【完結・R18】「いらない子」が『エロの金字塔』世界で溺愛され世界を救う、そんな話

たたら

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愛があるれる世界

322:力と発光

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 私の体内でマイクが精液を吐き出した。
それだけは、わかった。

でも体が熱くて、意識が朦朧としていて
自分が今、どんな状態なのかよくわからない。

ただマイクが射精したのは
これが初めてではない。

マイクは私の中に精液を幾度となく吐き出しては
それを私の体内に刷り込むように
指を数本入れて、かき回す。

私の肉壁に擦り付け、擦り、
キモチイイ場所を探り当てては
そこを強く刺激してくる。

それだけで私はあっというまに
快感に支配され、声を挙げて蜜を垂れ流すのだ。

今もまだ、マイクは私の体内に
欲棒を入れたまま、
ぐりぐりと腰を動かし、
私を強く抱きしめる。

まさに、種付け、という言葉が
浮かんでしまうような
獣のような動きだ。

らしくないと思ったけれど、
これが本当のマイクの姿なのかもしれないと、
私は思った。

いつもの真面目で優秀な神官のマイクではなく、
獣のように私を求める姿は、
きっと私だけが見ることができる
特別な姿なのだ。

そう思うと愛しくなって
私はマイクの背に回していた腕に力を籠める。

私の体内に精液を吐き出し、
最後の一滴まで私の中に精液を
押し込めるように動いていたようやくマイクが
ようやく落ち着いたように、
私を抱きしめていた腕の力を緩めた。

そして私の頬に触れ、
唇が重なる。

「……ユウさま、愛しています」

そう言うマイクに、
私は何も言えずに頷く。

マイクが私の体内から
ずるりと欲棒を引き抜いたが、
それにつられて、マイクの精液と
私の蜜が体内から零れたのだと思う。

暖かい液が私の内股を濡らしたのがわかった。

マイクが私から体を離したけれど、
今度は、私が樹幹から放った蜜が
私のお腹あたりと、ちょうど私とマイクの身体が
重なり合っていた場所にべったりとついていて、
私は恥ずかしくて仕方がない。

私が顔を熱くして横を向くと
マイクは私に笑いかけた。

「湯殿に行きますか?」

その言葉に私はすぐに頷く。

マイクはベットから下りると、
私の体を抱き上げた。

一瞬、風が私の周囲に吹いて
ベットや体のべたべたが無くなったような
気がしたけれど、マイクは何も言わなかった。

もしかしたら浄化の魔法を
使ってくれたのかもしれない。

でも私も何も言わなかった。

マイクが言わないのだから
きっと私に知られたくないのだろうと
思ったからだ。

マイクが何も言わないのに
私がお礼を言うのは
マイクが嫌がるかもしれないし、
気が付かないふりをした方がきっと良い。

マイクはお風呂に私を運び、
丁寧に体を洗ってくれた。

さっき浄化の魔法を使ったのは
やはり気のせいだったと思えるほど
丁寧に、足の指1本1本まで洗ってくれる。

足だけでなく、ふとももや内股まで
指で撫でられるように洗われるのは
恥ずかしかったけれど、
マイクに世話を焼かれるのは嫌ではない。

それは私がマイクを誰よりも
信頼しているからだと思う。

そう、マイクは絶対に


家族や親しい友人と私を天秤に掛けたら
マイクは迷うことなく私を選んでくれる。

それだけは、わかる。

それが私にとってなによりも嬉しく、
安心をもたらしてくれた。

家族や友人や国など、
大切なものと私を天秤に掛けた時、
ヴァレリアンたちはきっと迷うと思う。

ディランだってそうだ。

でも、マイクだけは迷わない。
と、思う。

それだけの愛情を、私は貰っている。

たとえ皆と結婚したとしても
私のとって、マイクは『特別』だ。

私はマイクに優しく髪を洗ってもらい、
その後は、抱っこされたまま湯に浸かった。

暖かい湯で体がほぐれ、
力が抜けていく。

マイクの膝の上で
私はちゃぷちゃぷとお湯を揺らした。

体が物凄く満たされている気がする。

『器』が<愛>で満たされた……だけでなく
身体中が、というべきか、
魂ごと、というべきか。

とにかく、私のすべてが満たされていて。

本来であれば女神ちゃんの『力』と
私が<愛>を糧にして使う『力』は別々のもので
私の体内で混ざり合い、巡っているものだけど。

今の私は、女神ちゃんの『力』も
<愛>を糧にする『力』も
どちらも同じ様に感じた。

いや、別々のものだった2つの『力』が
根元から交わり、
1つになったと言えばいいのか。

とにかく、私の『力』は1つになり
愛されないと飢えていた心は消え、
<愛>を『力』の糧として使ったら
どんどん減っていくと感じていた感覚は
すっかりなくなっていた。

<愛>は無くなっても自分で生み出すことができる。

私は突然、そう思えるようになっていた。

マイクを『特別』と思るようになったからか
沢山愛してもらったからか。

もしくは愛されたくてトゲトゲしていた自分を、
少しは、認めて、逆に誰かを愛したいと
思えるようになったからか。

もしくはそれらすべてが要因なのか。

何にせよ私は今、物凄く「万能感」に満ち溢れていた。

だからだろうか。

「ユウさま」
と、戸惑うようなマイクの声に
私は一瞬閉じていた目を開いた。

すると、おふろの湯が光輝いている。

いや、正確には私が淡く光り、
お湯がその光で輝いて見えているのだ。

「え? っと、なんで?」

ビックリして湯に浸けていた手を
湯から出してみたけれど、
相変わらず手は光ったままだ。

マイクの膝から立ち上がって
私は全身を見る。

が、やはり私は体の全てが
淡く光を放っている。

なんでいきなり、発光人間に!?

私は慌ててしまい、
自分の身体に脅えてしまう。

「ええええー?」

叫ぶことしかできない私が
その後にできたことは
湯から立ち上がったマイクに
どうしよう、としがみつくことだけだった。








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