番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?

ゆきりん(安室 雪)

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 朝洞窟を後にし、昨日迂回した辺りに戻ってくる。水捌けの良い山のようで、泥で馬が歩きにくい事は無かった。

 昨日の夜と同じく、朝は干し肉と乾パンだった。ここ数日、食が充実していたのでかなり物足りない。一応お腹は満たしているが、気分的に満たされないのだ。次回遠出する事があれば、ドライフルーツも持って行こう。日持ちする焼き菓子も欲しいな・・・、等と考えていると少し開けた平地に出る。

 普段なら山道から解放されるのでホッと一息つくのだが、長年鍛えた感で何やら危険を感じる。

 何だ?

 視線は何処からだ!?

 周りを見渡した瞬間、上から矢が降り怯んだ瞬間、岩場から何人かが飛び出して来て剣を振り回している。

 噂の山賊だ。

 スミレとガイナは剣を抜き向かってくる山賊を斬りつけていく。戦意を失わせるくらいで、命は取らない程度だ。ガイナは馬から降り、ロープで縛っていく。その間にスミレは黄色の発煙筒をたく。

 『犯罪者を回収しに来てくれ』

 と言う騎士団の合図だ。先を急ぐ時や、犯罪者を回収出来ない場合に使う。発煙筒は大体6時間は保つので、犯罪者の場所はきちんと把握してもらえるのだ。

 そうこうしている内に、歩きで商人達がやってきた。昨日は山に入ったが天候が怪しかった為一旦山を下り、再度早朝に出直したそうだ。2人が山賊を退治したのを見て感謝した。

 「これでしばらくは安心だ」

 「良かった」

 などなどの声が聞こえてきた。




 その後は何事も無く、山を下りる事が出来早めに宿を取る事にした。

 相変わらず2人は同じく部屋だったが、スミレは最初程抵抗は無くなっていた。先にシャワーを使わせてもらい、身綺麗になる。さすがに雨に濡れて焚き火で乾かした髪はバサバサで何とかしたかったのだ。

 スミレがシャワーから出てくると、ガイナも浴びに行ったのだが、出てきた姿にスミレは思わず引く。下半身にタオルを巻いただけなのだ。

 「服くらい着ろよっ!!」

 昨日、洞窟で上半身の裸体は見てしまったが暗かったのでハッキリとは見えなかった。しかし、今は盛り上がった筋肉がはっきりと見えてしまう。

 「凄い筋肉だな・・・、触ってもいいか?」

 スミレは鍛えてもなかなか筋肉にならないのだ。普通の令嬢に比べれば腕は筋肉が乗っているが、しかし男性には程遠い。羨ましい。

 「あ?いいぞ」

 ガイナから許可が出たので遠慮なく触らせてもらう。
 

 

 


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