183 / 375
第9章
第183話
しおりを挟む
「レイナルド殿!」
「おぉ! ファウスト殿!」
ケイたちがドワーフ王国へ行ってから10年ほどの月日が経った。
畑仕事をしていたレイナルドに、カンタルボス王国の第2王子のファウストが呼びかける。
下を向き、手を泥だらけにして雑草を取っていたレイナルドは、声をかけられたことによって顔を上げ、声がした方に知った顔を見つけて手を振った。
「またカルロスが迷惑かけたのではないですか?」
「いいえ、最近はお互い落ち着いたもので……」
ファウストとカルロスは、同じ次男同士ということもあって仲がいい。
よく組み手をして、勝った負けたを繰り返している。
しかし、最近その2人も戦う姿を見なくなった。
国と言っても、カンタルボスとアンヘルでは規模が全然違うが、お互い自分の国での立場が変わったというのが大きい。
「ケイ殿は……?」
「あぁ……」
ファウストは、ここアンヘル島のトップであるケイに挨拶をしに行く途中なのだが、なんとなく会いに行くのが気が引けているようだ。
その理由が分かり、レイナルドも困ったような表情に変わる。
「……いまだに元気がない状況です」
あることがあり、現在ケイは元気がない。
島のみんなも今はそっとしておいた方がいいと、腫れ物に触るような扱いになっている。
「美香殿が亡くなって間もないですからな……」
ケイが元気がない理由はこれだ。
ファウストが言ったように、ケイの妻である美花がなくなったのだ。
全身に転移した癌による心臓機能の停止。
それが美花の亡くなった理由だ。
いくら前世の知識と魔法があっても、治す術がなかった。
最初、癌が転移した内臓を取り出し、再生魔法で回復させるという手を思いついたのだが、外傷を治す以上に内臓の再生には膨大な魔力を消費した。
時間を消費すれば再生できるかもしれにが、再生する時間が遅くなれば、その場で美花の死が定着してしまう可能性がある。
死人を生き返らせることは、この世界の魔法をもってしても不可能なこと。
それはどこからが死なのか曖昧なことになっている。
心臓が止まったからと言って、心臓マッサージで意識を取り戻す人間もいる。
だが、心臓マッサージをすれば絶対に治るという訳でもない。
もしも、美花を救おうとして心臓が止まった時、回復魔法で絶対治るという保証はない。
ケイはいくつかの臓器を治すことに成功したが、脳に転移した癌に手を出すことができなかった。
もしも脳の一部に傷を付け、それで心臓が停止した場合。
その時の美花は死んだ状態になるのだろうか。
それが死んだ状態だとなった時、癌を全て取り除いたとして、また心臓が動き出すという保証がない。
その考えに行きついた時、ケイに美花の脳を手術する選択ができなくなった。
「いつかこうなるとは分っていたはずなんだけど……」
エルフのケイは長命。
美花と結婚した時、人族の彼女が先に亡くなる確率の方が高いということは分かっていたはずだ。
それは息子のレイナルドも同じだ。
彼の妻のセレナは獣人。
ハーフとはいえエルフの血を引くレイナルドは、恐らく長命になると思う。
少なくとも妻のセレナよりかは長生きをするはず。
彼の場合、未婚の獣人女性の尻尾を掴んだということがあったというのもあるが、妻を看取る覚悟もしておかないと、結婚に踏み込むことなどできなかっただろう。
「分かっていても応えたのでしょう。ケイ殿は美花殿と本当に仲が良かったですから……」
別にベタベタしていた訳でもないが、ケイはいつも美花を連れて移動していた。
カンタルボス王国やドワーフ王国にも連れて行っていた。
いつも2人でいるというイメージが、他国のファウストの頭の中にも浮かんで来る。
その片方が亡くなってしまい、ポッカリと穴が開いたように思える。
「とりあえず、もう少しの間父さんのことは放って置いてやってください」
「分かりました。ケイ殿によろしくお伝えください」
息子のレイナルドもケイのことをどうしていいか分からない。
みんなが言うように、このまま次第に元気になってくれるのを待つしかないと思っている。
なので、挨拶をしようかと思っているファウストへ放って置くことを勧めた。
ファウストとしても、ケイがずっとこのままだとは思っていない。
レイナルドの言うように、もう少し時間を置くのが多分正解だろう。
そのため、レイナルドに駐留兵の入れ替えのことなどをし、来た時同様にカルロスに自国へ送ってもらったのだった。
「…………まだ、早いよ」
居住区の北にある島の墓地。
新しくできた墓の前でケイは呟く。
まだ60代前半。
自分の方が長生きするとは分っていたが、早い妻の死に頭の整理が追い付いていない。
「こういった時は、エルフって辛いな……」
美花は年齢に見合った年老い方をしていっていた。
それとは違い、ケイは20代から容姿の変貌がない。
年老いて皺が増えていくのを美花は嫌っていたが、ケイはそれも愛おしく思えていた。
家族や島民に囲まれ、穏やかな顔で亡くなった美花の顏のシワに触れた時、ケイは涙が止まらなかった。
最後は苦しまなかったのが、せめてもの救いだった気がする。
美花の名前が書かれた墓の前に立っていると、救えなかった自分の勇気と力のなさに悔しさが残る。
父や叔父の時と同じくらい、いや、その時はアンヘルの意識が優先だったので、ケイとしてはある意味第3者のような感情だが、美花の場合は何だか心に重く感じる。
「クゥ~ン……」
「お前も悲しいか?」
美花の従魔だった柴犬のクウ。
主人が亡くなり、従魔契約が解除された。
しかし、だからと言って美花のことが好きな気持ちは変わらない。
ケイ同様、美花のことを思いだして悲し気な声をあげる。
放って置くと、墓の前で何も食べずに動かなくなってしまうので、ケイの指示なら言うことを聞くのでケイが従魔契約を引き継ぐことにした。
【しゅじん、ゲンキだす!】
「あぁ……」
もう一種類の従魔であるケセランパサランのキュウも元気のない主人を心配そうに見つめている。
もう何度目になるかの念話による励ましも、生返事が帰ってくるだけだ。
「………………」
今日も墓の前で長い時間沈んだ気持ちでいると、特にきっかけもなくケイは無言で家に戻っていった。
「んっ? 父さん?」
「兄さん、これ……」
翌朝、朝食の時間になったが、食堂にケイの姿がない。
いつもなら来ていてもおかしくない時間だというのに、一向に現れる気配がない。
心配になったレイナルドとカルロスは、ケイを起こしに向かった。
しかし、家の中にはケイの気配がない。
そのことにレイナルドが不安になっていると、カルロスが書斎から数枚の紙を持ってレイナルドの所にやってきた。
「……何だこれ? 出かけるってだけしか書いてないけど?」
島のことはレイナルドを中心にし、カルロスにはそのフォローをするようにといった数々の島の仕事のことを指示することが書かれていた。
それはとりあえず置いておいて、ケイ自身のことが書かれた紙が最後にあった。
その紙には、ただ一言出かけて来るから探すなということだった。
大容量のと美花がつけていた魔法の指輪は、レイナルドとカルロスが持ち主になるように設定しなおしてあると書かれており、手紙と一緒に添えられていた。
「「どこへ……?」」
どこへ行くかが手紙には書かれていないことに首を傾げる2人。
出かけるのは構わないし、島のことも何とかなるだろう。
ケイならどこへ行こうがなんとかなるとは思うが、せめて行き先を書いて欲しいと思った2人だった。
「おぉ! ファウスト殿!」
ケイたちがドワーフ王国へ行ってから10年ほどの月日が経った。
畑仕事をしていたレイナルドに、カンタルボス王国の第2王子のファウストが呼びかける。
下を向き、手を泥だらけにして雑草を取っていたレイナルドは、声をかけられたことによって顔を上げ、声がした方に知った顔を見つけて手を振った。
「またカルロスが迷惑かけたのではないですか?」
「いいえ、最近はお互い落ち着いたもので……」
ファウストとカルロスは、同じ次男同士ということもあって仲がいい。
よく組み手をして、勝った負けたを繰り返している。
しかし、最近その2人も戦う姿を見なくなった。
国と言っても、カンタルボスとアンヘルでは規模が全然違うが、お互い自分の国での立場が変わったというのが大きい。
「ケイ殿は……?」
「あぁ……」
ファウストは、ここアンヘル島のトップであるケイに挨拶をしに行く途中なのだが、なんとなく会いに行くのが気が引けているようだ。
その理由が分かり、レイナルドも困ったような表情に変わる。
「……いまだに元気がない状況です」
あることがあり、現在ケイは元気がない。
島のみんなも今はそっとしておいた方がいいと、腫れ物に触るような扱いになっている。
「美香殿が亡くなって間もないですからな……」
ケイが元気がない理由はこれだ。
ファウストが言ったように、ケイの妻である美花がなくなったのだ。
全身に転移した癌による心臓機能の停止。
それが美花の亡くなった理由だ。
いくら前世の知識と魔法があっても、治す術がなかった。
最初、癌が転移した内臓を取り出し、再生魔法で回復させるという手を思いついたのだが、外傷を治す以上に内臓の再生には膨大な魔力を消費した。
時間を消費すれば再生できるかもしれにが、再生する時間が遅くなれば、その場で美花の死が定着してしまう可能性がある。
死人を生き返らせることは、この世界の魔法をもってしても不可能なこと。
それはどこからが死なのか曖昧なことになっている。
心臓が止まったからと言って、心臓マッサージで意識を取り戻す人間もいる。
だが、心臓マッサージをすれば絶対に治るという訳でもない。
もしも、美花を救おうとして心臓が止まった時、回復魔法で絶対治るという保証はない。
ケイはいくつかの臓器を治すことに成功したが、脳に転移した癌に手を出すことができなかった。
もしも脳の一部に傷を付け、それで心臓が停止した場合。
その時の美花は死んだ状態になるのだろうか。
それが死んだ状態だとなった時、癌を全て取り除いたとして、また心臓が動き出すという保証がない。
その考えに行きついた時、ケイに美花の脳を手術する選択ができなくなった。
「いつかこうなるとは分っていたはずなんだけど……」
エルフのケイは長命。
美花と結婚した時、人族の彼女が先に亡くなる確率の方が高いということは分かっていたはずだ。
それは息子のレイナルドも同じだ。
彼の妻のセレナは獣人。
ハーフとはいえエルフの血を引くレイナルドは、恐らく長命になると思う。
少なくとも妻のセレナよりかは長生きをするはず。
彼の場合、未婚の獣人女性の尻尾を掴んだということがあったというのもあるが、妻を看取る覚悟もしておかないと、結婚に踏み込むことなどできなかっただろう。
「分かっていても応えたのでしょう。ケイ殿は美花殿と本当に仲が良かったですから……」
別にベタベタしていた訳でもないが、ケイはいつも美花を連れて移動していた。
カンタルボス王国やドワーフ王国にも連れて行っていた。
いつも2人でいるというイメージが、他国のファウストの頭の中にも浮かんで来る。
その片方が亡くなってしまい、ポッカリと穴が開いたように思える。
「とりあえず、もう少しの間父さんのことは放って置いてやってください」
「分かりました。ケイ殿によろしくお伝えください」
息子のレイナルドもケイのことをどうしていいか分からない。
みんなが言うように、このまま次第に元気になってくれるのを待つしかないと思っている。
なので、挨拶をしようかと思っているファウストへ放って置くことを勧めた。
ファウストとしても、ケイがずっとこのままだとは思っていない。
レイナルドの言うように、もう少し時間を置くのが多分正解だろう。
そのため、レイナルドに駐留兵の入れ替えのことなどをし、来た時同様にカルロスに自国へ送ってもらったのだった。
「…………まだ、早いよ」
居住区の北にある島の墓地。
新しくできた墓の前でケイは呟く。
まだ60代前半。
自分の方が長生きするとは分っていたが、早い妻の死に頭の整理が追い付いていない。
「こういった時は、エルフって辛いな……」
美花は年齢に見合った年老い方をしていっていた。
それとは違い、ケイは20代から容姿の変貌がない。
年老いて皺が増えていくのを美花は嫌っていたが、ケイはそれも愛おしく思えていた。
家族や島民に囲まれ、穏やかな顔で亡くなった美花の顏のシワに触れた時、ケイは涙が止まらなかった。
最後は苦しまなかったのが、せめてもの救いだった気がする。
美花の名前が書かれた墓の前に立っていると、救えなかった自分の勇気と力のなさに悔しさが残る。
父や叔父の時と同じくらい、いや、その時はアンヘルの意識が優先だったので、ケイとしてはある意味第3者のような感情だが、美花の場合は何だか心に重く感じる。
「クゥ~ン……」
「お前も悲しいか?」
美花の従魔だった柴犬のクウ。
主人が亡くなり、従魔契約が解除された。
しかし、だからと言って美花のことが好きな気持ちは変わらない。
ケイ同様、美花のことを思いだして悲し気な声をあげる。
放って置くと、墓の前で何も食べずに動かなくなってしまうので、ケイの指示なら言うことを聞くのでケイが従魔契約を引き継ぐことにした。
【しゅじん、ゲンキだす!】
「あぁ……」
もう一種類の従魔であるケセランパサランのキュウも元気のない主人を心配そうに見つめている。
もう何度目になるかの念話による励ましも、生返事が帰ってくるだけだ。
「………………」
今日も墓の前で長い時間沈んだ気持ちでいると、特にきっかけもなくケイは無言で家に戻っていった。
「んっ? 父さん?」
「兄さん、これ……」
翌朝、朝食の時間になったが、食堂にケイの姿がない。
いつもなら来ていてもおかしくない時間だというのに、一向に現れる気配がない。
心配になったレイナルドとカルロスは、ケイを起こしに向かった。
しかし、家の中にはケイの気配がない。
そのことにレイナルドが不安になっていると、カルロスが書斎から数枚の紙を持ってレイナルドの所にやってきた。
「……何だこれ? 出かけるってだけしか書いてないけど?」
島のことはレイナルドを中心にし、カルロスにはそのフォローをするようにといった数々の島の仕事のことを指示することが書かれていた。
それはとりあえず置いておいて、ケイ自身のことが書かれた紙が最後にあった。
その紙には、ただ一言出かけて来るから探すなということだった。
大容量のと美花がつけていた魔法の指輪は、レイナルドとカルロスが持ち主になるように設定しなおしてあると書かれており、手紙と一緒に添えられていた。
「「どこへ……?」」
どこへ行くかが手紙には書かれていないことに首を傾げる2人。
出かけるのは構わないし、島のことも何とかなるだろう。
ケイならどこへ行こうがなんとかなるとは思うが、せめて行き先を書いて欲しいと思った2人だった。
0
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる