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第11話
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「信一郎か? 俺だ寺西だ」
「どうしたんだ? 五島はオラのもんだべ、邪魔すんのはやめてけろ」
「どうやら俺達は眼中にないらしい」
「なじょしてだ?」
「アイツ、今、男と同棲しているらしい」
寺西は先日あった出来事は信一郎には言わなかった。
「なんだって! そんな話、聞いてねえべした!」
「どうやら五島はその男にぞっこんらしい」
「そんなのゆるさんにい! オラは五島と結婚して子供は6人作るんだべした!」
「だから俺は降りるよ、信一郎、お前は国交省のエリート官僚だし家柄も申し分ない。
俺はお前を応援してやるから必ず五島を口説き落とせ」
「やっぱり持つべきものは親友だな?」
「ああ、お前は我が会津日新館高校の誇りだ」
「寺西、そんなこと言うでねえ、照れるべさ」
信一郎は決意を固めた。
「こうなったら最後の手段だべ、あの「YES、値段が高井クリニック」に行って脂肪吸引するしかねえべさ」
信一郎は早速銀座の美容整形に電話をした。
「もすもす、脂肪吸引を受けたいんだけんじょ。
何? 訛ってて何言ってんだかわかんねえ? 取り敢えずこれから行くから待っててけろ!」
寺西には策略があった。信一郎を俵屋にぶつけ、そのゴタゴタを狙って真里を手に入れるつもりだったのである。
「信一郎、お前は学校の勉強は出来るが戦略的思考に欠けるんだよ。せいぜいがんばれ、五島はお前に振り向くことはないだろうがな?」
寺西はそうほくそえんだ。
信一郎は美容外科の美人女医にカウンセリングを受けていた。
「なるほど、それであと30キロ痩せたいわけですね?」
「んだんだ」
「わかりました、手術は簡単なものですからご安心下さい」
「それからついでに二重瞼にして顔もほっそりとして鼻も高くしてけろ。口元もキリリと妻夫木聡みたいにしてくれるべか?」
「うーん、頭ごとそっくり変えた方が早いかもしれませんねえ」
「冗談はやめてけろ」
「費用はかなりかかりますよ、大丈夫ですか?」
「カネなら心配すんな、家に行けば裏金が金庫にどっさりあるんだ」
「そうですか? ならローンは必要ありませんね? キャッシュということで」
「それから・・・」
「なんですか?」
「皮を取ってくろ、仮性包茎の手術もついでに頼む」
「わかりました、ついでにペニスの増大手術もいかがですか?」
「アンタ商売上手じゃねえの?」
「お仕事ですから。うふっ」
「オラの愛人にならねえべか?」
「それはお断りいたします」
そして信一郎は別人となった。
「では包帯を取りますよ~。どうぞ鏡を御覧下さい」
「なんだか怖いけんじょ、勇気を出すべ」
信一郎は恐る恐る鏡を見て狂喜した。
「これがオラなのか? 福山雅治かと思ったべ」
「ちょっと会津訛りのある、背の低い福山雅治ですけど手術は成功です。フランケンシュタインを作っているような気持ちで頑張りました」
「ということはアッチもだべな?」
「どうぞ御覧下さい」
女医は包帯を解いてくれた。
「キングコブラが立ち上がっているべさ!」
「まだオナニーはしないで下さいね? 傷口からバイキンが入るといけないので」
「わかってるって、どうだべ女医さん、オラと今度一発?」
「うーん、私は茨木さんの前を知っているので遠慮しておきます」
そして信一郎は真里に早速電話を掛けた。
「オラだ、信一郎だべ。ダイエットに成功したから会ってけろ」
「本当に30キロも痩せられたの?」
「オラはやると言ったらやる男だべ。明日の夜、19時、赤坂の『ジュエル・ロバ君』を予約したから必ず来てくろ。絶対に来てけろよ、いつまででも待ってるから」
そう言って信一郎は一方的に電話を切ってしまった。
真里はすっかりそんな約束は忘れていた。
「仕方がないかあ、会ってちゃんと別れてもらわないと」
真里の気分はぼる塾の川辺さんの体重よりも重かった。
「どうしたんだ? 五島はオラのもんだべ、邪魔すんのはやめてけろ」
「どうやら俺達は眼中にないらしい」
「なじょしてだ?」
「アイツ、今、男と同棲しているらしい」
寺西は先日あった出来事は信一郎には言わなかった。
「なんだって! そんな話、聞いてねえべした!」
「どうやら五島はその男にぞっこんらしい」
「そんなのゆるさんにい! オラは五島と結婚して子供は6人作るんだべした!」
「だから俺は降りるよ、信一郎、お前は国交省のエリート官僚だし家柄も申し分ない。
俺はお前を応援してやるから必ず五島を口説き落とせ」
「やっぱり持つべきものは親友だな?」
「ああ、お前は我が会津日新館高校の誇りだ」
「寺西、そんなこと言うでねえ、照れるべさ」
信一郎は決意を固めた。
「こうなったら最後の手段だべ、あの「YES、値段が高井クリニック」に行って脂肪吸引するしかねえべさ」
信一郎は早速銀座の美容整形に電話をした。
「もすもす、脂肪吸引を受けたいんだけんじょ。
何? 訛ってて何言ってんだかわかんねえ? 取り敢えずこれから行くから待っててけろ!」
寺西には策略があった。信一郎を俵屋にぶつけ、そのゴタゴタを狙って真里を手に入れるつもりだったのである。
「信一郎、お前は学校の勉強は出来るが戦略的思考に欠けるんだよ。せいぜいがんばれ、五島はお前に振り向くことはないだろうがな?」
寺西はそうほくそえんだ。
信一郎は美容外科の美人女医にカウンセリングを受けていた。
「なるほど、それであと30キロ痩せたいわけですね?」
「んだんだ」
「わかりました、手術は簡単なものですからご安心下さい」
「それからついでに二重瞼にして顔もほっそりとして鼻も高くしてけろ。口元もキリリと妻夫木聡みたいにしてくれるべか?」
「うーん、頭ごとそっくり変えた方が早いかもしれませんねえ」
「冗談はやめてけろ」
「費用はかなりかかりますよ、大丈夫ですか?」
「カネなら心配すんな、家に行けば裏金が金庫にどっさりあるんだ」
「そうですか? ならローンは必要ありませんね? キャッシュということで」
「それから・・・」
「なんですか?」
「皮を取ってくろ、仮性包茎の手術もついでに頼む」
「わかりました、ついでにペニスの増大手術もいかがですか?」
「アンタ商売上手じゃねえの?」
「お仕事ですから。うふっ」
「オラの愛人にならねえべか?」
「それはお断りいたします」
そして信一郎は別人となった。
「では包帯を取りますよ~。どうぞ鏡を御覧下さい」
「なんだか怖いけんじょ、勇気を出すべ」
信一郎は恐る恐る鏡を見て狂喜した。
「これがオラなのか? 福山雅治かと思ったべ」
「ちょっと会津訛りのある、背の低い福山雅治ですけど手術は成功です。フランケンシュタインを作っているような気持ちで頑張りました」
「ということはアッチもだべな?」
「どうぞ御覧下さい」
女医は包帯を解いてくれた。
「キングコブラが立ち上がっているべさ!」
「まだオナニーはしないで下さいね? 傷口からバイキンが入るといけないので」
「わかってるって、どうだべ女医さん、オラと今度一発?」
「うーん、私は茨木さんの前を知っているので遠慮しておきます」
そして信一郎は真里に早速電話を掛けた。
「オラだ、信一郎だべ。ダイエットに成功したから会ってけろ」
「本当に30キロも痩せられたの?」
「オラはやると言ったらやる男だべ。明日の夜、19時、赤坂の『ジュエル・ロバ君』を予約したから必ず来てくろ。絶対に来てけろよ、いつまででも待ってるから」
そう言って信一郎は一方的に電話を切ってしまった。
真里はすっかりそんな約束は忘れていた。
「仕方がないかあ、会ってちゃんと別れてもらわないと」
真里の気分はぼる塾の川辺さんの体重よりも重かった。
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