魔物パーツコレクター ~ツンデレで鈍感系の俺が魔物の力でフォーリンラブ~

のきび

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お前の好きにしろ

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「ヒスイ、お前に聞きたいことがある」
 まるで少女のように振る舞うヒスイに俺は疑問を口にした。

『なんでございましょうか?』
 真剣な表情の俺にヒスイはキョトンとする。

「お前は今までに何人の人間を殺した」

『……分かりません』
 やっぱりか、思い出せないほどの殺人を犯しているんだよな。ならば、気にすることもないか。
 俺は話を切り上げようとしたがヒスイはさらに話を続ける。

『家臣の者達を止められなかった私の罪は帝国を滅ぼしたあとこの命で償わせていただきます』と言うのだ。

「どういうことだ?」

『家臣達は私を生かすために盗みをしました。しかし、規模が大きくなると盗み以外にも殺しや、強姦もするようになってしまい。何度もいさめましたが聞いてもらえませんでした』
 昔から家に使える家臣が言うには臣下の者を繋ぎ止めておくには必要なのだと。
 ヒスイはそれを受け入れた復讐のためにと、必要悪なのだと。

 俺は自分の体をヒスイの人間の体に変えステータスを確認した。

 ぶちのめしたときは気がつかなかったが、能力値はそれほど高くない。ヒスイ自体のレベルも10だ。
 ケバ子とは違い本当にただのお姫様だ。

 この程度の人間に暴徒と化した兵を止める術はないか。

「お前は死ぬべきだったんじゃないか?」
 そう言ってから、選択肢が無い奴に言う言葉じゃなかったと反省する。

『その選択肢があるのは分かっていました。ですが復讐のためにその選択肢を捨ててしまいました』

「家臣を殺した俺が憎いか?」
 俺のその言葉にヒスイは首を振る。

『いいえ、あの者達を止めるには、もう殺すしかなかったですし、龍の化身たるカオス様に恨みを持つなどあり得ません』
 

「その龍の化身とか龍神様とかなんなんだ」

『グリン王国に伝わる伝説に国滅びるとき龍の化身が現れ世界を救うと言う伝承があり。カオス様の姿がまさに伝承の龍そのものなのです』

「俺はこの世界が嫌いだ、救う気はないぞ」

『カオス様に支えるのが我が一族の使命なのです』

「」

『……カオス様がホワト帝国討つ必要無しと判断するのならばそれに従います』
 頭をガリガリと掻くとヒスイを持ち上げ瞬間移動する。
 バルモンテ領まで移動するとそこから龍になりそのままヒスイを掴み空を飛び南下する。

『カオス様……このまま南下すればホワト帝国領になります』

『知っている』

『……』

 ホワト領に入ると地上から空に向け砲撃がされる。火の玉が何個も何個も俺めがけ飛んでくるが音速で飛ぶ俺にはカスリもしない。

 大きな街の明かりが見える平原で俺は地上に降り立ち人間に戻る。

 ヒスイを元の人間に戻し部位交換ミキシングビルド増加整形ジャンクビルドで高等魔法回路と獅子王の体を与えた。

 アイテムボックスから神槍グラビィオンと鎧をヒスイの体に調整したものを与えた。

「カオス様これは?」

「その力があればホワト帝国と戦えるだろう。復讐をしたければすればいい。俺はお前を騙した、お前の復讐に付き合う気はない」

「この力があればホワト帝国を倒せるのですか?」
「倒せるかもしれんし倒せないかもしれない、俺には関係ないことだ。その武器と力は選別と殴ったお詫びだ」

「カオス様」

「ヒスイ、すまなかったな。力は与えた、あとはお前の好きにすればいい」
 力は与えたが、その力を悪に使えば破裂するように設定してある、自分の正義に背かなければ死ぬことはない。

「じゃあな」
 俺は町に戻るため転移しようとするとヒスイが抱きつく。獅子王の体で抱きつかれた俺は虚を突かれ、そのまま押し倒される。

「捨てないでください!」

「は?」

「私はもうカオス様のモノです。例えカオス様がホワト帝国を倒さなくても、あなたから離れることはありません」

「訳がわからん」

「私たちグリン王国の者は龍神様が現れたら支えるべしと子供の頃から教わっていました。なによりカオス様は私が止めるべきだった者達を止めてくれました」

「大事な仲間を、お前の家臣を殺したんだぞ」

「それでも止めてくれました。私にはできなかったことです」

「俺はお前の復讐を手伝ってやれないぞ」

「はい、カオス様が復讐の気持ちを捨てろと言うのならば捨てます」

「それでいいのか?」

「もう、守るべき家臣はいませんし復讐しても何も得られません。だから復讐はやめます。カオス様と共に未来を歩きます」
 
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感想 3

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みんなの感想(3件)

なまこ
2019.08.24 なまこ

やっとここまで読めました(´Д` )
これからはもう投稿されないんですか?
勝手なお願いですが、自分的にはとても大好きな作品で、頻度遅くてもいいので投稿して欲しいです。勝手言ってしまって申し訳ないです。

2019.08.26 のきび

読んでいただきありがとうございます。
一応続きは書くつもりですが、アルファポリスのシステムでは毎月新作を書かないとポイントがもらえませんので過去作はどうしても止まりがちになります。

ノベルアップ+ でも投稿してますが、そちらの応援が多かったら更新速度が上がると思います。

これからも応援していただければ幸いです。

解除
msynox
2019.08.08 msynox

非常に好みな作風です。
よくあるハーレムものでは主人公はハーレムの主でありながら、ちょっとした事でハーレムメンバーから「正座!」とか言われて正座するようなヘタレばかり。
あなたの作品は「これが俺だ!嫌なら去れ!」と言わんばかりの主人公の雄々しさが言動に感じられ、まさにグッド。こういう作品をこそ求めていました。

今1番更新が楽しみな作品です。
頑張って下さい!応援してます!

2019.08.08 のきび

読んでいただき、ありがとうございます。
今後も読んでいただけるよう頑張りたいと思います。

解除
アカラ
2019.07.30 アカラ

設定が面白いなぁ。ただ、見逃してるだけかもしんないけど体のパーツを変えたときって見た目は変わらないの?
魔物のパーツなら異形な見た目になってると思うんだけど、受付嬢が平然としてたから少し気になった。
途中までしか読んでないけど面白い。
頑張って~

2019.07.31 のきび

読んでいただきありがとうございます。
説明不足で申し訳ありません。
オーガ(巨大な人間系の魔物)の皮膚で現在のカオスの姿は見た目は人間です。
もちろん魔物の姿で戦うこともできますがそこまで強い魔物はあの周辺にはいませんのでフィールドではこの姿がメインになります。
これからも読んでいただけたら幸いです。

解除

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