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獣人の国
207:愛撫2【マイクSIDE】
しおりを挟むすでに時刻は夜半に差し掛かっているだろう。
静かだが、この部屋だけは違う。
ユウさまの肌に落としたオイルの
ぬめった音と、ユウさまの呼吸が部屋を満たしている。
ユウさまの肌はオイルと私の唾液でまみれ、
輝いているように見えた。
ユウさまの指先も爪も。
いや、足の裏もかかとも、それこそ
足の指すべての爪先にまでも
舌を這わして、口に入れ、舌でごろがした。
快感を得はじめたユウさまの樹幹に気が付き、
その場所には触れずに、
ユウさまの両足をやさしく開いて
足の付け根を吸い上げた時には、
ユウさまは吐息のような喘ぎ声を漏らした。
私の欲棒は再び猛ったが、
それを必死で押さえ込む。
眠っているユウさまに
さすがに挿入することなどできない。
ユウさまの樹幹は少し勃ちあがり、
先端が濡れている。
オイルではなく、ユウさまの蜜だと思った。
舐めたい。
ユウさまの蜜は、すべて飲み干したい。
その欲求にさからえず、
私はユウさまの樹幹に触れた。
ユウさまは閨事に疎いようだったが、
私もそうだ。
今まで誰かを抱いたことも、
抱きたいと思ったこともなく、
閨の中のことは貴族の教養程度に学んだが
実戦しようと思うことは無かった。
だからこそ、ユウさまの肌に触れ、
学ぶことも多い。
前回、ユウさまの体内にある
キモチイイ場所を探し当てることが
できたのは、僥倖だろう。
そして自分の欲棒をしげしげと
眺めることもないので、
こうしてユウさまの可愛らしい樹幹に
触れていると、本当に同じ人間なのかと
思うこともある。
私やディランの欲棒と、
ユウさまの樹幹は形は似ているが
まったく違うようにも思えてしまう。
私はそっとユウさまの樹幹の先端を
指の先でつついた。
尿道口と言われる場所があるが、
私としては、蜜が出る不思議な場所としか思えない。
実際、舌で舐めると、甘い味がする。
ユウさまの蜜の味だ。
少しくびれた場所も、
樹幹の裏にある筋も、
その下にある二つの花袋も。
何もかもが小さく、可愛らしく、
甘く、そして、いやらしい。
丁寧に樹幹を舐め、
やんわりと握って快感を促すと
ユウさまは身じろぎした。
だが、まだ眠ったままだ。
このまま激しく吸ったら
ユウさまは目覚めるだろうか。
私の腕の中でユウさまは喘ぎ、
私の与える快楽に溺れてくださるだろうか。
そう思ったが、私は首をふり
ユウさまを激しく求める想いを
ねじ伏せる。
そして樹幹から舌を外して
私は再びユウさまの秘所に目を向けた。
ユウさまが目覚めている時は、
少しの愛撫でも、蜜を垂らして
私を求めていると錯覚させる秘所も、
今は固く閉ざされたままだ。
私はユウさまの両足をそっと
左右に押し開いた。
閉ざされている秘所を
指先で突くと、先ほど私の舌先を
締め付けたように、秘所はヒクヒクと動き、
指先を軽く絞める。
私は蜜が出るまで、
舌でユウさまの体内を味わおうと
思ったが、目の端に先ほどのオイルが
目に入り、それを使うことにした。
オイルを手に垂らし、
手のひらで温めてから
ユウさまの秘所に触れる。
ぐちゅ、っと音がして
指がユウさまの体内に入った。
狭く、熱い。
指の根元まで押し込むと、
ユウさまの身体がビクビク動く。
さらに指の本数を増やすと
ユウさまの体内がぎゅっと締め付けてきた。
ユウさまの中に、入りたい。
すでに私の欲棒は猛りきっている。
だが、それだけはダメだ。
私は身勝手にユウさまを抱く
ディランのような真似はしない。
そう思ったが、
では意識のないユウさまの肌に
こうして触れるのはどうなのかと、
そんなことも考えてしまう。
私はディランのようにはならないと思っていたが
やっていることは同じなのだろうか。
ずる、と指をユウさまの中から引き抜いた。
もっとユウさまを感じたかったが、
思考がそれを邪魔する。
「う……ん?」
乱暴に指を引き抜いたのが
引き金になってしまったのだろう。
ユウさまが、うっすらと目を開けた。
「マイク?」
目を擦って、ユウさまが私を呼ぶ。
私は自分の欲棒を隠して
「はい、ここに」とユウさまに視線を合わせた。
「ごめん、気持ち良くて寝ちゃってた」
「いえ、疲れは取れたでしょうか」
「うん。ありがとう」
と笑うユウさまに、
私は罪悪感で胸が押しつぶされそうになる。
「あ、オイルを使ってくれたんだ」
ユウさまはベットサイドに置いてあったオイルの瓶を見て、
ご自分の身体を見下ろした。
「いい匂いだね」
「……はい」
「でもちょっとべとべとするかも?
もう一度、湯に入ろうかな」
「で、ではご用意しますので
しばしお待ちを」
私は欲棒を必死で隠して
ユウさまの身体を大きなタオルで包む。
「いいよ、準備なんて」
「でしたら私がこのままお連れいたします」
ユウさまの肌には私の精液もかかっている。
それをごまかしたくて
私はユウさまの身体を抱き合げ、
隣接している湯殿に向かう。
「もう、マイクはいつも過保護だから」
と耳元で笑うユウさまに
私は曖昧に微笑った。
このままユウさまを抱きたい。
この猛る欲棒でユウさまを今すぐ貫きたい。
まさか私がこのようなことを
考えているなど、思いもよらないのだろう。
ユウさまの無邪気な顔に、
私はなんとか自然体でユウさまに接していた。
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