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愛があるれる世界
342:受容【マイクSIDE】
しおりを挟むユウさまが私を「愛したい」と
言ってくださったとき、
私は嬉しさでいっぱいになった。
抱きしめたくて、独占欲に支配されたが
一瞬、ユウさまを抱き上げるのには
ベットの上では不安定だと気が付き
一度、床に下りることにした。
その一瞬の隙に、ディランにユウさまの
下半身を取られてしまった。
だが、ユウさまの姿を見て、
こうして愛し合える幸せを
そのまま甘受しようと思えた。
ディランに嫉妬するのではなく、
ともにユウさまを愛する者として
受け入れよう。
ユウさまをお守りすると言う点では、
すでにこれ以上の信頼はないほど
すでにその存在を認めているのだから。
腕の中のユウさまが大きく喘ぎ、
それでも達してないのは
ディランがそう誘導しているのだろう。
私はユウさまをベットに座らせた。
ユウさまが耳元で「おろして」と囁いたからだ。
可愛らしい声に、腰が砕けそうになる。
恥ずかしそうに、すわりたい、と言った声に
私は欲棒がさらに反応してしまう。
神官として大神殿に仕えていたときは
【性欲】は禁忌ではないが、
あまり見せない方が美徳とされていた。
だからこそ、最初はディランの
ユウさまを明け透けに欲しがる姿に
眉をひそめたが、今では自分も
同じ様にユウさまを愛し、自分のものだと
主張したくなっている。
そのことはもう否定しない。
だが、見せないようにしていた欲を、
ユウさまに知られるのは、
まだ遠慮したい、気がする。
だというのに。
ユウさまはベットに座ると
私のディランの腰を引き寄せた。
ディランとあまりにも近くなり
驚く間もなく、ユウさまが私の……
布地の上からとはいえ、
すでに固く布地を押し上げるように
主張している欲棒に触れた時は
声も無く固まってしまった。
けれど、懸命に小さな指で
私のズボンのボタンを外そうとしている姿に
私は言いようのない喜びを感じた。
ユウさまが私を求めている。
私の欲を求め愛したいと
そう言っているのだ。
私は自らユウさまの指を使い
ボタンを外して、ズボンを脱ぎ捨てた。
ユウさまはすでに猛る私の欲棒に
驚いた様子だったが
そっと小さな指で私の欲棒に触れた。
それだけで無意識に、腰を動かしてしまう。
ユウさまの指で擦られたい。
扱かれたい。
できればその口で……
と思っている目の前で
ユウさまの指が私の欲望の先端に
唇を当てた。
どくん!と心臓が鳴る。
ユウさまが……。
自ら私のモノを舐めている。
こういった行為は初めてではない。
ただいつもは、ユウさまの言葉を借りれば
愛されやすくなる『祝福』があったので、
そのせいかユウさまは
肌を重ねるとすぐに快楽に
意識を飛ばした。
甘い蜜と、甘い体液と。
それらを味わうと私も我を忘れて
ユウさまを求めたが、ユウさまもまた
全てを忘れて欲棒を受け入れた。
だがあの状態のユウさまに、
ご自身の意志がどこまで反映していたのか
正直、わからない。
だが今はそんな状態ではない。
快楽に溺れているわけでもなければ
『祝福』に溺れているのでもない。
ユウさまは理性を持ったまま、
ご自身の意志で、私を求め、
私の欲棒に口づけているのだ。
この幸せを、どう表現すればいいのか。
ユウさまの指が、拙く私の欲棒を扱く。
欲望の先端を舐めていた小さな舌が
やがて私の欲棒を口に入れた。
もちろん、先端ぐらいしか入らない。
それでも私は達してしまいそうになる。
「なぁ、ユウ。俺も……」
と隣から声が聞こえ、
そう言えばこいつもいたのだと我に返った。
隣をそっと見ると、ユウさまは
小さな手でグロテスクで凶悪な欲棒を
私のと同じように扱いている。
獣人だがなんだが知らないが、
あんな凶悪なものをユウさまに奉仕させるなんて。
と思っていたが、
ユウさまは私の欲棒を刺激しながら
顔を隣の欲棒へと移動させる。
もっとユウさまに舐めてもらいたかったが
今は仕方がない。
だが、私の欲棒はすでに直立状態だったし
可愛らしい指で触れられ
先走りの液で、どろどろになってきている。
隣を見ると、大きな尻尾が
ぶんぶんと、振られていたかと思うと、
急に、ピン!と立ったりする。
尻尾は口よりも雄弁なようだ。
それに、ユウさまに言われて気が付いたが
確かに、耳もまた雄弁に動いている。
ユウさまが愛玩動物として可愛がる意味が
だいぶんわかるようになった、と思う。
逆に、私にも耳としっぽがあれば、
今以上に気にかけ、愛していただけたのでは?
とも思ってしまうが。
自分が獣人でないことが悔やまれる。
「二人とも、立ってるの辛い?」
ユウさまが私の欲棒から手を離した。
「ね、ここに寝て」
とベットをぽんぽん、と叩くが、
ディランと隣同士に寝るなど
拷問としか思えない。
が。
ユウさまの言葉を拒否るなどありえない。
私とディランは視線でどうするかと会話するが
私は拒否することなどできるわけがない、と
小さく首を振る。
ディランは肩をすくめた。
ベットは大きなものだし、
3人ぐらいは余裕で寝れる。
私は先にベットに上がり、
ユウさまに誘導されるまま横になった。
ユウ様は嬉しそうな顔をして
再び私の股間に顔をうずめた。
あぁ、ユウさまが私の欲棒を
可愛らしい手で包み込む。
舌先が……先端を舐める。
と、急にユウさまが口を開けて
私の欲望を口に入れた。
だが、それは意図的に行動したというより
何かに突き動かされてやったように見えた。
私が首だけ起こしてユウさまを見ると、
ユウさまの後ろに回ったディランが
どうやらユウさまを刺激しているらしい。
後ろの様子なのでどうなっているかわからないが
おそらく可愛らしい双丘を振り、
私の欲棒を愛撫する姿にディランが
欲情したのだろう。
まぁ、いい。
私はユウさまと甘い時間を過ごした。
今はディランにこの時間の支配権をゆずってやろう。
そう思えるほど、
私はユウさまから与えていただいた奉仕に、
心が緩み、寛大な気持ちになっていた。
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