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Mission 8*待ち焦がれた言葉
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しおりを挟む「お久し振りです……」
圭のお母さんは四年前と変わっていなかった。相変わらず年齢よりも若く見えて、可愛らしい。
「伊織……ちゃん?」
おばさんは目を丸くして、それから嬉しそうに駆け寄ってきた。
「伊織ちゃん! 久し振りじゃない! 元気?」
「はい……」
おばさんはパジャマ姿の私を見て、振り向いて圭を見て、また私を見た。
「圭ったら全然連絡くれないし、伊織ちゃんと付き合ってることも教えてくれないから……知らなかった!」
「最近だよ」と言って、圭はテーブルに戻る。「付き合い始めたの」
「それでも、言ってよ! 聞いたらもっと早く会いに来たのに!」
「だから言わなかったんだよ。てか、何しに来たの?」
「あ、朝ご飯の途中? 気にしないで食べて? ほら、伊織ちゃんも!」
相変わらず、元気だ……。
私はおばさんに腕を引かれ、テーブルに戻った。
「あ、コーヒーでも――」
「いいの! 今日はこれから美味しいもの食べに行くから! 私のことは気にしないで?」
「美味いもの?」
「そう! 今日は――」
言いかけてやめ、おばさんは不機嫌そうに口をつぐんだ。
「なんだよ?」
「お父さんとホテルのビュッフェに行く予定だったのに、お父さんたら忘れて仕事を入れちゃったのよ! だから、圭に——」と言って、おばさんがまた口をつぐむ。
私の顔を見て、嬉しそうに微笑んだ。
「伊織ちゃん、今日暇?」
「えっ?」
「一緒にビュッフェ行って欲しいの!」
「私ですか?」
「そう! 圭と行くよりずっと楽しそう! ね? お願い!!」
おばさんは胸の前で両手を組み、目を輝かせて私の返事を待った。
昔から、私はおばさんの頼みには弱い。
「わかりました……」
「きゃー! ありがとう!!」
横目でチラリと圭を見ると、なぜかおばさんと同じくらい嬉しそうに笑っていた。
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