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最終話
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中性子爆弾と原子爆弾の信管を抜いてヘリを操縦し、太平洋の深海へと廃棄した。いずれはフィリピン・プレートにのみこまれるだろう。
確かにこの国は狂っている。政治はボンクラ世襲たちに奪われ、資本家たちは連日金儲けに明け暮れている。
アベノミクスで株価が上がった? 投資でカネは生むがそこに生産性はない。増えたの減ったのと虚しいマネーゲームを続けているだけだ。
資本主義社会とは自由なのかもしれない。だがそれは持つ者と持たざる者に世の中を分断した。
持てる者は更にカネを増やし権力を持ち、ブタのように肥えてゆく。
そして貧しい者は一生そんな奴らの餌になるのだ。
馬鹿げている。
戦国時代の武将たちですら多くは消えて行った。だが明治から続くチンピラ洋行帰りの既得権者たちは今もその時の恩恵に浴している。
政財界はもとより、研究学術の世界にまでもだ。
そしてそれらを支持支援しているのがオールドメディアや知識人ぶった腐ったコメンテーターたちだ。
テレビや新聞の論説、三文週刊誌は権力に寄り添い続け、甘い汁の恩恵にあずかっている。
俺は航空自衛隊の基地からF15 イーグルを盗み出し、ジャパン・テレビやジャパン新聞本社、各省庁を爆撃した。
すぐにスクランブルが命じられたが東京上空でのドッグファイトは敬遠された。
最後に俺は機体を離脱し、首相官邸に突っ込ませ、炎上させた。
小百合の指輪を左手の小指嵌め、才蔵のワルサーP38をホルスターへ収めた。
そして体にダイナマイトと手榴弾のベストを装着し、サブマシンガンを2丁携えた。
「小百合、才蔵、俺はやるよ。見ていてくれ」
俺は政府の要人、各テレビ局、民自党本部を次々に襲撃して行った。
「動くな! 手榴弾のピンは抜いた。このダイナマイトでこのフロアは吹き飛ぶことになるぞ!」
「た、助けてくれ! いくら欲しい? カネならいくらでも出す!」
「今更命乞いなど見苦しいぞ、天誅である」
俺はそこにいた老人たちに機銃掃射を浴びせた。
そして民自党の幹事長に手錠を掛け、人質にした。
「こんなことをしても日本は変わらんぞ」
「俺は変えようなんて思ってはいない、壊すんだよ、新しい日本にするために」
「被害の少ない場所でSATに射殺命令を出せ」
「しかし犯人は幹事長を人質にしています」
「幹事長はテロリストの仲間だった、そうだな? 警視総監?」
「・・・わかりました」
俺は幹事長を連れて国会議事堂へと歩き出した。
ズキューン ズキューン パンパンパン ガガガガガッ
幹事長は血まみれになって倒れた。
「うわーっ!」
俺は叫び、国会議事堂に向けて手榴弾を投げつけた。
手榴弾は議事堂には届かず、前庭で爆発した。
「俺も。お前らのところに、行くよ・・・」
俺はダイナマイトの爆破スイッチを押した。
銀座の高級鉄板焼の店には検事総長、警視総監、総理経験者のふたりの重鎮がいた。
「俺はレアでたのむ、これから銀座のホステスをかわいがってやらねばならんからなあ」
「相変わらずお盛んですな?」
「この世に酒と女と美食がなくなったら死んだ方がマシだよ」
「私は歳なのでよく焼いてくれ」
「これからは今回の件を教訓にして、実行される前に処理しませんといけませんなあ?」
「愚かなことだよ、我々に逆らおうなどと」
「京都の帝はさぞお怒りのことだろうね?」
「笑っておられましたよ、「日本にもまだ侍がいたのかね?」と」
「サムライねえ? 随分とアホな侍だったがな。今度の総理は誰にするおつもりなんだろう?」
「おそらくあのポンコツだろう」
「ダメだダメだアイツは。頭が悪すぎる」
「それがいいんだよ、どうせお飾りなんだから」
「あはははは 客寄せパンダか? それもそうだ」
老人たちは不気味に笑いながら肉を口にした。
そして日本は何も変わらなかった。
『赤い月』完
確かにこの国は狂っている。政治はボンクラ世襲たちに奪われ、資本家たちは連日金儲けに明け暮れている。
アベノミクスで株価が上がった? 投資でカネは生むがそこに生産性はない。増えたの減ったのと虚しいマネーゲームを続けているだけだ。
資本主義社会とは自由なのかもしれない。だがそれは持つ者と持たざる者に世の中を分断した。
持てる者は更にカネを増やし権力を持ち、ブタのように肥えてゆく。
そして貧しい者は一生そんな奴らの餌になるのだ。
馬鹿げている。
戦国時代の武将たちですら多くは消えて行った。だが明治から続くチンピラ洋行帰りの既得権者たちは今もその時の恩恵に浴している。
政財界はもとより、研究学術の世界にまでもだ。
そしてそれらを支持支援しているのがオールドメディアや知識人ぶった腐ったコメンテーターたちだ。
テレビや新聞の論説、三文週刊誌は権力に寄り添い続け、甘い汁の恩恵にあずかっている。
俺は航空自衛隊の基地からF15 イーグルを盗み出し、ジャパン・テレビやジャパン新聞本社、各省庁を爆撃した。
すぐにスクランブルが命じられたが東京上空でのドッグファイトは敬遠された。
最後に俺は機体を離脱し、首相官邸に突っ込ませ、炎上させた。
小百合の指輪を左手の小指嵌め、才蔵のワルサーP38をホルスターへ収めた。
そして体にダイナマイトと手榴弾のベストを装着し、サブマシンガンを2丁携えた。
「小百合、才蔵、俺はやるよ。見ていてくれ」
俺は政府の要人、各テレビ局、民自党本部を次々に襲撃して行った。
「動くな! 手榴弾のピンは抜いた。このダイナマイトでこのフロアは吹き飛ぶことになるぞ!」
「た、助けてくれ! いくら欲しい? カネならいくらでも出す!」
「今更命乞いなど見苦しいぞ、天誅である」
俺はそこにいた老人たちに機銃掃射を浴びせた。
そして民自党の幹事長に手錠を掛け、人質にした。
「こんなことをしても日本は変わらんぞ」
「俺は変えようなんて思ってはいない、壊すんだよ、新しい日本にするために」
「被害の少ない場所でSATに射殺命令を出せ」
「しかし犯人は幹事長を人質にしています」
「幹事長はテロリストの仲間だった、そうだな? 警視総監?」
「・・・わかりました」
俺は幹事長を連れて国会議事堂へと歩き出した。
ズキューン ズキューン パンパンパン ガガガガガッ
幹事長は血まみれになって倒れた。
「うわーっ!」
俺は叫び、国会議事堂に向けて手榴弾を投げつけた。
手榴弾は議事堂には届かず、前庭で爆発した。
「俺も。お前らのところに、行くよ・・・」
俺はダイナマイトの爆破スイッチを押した。
銀座の高級鉄板焼の店には検事総長、警視総監、総理経験者のふたりの重鎮がいた。
「俺はレアでたのむ、これから銀座のホステスをかわいがってやらねばならんからなあ」
「相変わらずお盛んですな?」
「この世に酒と女と美食がなくなったら死んだ方がマシだよ」
「私は歳なのでよく焼いてくれ」
「これからは今回の件を教訓にして、実行される前に処理しませんといけませんなあ?」
「愚かなことだよ、我々に逆らおうなどと」
「京都の帝はさぞお怒りのことだろうね?」
「笑っておられましたよ、「日本にもまだ侍がいたのかね?」と」
「サムライねえ? 随分とアホな侍だったがな。今度の総理は誰にするおつもりなんだろう?」
「おそらくあのポンコツだろう」
「ダメだダメだアイツは。頭が悪すぎる」
「それがいいんだよ、どうせお飾りなんだから」
「あはははは 客寄せパンダか? それもそうだ」
老人たちは不気味に笑いながら肉を口にした。
そして日本は何も変わらなかった。
『赤い月』完
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