ダブル・ミッション 【女は秘密の香りで獣になる2

深冬 芽以

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Mission 24*夢見た未来

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 想像してしまう。

 納まりのいいいつもの角度とは違って、微妙に違和感のある当たり方が気持ちいい。

「いつもより感度いいし、イクのも早いんだよな」

 見つめられて、恥ずかしいことを言われているのに、目が離せない。

 圭のモノが口づけている部分がじんわり熱くなり、ソコから彼を自身の膣内なかへといざなうように、とろりと蜜が溢れる。

「伊織は……挿れて欲しくない……?」

 圭の視線と言葉に、身体が疼く。

「気持ちいいトコロに触って欲しくない?」

 酔っている時や、圭の指や舌に翻弄されて、欲しくて堪らなくなるのとは、違う。

 お互いにしらふで、根競べみたいな状況で、『欲しい』と言うのがどれほど恥ずかしいか。

 それでも、身体は正直で、ほんの少し圭が力を込めるだけで、きっとすんなり侵入を許してしまうだろう。

 圭もそれをわかっていて、私に言わせようとしている。

「言えよ、伊織」

 圭もツラそう。

 目を細め、歯を食いしばって、私の言葉をじっと待つ。

 どうしてこんなことになっているのか、と思うと笑えた。

「ふ……ふふ……」

「伊織?」

 私たちはきっと、これからもこんな風に意地悪を言い合って、しあっていくのだろう。

「挿れて……」

 どれだけ怒っても、どれだけ泣いても、やっぱり求め合っていくのだろう。

「めちゃくちゃに突いて……」

 きっと一生、こうしてお互いの熱に溶け合っていくのだろう。

「気持ちいいトコロを触って……?」



 だから、今日は私が負けてあげる。



「伊織――!」

 極上の餌を前に、ようやく『待て』から解き放たれて、圭は飢えた獣のようににむしゃぶりつく。

「あ――。ああっ――!」

 私も恥ずかしいほど感じて、疲れる度に卑猥な水音を響かせる。

「んっ……。あ……、け……い――」

「伊織……」

 圭が抱えた足に舌を滑らせる。その姿に、また興奮する。

「んんっ――! あ……、ダメ……」

「気持ち……いい……?」

「ん……。きも……ちい――」

「おれ……も……」

 一層激しく揺さぶられ、私は瞬く間に昇りつめた。それでも、圭の動きは止まらない。

 絶え間なく与え続けられる快感が、神経を麻痺させる。気持ちいい、以外の感覚がわからない。

 時折、圭の動きが止まり、私の最奥に彼の証を注いだけれど、すぐにまた心地良い律動を始める。

 何度繰り返されたかわからない。

 なされるがままに体勢を変え、その刺激に喘ぎ、昇りつめる。

「なぁ、伊織?」

 ようやく満足したのか、私の身体が限界だと気づいたのか、圭が私を解放し、頬に口づけた。

切り札エースは誰だったんだ?」


 
 そういえば、まだ話していなかったな……。



 薄れゆく意識の中で、思った。

「教えて、伊織……」と、甘い声が耳元で囁く。

 私は意識を手放す瞬間、その名前を口にした。

「虫……使い……よ」
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