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2章 夢渡り
2-10 期待は裏切られる
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語り部さんだよー。
皇帝さんも私もルーシェのヒロイン姿を期待しているよー。
わくわく期待しながら、階下に行ったのに。
通路の床をぞうきんで磨いていたのは、ルーシェだった。
ごくごく普通に男性用の下級使用人の制服着ている。
ヒロインじゃないのっ?
夢なんだから、自由になればいいのにっ。羽ばたけばいいのにっ。
新たな可能性を開発しないのっ?
「いや、なんか安心した」
、、、自分だけが納得している感を出すのズルくありませんか、皇帝さん。
大の男が壁に隠れて見ているのって、ストーカー案件だな。
「お前が物陰から見守れって言ったクセに」
人のせいにしちゃいけませんよー。
世の中、アドバイスをもらっても行動するのは自己責任だぞ。
親が言ったから、あの人が言ったから、は成人してから通用せん。
「どうでもいいですけど、静かにしましょう。誰か来ましたよ」
クルリンが皇帝さんをとめた。
語り部さんの声はこの場では皇帝さんにしか聞こえないのだからとめる必要もない。
ガツっ。
ガラン、ガラン。
「あらっ、まだ汚れているわね。綺麗に拭きなさいよっ」
ルーシェが掃除している場に現れて、バケツを蹴っ飛ばして転がしたのはあの三女だった。
豪華なドレス着てお姫様がやる動作にしては品がないなあ。
しかもお姫様なのに侍女も護衛もついてきていない。現実にはそんなことはありえない。貧乏王国でもない限り。
「お姉様、、、」
ルーシェにお姉様と呼ばれた三女の顔は醜い。
「貴方にお姉様と呼ばれる筋合いはないわ。今宵、舞踏会で隣国の王子様が私のところに婿入りすることが決定するわ。そしたら、貴方はこの国から用済み。妾腹から産まれた貴方に居場所はないのよっ」
三女は蔑むようにルーシェに言い放った。
先程まで王子様に向けられていた態度とはまったくの別人だ。
接する人によって態度が変わるのは人として当然であるが、このように豹変するのはいただけない。
結婚する相手なら、なおさら彼女を選ぶことはない。
ルーシェは俯き、黙々と通路に流された水を拭き始めた。
悲しいほどの無意識下の悲鳴。
母親似の彼らは似ているのに、ルーシェが妾腹から産まれたわけがない。
けれど、現実でもルーシェにはそれぐらいの理由が欲しかったのだ。
家族に疎外されている理由を。
夢の中でも家族から守られない。
ルーシェにとって末っ子が可愛いなんて夢物語でしかないのに、夢でも可愛がられない。
「汚いお前にはお似合いの仕事だわっ。さっさと片付けなさいっ」
三流の演出をして三女はこの場から去っていった。
ルーシェが通路を掃除している姿が残る。
「ルーシェと似ていても、さすがは前シルコット公爵家の人間。ルーシェ以外は夢でもクズだな」
ルーシェのイメージの三女なので、ルーシェに対する三女の態度はいつもああだったのでしょう。
親や他人の前では良い子。ルーシェの前では。
「本来なら長男なら王太子になるはずなのに、妾腹ということは国王は平民の侍女にでも手を出したのでしょうか。とすると、この国で権力を握っているのは王妃かもしれませんね。隣国の王子様を婿入りさせて、姫を女王とする予定ですか」
クルリンが冷静に分析しているー。
王道展開だからわかりやすいんだけどねえ。
夢渡りも役に入りやすい性格しているの?
「この話が王道ということなら、俺がイジメられているヒロイン役のルーシェと手を取り合ってこの国から逃げるのが一番じゃないか」
「おそらく邪魔が入るでしょう。今夜の舞踏会ではあの姫様と既成事実を作らされるのでは?」
「勝手に婚約発表して外堀を埋められるというヤツか。冷ややかにそんな事実はないと突きつけたらどんな反応してくれるか」
皇帝さんは基本的にクラッシャーですからね。
下々の者がどうなろうと関係ない。この国と隣国の関係なんてどうでもいい。そもそも夢だし。
「夢であっても、ルーシェが辛い立場にいることは確かだ。そんな夢、俺が打ち壊してやる」
はい、クラッシャー皇帝さん。
どこまでも頑張ってくださいませませ。
ヒロインちゃんは長く広いこの通路の床磨きを終わらせた。
他の使用人は手伝わない。
それが意味しているところは。
夢は一瞬にして場面転換をする。
もう夜だ。
煌びやかな舞踏会に舞台が移る。
皇帝さんの衣装は、、、限りなく白。先程より豪華になって、ポイントに金や銀が入っているが、この衣装はルーシェの方が似合いそうだ。
「その意見には俺も同意する」
ふーむ、皇帝さんも黒族にどっぷり浸かってますねえ。
語り部さんとともに真っ黒な衣装に身を包みましょうよー。
従者役のクルリンは黒い衣装で身を包んでいるが。サンテス王国以外では使用人には普通黒い制服を与えている。
「自分の意志で変えられるのならばそうしている。物心がついたときから、こういう白い衣装は着たことがない。落ち着かない」
汚しそうで怖いもんね。
サンテス王国の王族や貴族が白を着用するのは汚れが目立つからだ。
汚れがない純白は権力の証。なーんでも権力に結び付けるのがサンテス王国。
つまり、汚れたらすぐに取り換えなければならないのが白い衣装。高価な衣装をホイホイ変えられるほどの財力を持つ、イコール権力を持っているということを意味しているらしい。
ついでに使用人にも白を着せるのもその一環。
アホらし、と思っちゃいけませんよ。彼らは本気でそう思って行動しているのだから。
夢を思い通りに出来そうな皇帝さんでも服の色が変えられないということは、ルーシェの無意識が働いているか、もう一人の夢渡りの嫌がらせか。
「お似合いですわよ」
後ろから声をかけてきたのは、この国のお姫様。
先程より数段に化粧も衣装もパワーアップしている。
豪華絢爛という言葉が妥当か。
皇帝さんの好みじゃなさそうだが。
皇帝さんはシンプルでありながら個性が出せる衣装の方が好きそうだ。
「良くわかっているな」
「はい?」
お姫様が少々首を傾げる。皇帝さんの呟きは聞き取れなかったらしい。
聞き取れていたら、自意識過剰かよ、と思うセリフである。語り部さんの言葉が聞こえないお姫様にとっては。
夢だから都合よくできている。
華やかな舞踏会会場。
多くの招待客が入場してきている。
ルーシェの姿はないが。ルーシェの夢なのに。
音楽が流れ始めた。
お姫様がチラチラっと皇帝さんを見ている。
おおっとーっ、サンテス王国では女性からダンスを誘わない慣習だった。
コレは盲点だった。
皇帝さんはわざとお姫様を視界に入れてない。
語り部さんはニヤリと笑ってしまうぞ。
「隣国の王子よ。是非一曲目を我が国の王女と踊ってはいただけないだろうか」
げっ、お姫様の父親、つまりこの国の国王が直接皇帝さんに発言した。
ごくごく普通の常識をお持ちなら、国王の言葉は絶対だ。
渋々でも従ってしまう。
けど、皇帝さん自身が一国の主。
すでに国王の立場にいる。
王子役と言っても、彼らの立場は対等だし、皇帝さんがこの国王を上に見ることはない。
「これはこれは国王陛下、ご機嫌麗しゅう。私が姫を誘わなくとも、この国には大勢の優秀な若者がいらっしゃるではございませんか。周囲にいる皆様も、姫様をお誘いたくてお待ちしているご様子。姫とのダンスは彼らに譲ります。隣国の王子としては決して恨まれたくありませんから」
にこやかに笑って拒否した。
皇帝さんがこういう笑顔のときって有無を言わせない迫力を持つ。
国王陛下も一瞬ためらってしまった。
その隙に、この国の若者たちがお姫様にダンスを申し込んでいる。
申し込んでいない皇帝さんの手を取るなんて、普通の令嬢にはできない。
普通の令嬢ならば。
お姫様はフラフラっとよろけて、皇帝さんの腕をつかもうとした。
皇帝さんも私もルーシェのヒロイン姿を期待しているよー。
わくわく期待しながら、階下に行ったのに。
通路の床をぞうきんで磨いていたのは、ルーシェだった。
ごくごく普通に男性用の下級使用人の制服着ている。
ヒロインじゃないのっ?
夢なんだから、自由になればいいのにっ。羽ばたけばいいのにっ。
新たな可能性を開発しないのっ?
「いや、なんか安心した」
、、、自分だけが納得している感を出すのズルくありませんか、皇帝さん。
大の男が壁に隠れて見ているのって、ストーカー案件だな。
「お前が物陰から見守れって言ったクセに」
人のせいにしちゃいけませんよー。
世の中、アドバイスをもらっても行動するのは自己責任だぞ。
親が言ったから、あの人が言ったから、は成人してから通用せん。
「どうでもいいですけど、静かにしましょう。誰か来ましたよ」
クルリンが皇帝さんをとめた。
語り部さんの声はこの場では皇帝さんにしか聞こえないのだからとめる必要もない。
ガツっ。
ガラン、ガラン。
「あらっ、まだ汚れているわね。綺麗に拭きなさいよっ」
ルーシェが掃除している場に現れて、バケツを蹴っ飛ばして転がしたのはあの三女だった。
豪華なドレス着てお姫様がやる動作にしては品がないなあ。
しかもお姫様なのに侍女も護衛もついてきていない。現実にはそんなことはありえない。貧乏王国でもない限り。
「お姉様、、、」
ルーシェにお姉様と呼ばれた三女の顔は醜い。
「貴方にお姉様と呼ばれる筋合いはないわ。今宵、舞踏会で隣国の王子様が私のところに婿入りすることが決定するわ。そしたら、貴方はこの国から用済み。妾腹から産まれた貴方に居場所はないのよっ」
三女は蔑むようにルーシェに言い放った。
先程まで王子様に向けられていた態度とはまったくの別人だ。
接する人によって態度が変わるのは人として当然であるが、このように豹変するのはいただけない。
結婚する相手なら、なおさら彼女を選ぶことはない。
ルーシェは俯き、黙々と通路に流された水を拭き始めた。
悲しいほどの無意識下の悲鳴。
母親似の彼らは似ているのに、ルーシェが妾腹から産まれたわけがない。
けれど、現実でもルーシェにはそれぐらいの理由が欲しかったのだ。
家族に疎外されている理由を。
夢の中でも家族から守られない。
ルーシェにとって末っ子が可愛いなんて夢物語でしかないのに、夢でも可愛がられない。
「汚いお前にはお似合いの仕事だわっ。さっさと片付けなさいっ」
三流の演出をして三女はこの場から去っていった。
ルーシェが通路を掃除している姿が残る。
「ルーシェと似ていても、さすがは前シルコット公爵家の人間。ルーシェ以外は夢でもクズだな」
ルーシェのイメージの三女なので、ルーシェに対する三女の態度はいつもああだったのでしょう。
親や他人の前では良い子。ルーシェの前では。
「本来なら長男なら王太子になるはずなのに、妾腹ということは国王は平民の侍女にでも手を出したのでしょうか。とすると、この国で権力を握っているのは王妃かもしれませんね。隣国の王子様を婿入りさせて、姫を女王とする予定ですか」
クルリンが冷静に分析しているー。
王道展開だからわかりやすいんだけどねえ。
夢渡りも役に入りやすい性格しているの?
「この話が王道ということなら、俺がイジメられているヒロイン役のルーシェと手を取り合ってこの国から逃げるのが一番じゃないか」
「おそらく邪魔が入るでしょう。今夜の舞踏会ではあの姫様と既成事実を作らされるのでは?」
「勝手に婚約発表して外堀を埋められるというヤツか。冷ややかにそんな事実はないと突きつけたらどんな反応してくれるか」
皇帝さんは基本的にクラッシャーですからね。
下々の者がどうなろうと関係ない。この国と隣国の関係なんてどうでもいい。そもそも夢だし。
「夢であっても、ルーシェが辛い立場にいることは確かだ。そんな夢、俺が打ち壊してやる」
はい、クラッシャー皇帝さん。
どこまでも頑張ってくださいませませ。
ヒロインちゃんは長く広いこの通路の床磨きを終わらせた。
他の使用人は手伝わない。
それが意味しているところは。
夢は一瞬にして場面転換をする。
もう夜だ。
煌びやかな舞踏会に舞台が移る。
皇帝さんの衣装は、、、限りなく白。先程より豪華になって、ポイントに金や銀が入っているが、この衣装はルーシェの方が似合いそうだ。
「その意見には俺も同意する」
ふーむ、皇帝さんも黒族にどっぷり浸かってますねえ。
語り部さんとともに真っ黒な衣装に身を包みましょうよー。
従者役のクルリンは黒い衣装で身を包んでいるが。サンテス王国以外では使用人には普通黒い制服を与えている。
「自分の意志で変えられるのならばそうしている。物心がついたときから、こういう白い衣装は着たことがない。落ち着かない」
汚しそうで怖いもんね。
サンテス王国の王族や貴族が白を着用するのは汚れが目立つからだ。
汚れがない純白は権力の証。なーんでも権力に結び付けるのがサンテス王国。
つまり、汚れたらすぐに取り換えなければならないのが白い衣装。高価な衣装をホイホイ変えられるほどの財力を持つ、イコール権力を持っているということを意味しているらしい。
ついでに使用人にも白を着せるのもその一環。
アホらし、と思っちゃいけませんよ。彼らは本気でそう思って行動しているのだから。
夢を思い通りに出来そうな皇帝さんでも服の色が変えられないということは、ルーシェの無意識が働いているか、もう一人の夢渡りの嫌がらせか。
「お似合いですわよ」
後ろから声をかけてきたのは、この国のお姫様。
先程より数段に化粧も衣装もパワーアップしている。
豪華絢爛という言葉が妥当か。
皇帝さんの好みじゃなさそうだが。
皇帝さんはシンプルでありながら個性が出せる衣装の方が好きそうだ。
「良くわかっているな」
「はい?」
お姫様が少々首を傾げる。皇帝さんの呟きは聞き取れなかったらしい。
聞き取れていたら、自意識過剰かよ、と思うセリフである。語り部さんの言葉が聞こえないお姫様にとっては。
夢だから都合よくできている。
華やかな舞踏会会場。
多くの招待客が入場してきている。
ルーシェの姿はないが。ルーシェの夢なのに。
音楽が流れ始めた。
お姫様がチラチラっと皇帝さんを見ている。
おおっとーっ、サンテス王国では女性からダンスを誘わない慣習だった。
コレは盲点だった。
皇帝さんはわざとお姫様を視界に入れてない。
語り部さんはニヤリと笑ってしまうぞ。
「隣国の王子よ。是非一曲目を我が国の王女と踊ってはいただけないだろうか」
げっ、お姫様の父親、つまりこの国の国王が直接皇帝さんに発言した。
ごくごく普通の常識をお持ちなら、国王の言葉は絶対だ。
渋々でも従ってしまう。
けど、皇帝さん自身が一国の主。
すでに国王の立場にいる。
王子役と言っても、彼らの立場は対等だし、皇帝さんがこの国王を上に見ることはない。
「これはこれは国王陛下、ご機嫌麗しゅう。私が姫を誘わなくとも、この国には大勢の優秀な若者がいらっしゃるではございませんか。周囲にいる皆様も、姫様をお誘いたくてお待ちしているご様子。姫とのダンスは彼らに譲ります。隣国の王子としては決して恨まれたくありませんから」
にこやかに笑って拒否した。
皇帝さんがこういう笑顔のときって有無を言わせない迫力を持つ。
国王陛下も一瞬ためらってしまった。
その隙に、この国の若者たちがお姫様にダンスを申し込んでいる。
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