大人のマナー講習会に参加したら婚約しちゃいました

3

 アナウンスに従い、隣室の扉を開けたソフィアは、扉のドアノブを握りしめたまま固まってしまった。

 室内の大きなベッドとモニターが目に入る。

 そして、部屋の反対側に付いている扉から男性が1人に入ろうとして足を止めた。

 「何だ、これは！？」

 はい、ありがとうございます。

 私も同じ心境ですよ。

 そしてアナウンスは、そんな私達の行動を見ているかの様に催促してくるのだ。

 『部屋の中に入り、自己紹介を行なってください。今後は室内のモニターが説明をします』

 男性がゆっくりと部屋の中央まで歩いてきたので、ソフィアも部屋の中央まで進む。基本的には目上の者から口を開くのがマナーだが、どうしようかと思っているソフィアだが、相手の男性が話し始めた。

 「私はグレイ・フェルナンデスだ」

 「私はソフィア・ハーベストです。あの、フェルナンデス家という事は・・・」

 「ああ、第２王子だな。気にするな。第２王位継承権はあるが、兄が継ぐ事になる。俺は騎士団に入る予定だ。ハーベスト家は伯爵家だな、財務省のトップだったか？」

 「はい、父は財務省で働いております」

「ああ、優秀だと聞いている。ただ管理するだけでは無く、無駄なものは廃止し国民の税負担を軽くしたにも関わらず、今まで以上に財源を確保していると」

 「はい、直接父から聞いた訳ではありませんが、そのように学校で習いました。家では仕事の話は出ないので」

 そんな話をしていると、室内のモニターが光り、仮面舞踏会の仮面を被った男が話しはじめる。

 『そろそろ自己紹介は済みましたか？私はモニターを通してあなた方に説明をする教育係ですが、なに分内容が内容なので、顔出しは勘弁願います。さて、この講習会の内容ですか、きちんと説明を受けている方・いない方がいると思いますので、私から説明させて頂きます。この講習会は大人の夜の営みについて勉強してもらいます。一般的な営みから応用編までモニターで説明しつつ、必要がある場合はお互いパートナーの了承を得て実地して下さい。それでは始めます』

 そして、画面はいきなり男性の下半身を映し出した。下着は履いておらず、生だ。

 「ぎゃっ！！」

 ソフィアは思わず変な悲鳴を上げてしまった。仕方ない、いきなり男性の下半身丸出しに遭遇したのだ。これが道端であれば男は露出狂だと言われる所だ。