大人のマナー講習会に参加したら婚約しちゃいました

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 ハーベスト家に送り届けられたソフィアだが、何故か居間で、父・母が向かいに座り、グレイ様・ソフィアが並んで座っている。普通であれば母の横に座るはずなのだが、グレイ様に手を引かれ横に座る事になったのだ。

 「グレイ第2王子、わざわざソフィアを送って頂きありがとうございます」

 父が笑顔で言うが、何か企み事がある顔だとソフィアは思う。それに母が異常にニコニコしている。

 確かにグレイ様程のイケメン王子がいきなり現れたらビックリしたあと嬉しくなるのは仕方がない。

 母はイケメン好きなのだ。

 例えば、使用人の面接にイケメンの力量不足と、イマイチな仕事がバリバリ出来る人がやって来たとする。母は間違いなくイケメンを選ぶ。普通は仕事が出来る人を選ぶのでは？と昔母に聞いた事がある。そしたら、仕事が出来る人はウチじゃなくても雇ってもらえるが、力量不足は雇って貰えない。ウチで仕事をしっかり覚えて、数年後バリバリ働いてくれればいいのよ、と。その時はそう言う考え方があるのか、人を育てるのはそう言う事かと母に尊敬を覚えたのだが。

 今となれば、イケメンが良かったんだなと思う。

 ソフィアがぼよ～んと母のイケメン好きに考えていると、グレイ様の声が聞こえてきた。

 「ハーベスト伯爵、９年前から何度も婚約の申し込みをしているが、今日こそは婚約の申し出を受けて頂きたく参った。ソフィア嬢との婚約を認めて欲しい」

 「まっ❤️」

 母が口に手を当てながら嬉しそうに呟く。

「貴方、ソロソロいいんじゃないかしら？」

 更に続けて言う。

 「う、うむ。流石に７歳はどうかと思ったが、もう16歳。講習会のパートナーはグレイ王子でしたな」

 「なかなかいいお返事を頂けなかったので、裏から手を回させて頂きましたよ。貴方と同じ様にね・・・・・・・・」

 ニヤリとグレイ様は笑う。

 「どう言う事ですか？グレイ様？」

 母はうふふっ、と笑っているが思わず聞いてしまう。

 「ハーベスト伯爵も、その昔ハーベスト夫人を射止める為に、講習会のパートナーの座を裏から手を回して得たんだよ」

 「まあ、お父様が！？」

 思わず声を上げてしまう。

 「うふふっ、熱烈だったのよ。それで、ソフィアの結婚相手も講習会で出会った人にするって聞かなくてね。グレイ様ごめんなさいね？」

 「伯爵の友人筋から噂は聞いていたので、もし16歳になるまでに婚約の返事が頂けない場合は、講習会のパートナーになれる様にはするつもりだったので大丈夫です」

 グレイ様、いつから手回しを考えていたのだろう？