【完結】★泥の華(作品250729)

菊池昭仁

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第18話

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 木下聡子は余裕であった。伊達に新宿歌舞伎町のホスト通いをしていたわけではない。
 尾形は聡子にとって久しぶりの獲物であった。

 「尾形君は静江とは長いの?」
 「いえ、付き合ったのはごく最近です」
 「年上の女性が好みなの? もしかしてマザコンだったりして?」
 「そんなことはありません、たまたま愛した静江さんが年上だっただけです」
 「へえー、そうなんだあ。私、いくつに見える?」
 「僕よりは年上ですよね?」
 「あら、うれしいこと言ってくれるじゃないの? 私、静江と同じ歳よ」
 「えっ!」
 「私、化けるのが上手なの。あはははは」
 「僕よりも10歳ぐらい年上なのかと思っていました」

 尾形の聡子を見る目が急に変わった。やはり尾形は熟女好きだったようである。
 
 「木下さん、ご結婚は?」
 「してるわけないでしょう? 結婚していたら尾形君とこうしてお食事なんかしていないわよ、私、不倫は嫌いなの」
 
 尾形のような女に免疫がない男には誠実で身持ちの固い女であることをアピールするべきだ。
 なぜならこの手のイケメンは「ヤリマン」たちからかなり強引なアプローチをされて辟易へきえきしているからだ。
 大人の女の魅力とは良識だということを聡子は熟知していた。

 「静江とは結婚するつもりなの?」
 「はい、そのつもりです」
 「静江の方は?」
 「わかりません」

 (断られたんでしょう? 知っているんだから)

 「静江じゃなきゃダメなの? 私ではダメかしら?」
 「はい。静江さん以外には考えられません」
 「私でも?」

 聡子は唇を少し舐めてしっとりと濡らし、尾形を熱く見詰めた。

 (1, 2, 3, 4, 5, 6秒ルールっと)

 聡子のよく使う手だった。聡子は仕上げに取り掛かった。
 
 「静江のセックスってそんなに良かったの?」
 「止めて下さい、そんな下品な話は」
 「あら、重要なことよ。男と女の体の相性は」

 (かわいい、もう勃起しているくせに)

 「尾形君、女性経験は何人?」
 「・・・」
 「かわいい、赤くなってる」
 「からかうのは止めて下さい」

 聡子は尾形の手をやさしく両手で包んだ。

 「他の女性も味見してみる? こうみえても私、けっこう上手いのよ」


 そして聡子はいとも簡単に尾形をホテルへと導いた。


 勝負下着は清純な白のレースにした。赤や紫、黒のTバックは年上にはウケても童貞君には逆効果になることを聡子はよく知っていた。

 「静江にはどんなふうにしてもらったの?」
 「普通です」
 「そう、それならこれはどうかしら?」

 聡子は尾形の乳首をチロチロと舐めながら、固くなったペニスをしごき始めた。

 「うっ」
 「してもらったことがないみたいね? でもまさかこれはあるわよね?」

 聡子はいきり立った尾形のそれをねっとりと卑猥な音を立ててしゃぶり始めた。

 尾形はものの数分で聡子の口の中に精液を放出してしまい、聡子はそれを飲んであげた。

 「もう、いきなり出すんだもん、出す時はちゃんと言ってよね?」
 「ごめんなさい」


 こうして尾形はあっけなく静江のことなど忘れて聡子の虜になってしまった。

 
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