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本編
4.勇者(妹)は非常にちょろい
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お前馬鹿だろ、セキニンとれんのか。
地球にきて、猛暑のなか、兄に言われた。
でも、だって。とまりはその時はただのトカゲの姿になったシュリを抱きしめていた。
30センチくらいのトカゲである。何を考えているのかわからないけれど、抱いたそれは生きている。
死んで欲しくなかった、あんな理由で死ぬなんて許せなかった。それを止めたかった。
とまりの頭でぐるぐると気持ちが回り続ける。しかし、言葉に出てこない。
おにいちゃん、なんでここまできていうの。頭の中がぐるぐるする。
とまり。よく考えろよ。真鳥はいった。
勇者に敗北したとはいえ魔王が生き延びているって言うのはきっと脅威につながる。
脅威って?とまりは首をかしげる。
恐れ続けなきゃ行けないってことだよ。それは結構大変なことだ。それなら、いっそ殺してすっきりしたい気持になるかも知れない。
女神は別にいいんだろーけど、あの世界のやつらはなにするかわかんないぜ。
でも、あっちからこっちにくるなんてできるの?
ばか、俺たちができたんだから、だれかするかもしれないだろ。
兄は真剣な顔をしていた。兄は頭がいいし、口も回る。意地悪だけど、ひどいことはしない。とまりにもわかるように言ってくれる。
……そんなことになったら。とまりは元魔王を見た。
抱きしめた腕の中で静かに心臓が鼓動するイキモノ。――責任とかよくわからない。ただ、いのちを棄てるのをただ漫然とみているのは嫌だった。だから。
それでもいい。私はそれからすべてのいのちをかけて、シュリと生きる。とまりは兄に言った。
9才のとまりには一生なんてよくわからなかった。でも、できる限りはやろうと、そう思ったのだ。首がくすぐったくて下を見ると、トカゲが舌をちらちらと伸ばしていた。
くすぐったいよ。思わず笑うと、ため息が聞こえた。
兄は言った。
責任、とれよ。ふてくされた顔で、兄はそっぽをむいた。
そういう兄の姿は昔、すごくかなしかった。でも、今はわかる。
異世界での生活を通して知った。こういうときの兄は突き放しているのではなく、ただどうしていいかわからないだけなのだ。
うん、大丈夫。私責任取るよ。とまりは笑った。
駅前でふたりと一匹。立ち尽くしていた。
◇◇◇
「……………」
「どうだ」
言い終わったシュリは幾分か落ち着いた様子だった。言いたいことは言ったので、大丈夫、とでも言いそうな。
いやいや、大丈夫じゃないし。かなえることはできる。
とまりにはできることだ、できる範囲のことだ。でも。
「…………………」
「とまり?」
「…………」
スキとか、アイシテルとか、コドモヲウンデホシイだと?!なんかもう頭をただぐるぐるしてる。
とまりだって、シュリのことは好きだし、なんなら、考えてみれば愛してるのかけらくらいは感じてる。でも、そこから、子供産んで欲しいは、一度にいうにはなんか突然の暴発すぎないか。
っていうかここ最近著しく、性的興奮とは
「……シュリ、昨日私とお風呂入ってたよね……」
「そうだな、ヤクトクというやつだ」
「………」
シュリととまりは一緒にふろに入ることが多い。そこまで視線は感じなかった。感じなかったが、シュリはトカゲ姿のままとまりの胸の谷間でのんびり湯につかっていた、ような気がするのだが。
(もう一緒のお風呂禁止しよう……)
なんなんだこの堂々たるセクハラ発言。
「どうだろうか、とまり。その、我の番に。あと、子作り……」
「いやいや、やっぱり急な話過ぎる!!何故一足飛びにそんなところまで?!」
シュリの胸に指を突き付けて、とまりは叫んだ。
「ダメか……」
「ダメとか以前に混乱してるの!なんのそぶりも見せなかったくせに、いいい、今更になって何を!急に!おっしゃる!!そりゃ混乱もするよ!!」
「だから」
「ええい、さっきの説明は繰り返さなくていい!!何故今日なのか!!なんで突然子作りからなのか!!!!そこ!!!!」
――とりあえず一気に恋愛を飛び越えすぎているのをどうにかしたかったとまりはシュリに説明を求めた。
シュリは何とも言い難い顔をしたのち、どうにか口を開いた。
「今日は級友たちにとまりが他の男にも性的興奮をもたらしているといわれていたではないか」
「……いやあれは」
とまりに発情したというより男子が常に発情しているだけだろう。
「……それとさっき、発情しただろう」
「………は?」
シュリの言葉にとまりは口元をひきつらせた。
「は、はつじょうって」
「とまり、今日少し、性的に興奮しただろう。その、そこそこ我は鼻が利くのだ」
「へっ」
「あれは自分の体の変化に気づき、他者から性的興奮を向けられることでその気になったのではないか?であれば、今とまりに自分の気持ちを伝えておかねば他の男のところにいってしまうに違いない。我はトカゲの姿のままでは、とまりにそのようにみられるとは思わない。だから、日々練習していた成果を今日今突き付けることでなし崩し的に我をそういう目で見るしかないようにしようかと――」
「た、たんまー!!!」
とまりは頭を抱えた。性的に興奮、いや、そんないつの話だ?
そうしてふと思い出し、「あああああ」と叫んだ。
不思議そうな顔で見つめるシュリにベッドサイドに置いてあったマンガを指さす。
「そそそっ、それはこの、このまんががっ」
「まんがが?」
「ええと!!ここに記載が!!」
慌ててマンガをつかみ、該当箇所を探す。しかし、シリーズを借りたため、何巻に記載があるかわからない。
(どどどどどどうしたら)
目の前が白くなる。一巻をみて、二巻を見て、三巻をみて、一巻に戻って――
「どどどどこに……!」
「とまり、おちつけ」
シュリの声に我に返る。
「………と、ともかく、その、マンガのせいです」マンガを閉じ、視線を背ける。
「マンガに性的行為の描写があって興奮したのか」
「………はい」
「自慰行為は?」
「……してな、じゃないくて、何聞いてんの?!」
「すまん、うっかり」
思わずシュリに視線を戻す。シュリは何事もなかった顔で謝った。
ともかく。とまりは咳ばらいをし、話を戻すことにした。
「しゅ、シュリはつまりその、私と子供を作りたい!と、いうことでいいんだよね?」
「ああ」
シュリは大まじめな顔でうなずいた。
「そ、それは結局その……私のことが……好きってことでいいん、だよね」
とまりの声は震えた。今、一番きっと顔が赤くなっている。
好きだ愛してる、言われたけど、ちゃんと確認しなきゃいけない。確認したい。
恥ずかしさでうつむきたいけど、それはやめた。――シュリの顔を見たい。
とまりの視線にシュリはまばたきした。黄色の瞳はとろりと柔らかい金色に変わる気がした。それは、彼がとまりを見るときの目だ。
シュリに生きようといった、あのときから彼は穏やかな、すべてを受け入れるような瞳だった。
彼は微笑んだ。
「好きだ」
そして、続ける。
「とまりは我のことが好きか?人間の姿になり、とまりに子を産んでほしいと思うようになった。我は変わった、それを踏まえて、とまりは我のことをどう思う?」
シュリは好きだ。しかし、その好きという気持ちがどのようなものなのか。とまりは考える。
今まで、シュリはとまりの大切な家族だった。命を共有する家族。自分が拾って、最後まで面倒をみるべき存在。あのとき、自分はまだその意味を分かっていなかった。きっとしゃべるペットのような、ものだったのだろう。しかし、年々彼と自分の関係に齟齬が生まれた。彼との生活に慣れつつも、将来の展望ははっきりしなかったのはそれが原因だろう。でも、彼を捨てるつもりなんてさらさらなかった。それくらい、好きだ。
しかし、シュリがとまりにいう「好き」はそれとは違うものだ。
それを、今突き付けられている。
「私は」
付き合うなら、理想の相手は、どんな人がいい?
優しくて、知識豊富で頭良くて、穏やかで、懐が広い。――シュリだってそうだ。
“人”というくくりが、ただの枷だったのだとしたら。
「シュリのこと」
彼を見る。
姿かたち一つ人間にしたところで、本質は変わらない。彼はいつだってとまりのそばにいた存在だ。でも、とまりの認識が変わる。
(そういう効果、狙うのか……)
恋愛対象外を恋愛対象に変えるための賭け。
少しうれしくて、ドキドキするあたりに、なんとちょろいのだ自分。等と思いつつ。
「きっと、シュリのとは違う意味だけど、――好きだよ。好きであることに変わりはない」
ともかく、好きか嫌いかと言ったらその一択で。
シュリはその言葉に満足そうに微笑んだ。今はこれしか言えない。それでも彼は満足そうで、とまりは少し安心して。自分でも納得した。
「それは、うれしい」
シュリはそれでいいようだった。
これでいい。きっと。
一足飛びでこんがらがりそうだったけど、これでいい。
しかし、いった言葉は嘘じゃないけれど、――やっぱり彼を救うときと同じくらい、後先を考えていなかった気がする。
地球にきて、猛暑のなか、兄に言われた。
でも、だって。とまりはその時はただのトカゲの姿になったシュリを抱きしめていた。
30センチくらいのトカゲである。何を考えているのかわからないけれど、抱いたそれは生きている。
死んで欲しくなかった、あんな理由で死ぬなんて許せなかった。それを止めたかった。
とまりの頭でぐるぐると気持ちが回り続ける。しかし、言葉に出てこない。
おにいちゃん、なんでここまできていうの。頭の中がぐるぐるする。
とまり。よく考えろよ。真鳥はいった。
勇者に敗北したとはいえ魔王が生き延びているって言うのはきっと脅威につながる。
脅威って?とまりは首をかしげる。
恐れ続けなきゃ行けないってことだよ。それは結構大変なことだ。それなら、いっそ殺してすっきりしたい気持になるかも知れない。
女神は別にいいんだろーけど、あの世界のやつらはなにするかわかんないぜ。
でも、あっちからこっちにくるなんてできるの?
ばか、俺たちができたんだから、だれかするかもしれないだろ。
兄は真剣な顔をしていた。兄は頭がいいし、口も回る。意地悪だけど、ひどいことはしない。とまりにもわかるように言ってくれる。
……そんなことになったら。とまりは元魔王を見た。
抱きしめた腕の中で静かに心臓が鼓動するイキモノ。――責任とかよくわからない。ただ、いのちを棄てるのをただ漫然とみているのは嫌だった。だから。
それでもいい。私はそれからすべてのいのちをかけて、シュリと生きる。とまりは兄に言った。
9才のとまりには一生なんてよくわからなかった。でも、できる限りはやろうと、そう思ったのだ。首がくすぐったくて下を見ると、トカゲが舌をちらちらと伸ばしていた。
くすぐったいよ。思わず笑うと、ため息が聞こえた。
兄は言った。
責任、とれよ。ふてくされた顔で、兄はそっぽをむいた。
そういう兄の姿は昔、すごくかなしかった。でも、今はわかる。
異世界での生活を通して知った。こういうときの兄は突き放しているのではなく、ただどうしていいかわからないだけなのだ。
うん、大丈夫。私責任取るよ。とまりは笑った。
駅前でふたりと一匹。立ち尽くしていた。
◇◇◇
「……………」
「どうだ」
言い終わったシュリは幾分か落ち着いた様子だった。言いたいことは言ったので、大丈夫、とでも言いそうな。
いやいや、大丈夫じゃないし。かなえることはできる。
とまりにはできることだ、できる範囲のことだ。でも。
「…………………」
「とまり?」
「…………」
スキとか、アイシテルとか、コドモヲウンデホシイだと?!なんかもう頭をただぐるぐるしてる。
とまりだって、シュリのことは好きだし、なんなら、考えてみれば愛してるのかけらくらいは感じてる。でも、そこから、子供産んで欲しいは、一度にいうにはなんか突然の暴発すぎないか。
っていうかここ最近著しく、性的興奮とは
「……シュリ、昨日私とお風呂入ってたよね……」
「そうだな、ヤクトクというやつだ」
「………」
シュリととまりは一緒にふろに入ることが多い。そこまで視線は感じなかった。感じなかったが、シュリはトカゲ姿のままとまりの胸の谷間でのんびり湯につかっていた、ような気がするのだが。
(もう一緒のお風呂禁止しよう……)
なんなんだこの堂々たるセクハラ発言。
「どうだろうか、とまり。その、我の番に。あと、子作り……」
「いやいや、やっぱり急な話過ぎる!!何故一足飛びにそんなところまで?!」
シュリの胸に指を突き付けて、とまりは叫んだ。
「ダメか……」
「ダメとか以前に混乱してるの!なんのそぶりも見せなかったくせに、いいい、今更になって何を!急に!おっしゃる!!そりゃ混乱もするよ!!」
「だから」
「ええい、さっきの説明は繰り返さなくていい!!何故今日なのか!!なんで突然子作りからなのか!!!!そこ!!!!」
――とりあえず一気に恋愛を飛び越えすぎているのをどうにかしたかったとまりはシュリに説明を求めた。
シュリは何とも言い難い顔をしたのち、どうにか口を開いた。
「今日は級友たちにとまりが他の男にも性的興奮をもたらしているといわれていたではないか」
「……いやあれは」
とまりに発情したというより男子が常に発情しているだけだろう。
「……それとさっき、発情しただろう」
「………は?」
シュリの言葉にとまりは口元をひきつらせた。
「は、はつじょうって」
「とまり、今日少し、性的に興奮しただろう。その、そこそこ我は鼻が利くのだ」
「へっ」
「あれは自分の体の変化に気づき、他者から性的興奮を向けられることでその気になったのではないか?であれば、今とまりに自分の気持ちを伝えておかねば他の男のところにいってしまうに違いない。我はトカゲの姿のままでは、とまりにそのようにみられるとは思わない。だから、日々練習していた成果を今日今突き付けることでなし崩し的に我をそういう目で見るしかないようにしようかと――」
「た、たんまー!!!」
とまりは頭を抱えた。性的に興奮、いや、そんないつの話だ?
そうしてふと思い出し、「あああああ」と叫んだ。
不思議そうな顔で見つめるシュリにベッドサイドに置いてあったマンガを指さす。
「そそそっ、それはこの、このまんががっ」
「まんがが?」
「ええと!!ここに記載が!!」
慌ててマンガをつかみ、該当箇所を探す。しかし、シリーズを借りたため、何巻に記載があるかわからない。
(どどどどどどうしたら)
目の前が白くなる。一巻をみて、二巻を見て、三巻をみて、一巻に戻って――
「どどどどこに……!」
「とまり、おちつけ」
シュリの声に我に返る。
「………と、ともかく、その、マンガのせいです」マンガを閉じ、視線を背ける。
「マンガに性的行為の描写があって興奮したのか」
「………はい」
「自慰行為は?」
「……してな、じゃないくて、何聞いてんの?!」
「すまん、うっかり」
思わずシュリに視線を戻す。シュリは何事もなかった顔で謝った。
ともかく。とまりは咳ばらいをし、話を戻すことにした。
「しゅ、シュリはつまりその、私と子供を作りたい!と、いうことでいいんだよね?」
「ああ」
シュリは大まじめな顔でうなずいた。
「そ、それは結局その……私のことが……好きってことでいいん、だよね」
とまりの声は震えた。今、一番きっと顔が赤くなっている。
好きだ愛してる、言われたけど、ちゃんと確認しなきゃいけない。確認したい。
恥ずかしさでうつむきたいけど、それはやめた。――シュリの顔を見たい。
とまりの視線にシュリはまばたきした。黄色の瞳はとろりと柔らかい金色に変わる気がした。それは、彼がとまりを見るときの目だ。
シュリに生きようといった、あのときから彼は穏やかな、すべてを受け入れるような瞳だった。
彼は微笑んだ。
「好きだ」
そして、続ける。
「とまりは我のことが好きか?人間の姿になり、とまりに子を産んでほしいと思うようになった。我は変わった、それを踏まえて、とまりは我のことをどう思う?」
シュリは好きだ。しかし、その好きという気持ちがどのようなものなのか。とまりは考える。
今まで、シュリはとまりの大切な家族だった。命を共有する家族。自分が拾って、最後まで面倒をみるべき存在。あのとき、自分はまだその意味を分かっていなかった。きっとしゃべるペットのような、ものだったのだろう。しかし、年々彼と自分の関係に齟齬が生まれた。彼との生活に慣れつつも、将来の展望ははっきりしなかったのはそれが原因だろう。でも、彼を捨てるつもりなんてさらさらなかった。それくらい、好きだ。
しかし、シュリがとまりにいう「好き」はそれとは違うものだ。
それを、今突き付けられている。
「私は」
付き合うなら、理想の相手は、どんな人がいい?
優しくて、知識豊富で頭良くて、穏やかで、懐が広い。――シュリだってそうだ。
“人”というくくりが、ただの枷だったのだとしたら。
「シュリのこと」
彼を見る。
姿かたち一つ人間にしたところで、本質は変わらない。彼はいつだってとまりのそばにいた存在だ。でも、とまりの認識が変わる。
(そういう効果、狙うのか……)
恋愛対象外を恋愛対象に変えるための賭け。
少しうれしくて、ドキドキするあたりに、なんとちょろいのだ自分。等と思いつつ。
「きっと、シュリのとは違う意味だけど、――好きだよ。好きであることに変わりはない」
ともかく、好きか嫌いかと言ったらその一択で。
シュリはその言葉に満足そうに微笑んだ。今はこれしか言えない。それでも彼は満足そうで、とまりは少し安心して。自分でも納得した。
「それは、うれしい」
シュリはそれでいいようだった。
これでいい。きっと。
一足飛びでこんがらがりそうだったけど、これでいい。
しかし、いった言葉は嘘じゃないけれど、――やっぱり彼を救うときと同じくらい、後先を考えていなかった気がする。
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