指輪に導かれて

ゆきりん(安室 雪)

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 館に戻るが、他にはまだ誰も戻っていないようだった。それならと、まずは馬の葉を大量に育て、グリフィン達の餌を育てる。そして騎士達の大好きな果物。もう少ししたら夕食を取り出さなきゃと思い、椅子に座る。

「ふぅ~、今日は疲れたなぁ」

「ん?優、今疲れたって言った?」

 ライ様、地獄耳。

「だって、頑張りましたよ?あの森、そりゃ疲れもしますって~。大丈夫っ、めまいはありませんから」

 疲れの度合いを伝えておく。

 そんなやり取りをしていると、騎士達が戻ってくる。

「あ、ご飯出しますよ、ライ様」

 テーブルの上にどんどん並べていく。

 騎士達は余程疲れているのか、無言でガツガツ食べていく。アレク様も戻り、優雅にガッツリ食べる。そして全員が揃い、お腹が満たされた頃合いを見計らって、ライ様が、森の再生が終了した事を伝える。騎士達の報告を元に、アレク様はどの地域から、優に作物の為の七色の雨を降らせるか考えていたが、どこも深刻過ぎて決まらない。なので、農地が広大で、他の地域にも作物が運びやすい地域をまず第1に選ぶ。

「明日は朝から農地に雨を降らせる事が出来るので、多くの箇所で作物が作れると思います。なので、全部の所であらかじめ種蒔きをしてもらって下さい。数粒でもかまいません。どんどん株分けしていきます。で、1度収穫したら2度目の収穫手前まで成長させます。1度目に収穫した分を農民の皆さんに配って、余った分を明日雨を振らせられない所に配って下さい。で、次の農村部に移動し同じ事を繰り返します。午前中に3ヶ所、午後に5ヶ所出来ればいいなと思います」

「優、大丈夫なのか?」

 アレク様が心配そうに聞く。

「ライ様も、何もない土地には苗や種を蒔いてくれるので、分担して効率良く出来ますよ?今日も息ぴったりでしたもん」

「そうか・・・」

「それに、騎士の皆さの方が大変ですよ?明日もお願いします。あ、いちご食べて下さいっ」

 デザートのいちごを出して皆さんに食べてもらう。

 そして食べ終わると早々に部屋に引き上げて行く。

「優、俺たちも早く休もう。疲れただろ?」

 アレク様と共に部屋に入った瞬間、いきなり抱きしめられる。

「アレク様?」

「優、ホントに無理してないか?少し顔色が悪い気がするけど」

「大丈夫ですよ?アレク様心配性ですね~。魔力使ってもしっかり寝れば魔力は戻るみたいですよ?なので、早くやすみましょう」

 優は微笑みながらアレク様をベッドの方に押す。その手をグッと引き寄せられアレク様の胸に倒れこむ。アレク様は優を抱きしめたまま、ベッドに横になり、優の唇を喰む。

「ん!?」

「優、少しだけ、こうしててくれ」

 そしてだんだん深く、キスをし、アレク様の舌が優の口腔内に侵入してきた時・・・。

「うわっ!?」

 優の身体がまた、フワリと光るのだ。

 そして。

「あれ?」

「どうした優?」

「さっきまで、鉛みたいに重かった身体が軽いっ!」

 すると、部屋の扉がドンドンと叩かれる。

 アレク様が開けると、そこにはライ様。

「今、この部屋、凄い光ってたぞ?どうした?」

「あ、いや、その~」

 とアレク様は言いにくそうにする。

 

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