指輪に導かれて

ゆきりん(安室 雪)

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 翌朝、優は久し振りにアレク様の腕の中で目を覚ました。もっと一緒にいたいな。ぎゅっとアレク様にしがみつく。

「優、朝だよ?」

 アレク様が優の髪を梳きながら起こす。

「アレク様、おはようございます」

「優、おはよ」

 『チュッ』と軽いキスをする。

「優、シャワーする?」

「今朝はいいです。アレク様どうぞ」

 アレク様かシャワーに向かったので、優は騎士服に着替え、まだ誰もいないダイニングに朝食を並べていく。そして今日は桃の気分だったので桃を育て、収穫し、食べやすい大きさにしてテーブルに並べておく。

 さすがに騎士の皆さん、疲れているのか中々起きてこない。優は昨日、魔力を充電出来たし薔薇のいい匂いでリラックス出来たしで、かなり体調が良い。先にご飯を食べ、グリフィン達にも馬の葉を与える。

 ダイニングに戻ってもアレク様しかいない。

「アレク様、どうします?起こしますか?」

「そうだな、頼めるか?」

 1部屋づつ扉をノックし朝を伝える。ライ様も起きて来ないって珍しな。しかし、誰も起きて来ない。

「ご飯、無くなりますよ~っ!」

  と、廊下で叫ぶと、とたんにバタバタ動き出す音がする。そしてダイニングに走って行くのだ。



 
 少し遅い朝の出発になったが、最初の農村に着く。半信半疑で種を蒔いた農民に一旦家に入ってもらい、七色の雨を降らせると一気に作物を育てる。そして一気に収穫し、再度育て農民の人を呼び、収穫分を分けてもらう。分けてもらった分をグリフィンに乗せ、騎士達は配りに行く。農民の人達からは感謝されるが、また日照りになってしまうのが心配だと言う。

 森の役目を説明し、ハゲ山にはしないように伝える。そして次の農村に向かう。

 そんな作業を繰り返し、1日が終わる。



 館に戻り、夕食時。

 今日は皆の顔が明るい。

「明日も今日のペースで行いたいが大丈夫か?」

 ライ様の声に『大丈夫ですっ』の声が響く。

「優も大丈夫?疲れてないか?」

「はい、大丈夫です」

 と答える。

「よし、じゃあ今日もゆっくり休んでくれ~。解散っ」




「優、疲れてないか?」

 部屋に戻るとアレク様が抱きしめながら聞いてくる。

「ちょっと疲れたかな?」

「じゃあまず、風呂だな」

 とアレク様が準備してくれる。

「アレク様、自分で出来ますよ?」

「優には色々働いてもらってるからな、遠慮するな。ほら、準備出来たぞ」

 「アレク様、薔薇の香油ありがとうございます。とってもいい匂いで気に入ってます」

「ああ、陛下から賜ったんだ。貴族の間で人気らしい」

 陛下・・・。嬉しさ半減した。



 優がお風呂から上がると、交代でアレク様が入る。その間に髪を乾かしたりして寝支度をする。アレク様も髪を乾かしながらお風呂から出てくる。

 そして、ベッドに優を呼び並んで横たわる。

 アレク様がギシリと動いたかと思うと、優にキスする。すると、今日も優の身体はフワリと光る。2人とも今日はびっくりしなかった。と言うよりも、キスに夢中になっていた。

「アレク様・・・」

「優、どうした?」

「んっ、なんでもない、です」

  どうしよう、アレク様大好き。



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