない。
何を企んでいるのやら。
「おっさん、お待たせ!」
ギルドに到着した俺は受付にいたギルド長をおっさん呼びをするとギルド内がざわめきだす。
見たこともない新入りがギルド長をおっさん呼びしたとあれば当然ギルド長の報復があると思って、皆は俺がしこたまやられることを期待してニヤニヤしている。
「おお、来たか待ってたぞ」
ギルド長は慌て俺の側に寄り、背中をバシバシ叩く。
周りに人がいるので体裁を保つためかギルド長は俺にフレンドリーに接して目をかけている冒険者という体にしたいようだ。
当然そんなことはさせない。
「おい、おっさん、背中叩くな、殺すぞ」
「ああ、す、すまん」
ギルド長が謝る姿に、ギルド内はお通夜のごとく静まり返る。どうやら俺が見た目とは違うと気が付いたのだろう。これでこのギルドでの面倒事は避けられるな。
「それで荷物はどこだ」
「ああ、こっちへ来てくれ」
ギルド長の後についていき倉庫へつくと大量の荷物があった。
「馬車3台分じゃなかったのか?」
「正式契約したので安心して荷を任せることが出来るようになったんだ」
契約書があるのと無いのとじゃ安心感が違うのは現代社会でも同じだが
伝票をもらいケバ子にチェックをさせた。
「チェックするのか損害はギルドが持つんだぞ? チェックしなくても良いだろ」
なにやらギルド長が焦りだす。
『カオス様、鋼鉄製の剣が10本足りません』
「おい、おっさん鋼鉄製の剣が10本足りないぞ」
「そんな馬鹿な。おい! グリラ! ちょっと来い!」
「なんでガス?」
姿を表したのは赤茶色の髪を三つ編みに編み上げ両サイドに垂らした眼鏡をかけた少しソバカスのある顔で小柄な少女だった。
「お前、拾ってやった恩も忘れて盗みをしやがったな!」
「あたしはそんな事してないガス。誤解ズラ」
ギルド長はグリラという少女を殴ろうとする瞬間俺はギルド長の手首を掴みやめさせる。
『カオス様、その子はやっていません』
『わかるのか?』
『はい、私のスキル:正義の審判で嘘をついているか本当の事を言っているかわかります』
「おい、人に罪をなすり付けようとしてんじゃねぇぞ」
手首をひきつけ俺の方に顔を向かせるとギルド長をにらみつける。
「か、カオスさん待っててください、いま罪を白状させますから。拾ってやった恩を忘れやがって」
少女を罵倒する姿から明らかに焦って誤魔化そうと必死なのはスキルがない俺でもすぐに分かった。
俺はギルド長を殴り飛ばし、契約の命令をして事の顛末を話させた。
「すみません、ギルドで上の役職に付くには実力か金が必要なんです。実力がない俺は金が必要なんです」
つまり根回しするための金を用意するのに物資をちょろまかしたと言うことか。更に詳しく話させると、他の冒険者にも俺に仕掛けたように罠にハメて金を貢がせているのだという。
『酷い連中は盗賊や殺し屋と組む場合もあります。……私も同じ穴のムジナですが』
ケバ子がそう言うと俺の中で消せない怒りが湧き上がる。俺はギルド長を何度も何度も蹴り飛ばす。
ギルド長は口から血を吐き転げ回る。だが俺は蹴るのをやめない。
死ね! 死ね! 苦しみながら死んでいけ!
「やめるでガス、殴るならグリラを殴って欲しいガス!」
グリラはギルド長をかばうように俺の前に立ち震える声でそう言った。
グリラの顔や腕には無数の傷やアザがあった日常的に殴られている傷だ。
殺したい感情を抑え俺はギルド長の首を鷲掴みにし持ち上げる。
「おい、このグリラって娘は俺がもらうぞ。それで今回の事は許してやる」
「はい! ど、どうぞお持ちください」
ギルド長を地面に投げ捨てると頭を地面に擦り付けて謝る。
このままグリラをギルド長の元に置いておけばイビり殺されるだろう。仮に児童保護施設が有ったとしても、この世界じゃ劣悪な環境だろうし俺が育てたほうがいくらかマシだ。
とは言え、こういう子を全員助けるのかと言われればノーだ。
あくまでも俺が面倒を見れる範囲だ、面倒が見れないのに引き取るのはただの傲慢だ。
そういう観点で言えばこの子は運が良い。
何せ俺の倫理観は現代基準だからな。
「グリラ、お前は今日からカオス様の物だ。わかったか?」
ギルド長がグリラにそう言うとコクリと頷き俺の前で土下座をして「あい、ダンナ様、何でも言うことを聞きますので、可愛がってくださいズラ」と挨拶をする。
その言葉に背筋が凍り、グリラを抱き上げると俺はトドメとばかりにギルド長を蹴り上げた。
「グリラに感謝するんだな。この子がいなければお前は死んでいた」
俺はグリラの頭をなで回復魔法をかけるとすべての傷が癒えた。しかし心の傷までは癒えないのだろう頭に手を置く瞬間体がビックとこわばり固まっていた。
「グリラ、今日からお前を殴る者はいない。俺が守ってやるから安心しろ」
そう言って俺はそのままグリラの頭を撫でる。
「あい、旦那様」
グリラは頭を撫でられるのが嬉しいのか満面の笑みを見せる。
『あい、旦那様』
ケバ子はそう言うと頭を俺の方につきだす。
『なんなのお前、対抗すんなよ』
『……』
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