指輪に導かれて

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 陛下の問いに、皆一斉に『誰だ？』って、誰が？と思い周りを確認する。そして、優は自分以外は３人の男性といたはずなのに、男性が4人いる事に気が付く。

 増えた1人は・・・。

「紅っ。何で人間もどきになってるの！しかもアレク様と同じ騎士服っ！」

 昨日もそうだったが、紅は服を着て人間もどきとして現れたのだ。何の前触れも無く、違和感なく混じっている。

「ほう、紅の人間状態は初めてだな。ふむ、いいな。違和感ないぞ」

 陛下は笑いながら言い、椅子を勧めてくれるので、皆で座る。

「それで紅、人間で現れたと言う事は、話があると言う事だな？」

 陛下の問いに紅は頷き話し始める。




 約2時間後、今後の方針が決まり、一同は解散になる。

 「大丈夫かな？」

 優は不安になり、呟いてしまう。

「他に打開策が無いし日も無いから、紅の案に乗るしか無いだろ」

 ライ様が言いながらファイ様に近寄る。

「ファイ様、魔術の擦り合わせをしたいので、魔術師塔にお願いします」

「ええ、お願いします」

 アレク様は騎士塔に戻り、他は魔導師塔に向かう。

「ファイ様は魔術防御はどれ位出来ますか？もし、あまり防御出来ない様であれば、習得と防御を私の魔術で防御をあらかじめかけておくのも手かと」

 ライ様は提案する。

「そうですね、防御は基本的には出来るんですけど、囚われた時は薬を盛られて弱ってしまった時に魔術をかけられてしまい。もし、可能であるなら防御をかけておいてもらった方がいいかも知れません」

 ファイ様も頷く。

 2人の話が難しくなりそうだったので、優と紅は畑に行き果物を育て収穫をする。紅が人間の姿でいるのは、何だか落ちつかない。

「紅、紅は手乗りグリフィンと人間もどきとどっちが好きなの？」

 何となく聞いてみる。

「どっちも変わらない。でかいグリフィン以外は同じだな」

 ふんっ、と鼻を鳴らす。

「ま、俺は好き好んでこの格好をしてるから気にするな」

 そう言って、紅は優の頭をグリグリ撫でる。

「もう～っ、紅っ！頭ぐちゃぐちゃにしないでよ～っ」

 畑で紅と優がじゃれ合っているのを冷たい目で見ている男がいたのを優は気が付かなかった。