無能の料理人と言われ領地を追い出されたが、何故か料理じゃなく戦いで頭角を現し無双します。俺を追い出したあいつは没落していくが、仕方ないよな

ぐうのすけ

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ホワイト祭

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 キュキュクラブが魔物を納品に行くと、カイに声をかけられる。
「この後会議に参加して欲しいのです。」

「それは良いんだけど、何の会議なんだ?」

「ホワイト祭、祭りの企画です。」



 こうして、内政系のギルド員幹部と、なぜかキュキュクラブが参加し、会議が開かれた。

「今まで皆さんに苦労を掛けることもありました。しかし、ホワイト領の経営が安定したので、皆さまにに感謝して祭り開きたいのですわ。」

 カイがキュキュクラブの為に説明する。
「家の供給・無職者の仕事の確保・ポーションの増産・学園の増設すべて完了しました。後は農地開拓とギルド移転だけですが、それは時間の問題で解決します。」

 俺は首をかしげる。
「リコたちは休めないんじゃないか?特にリコ、企画と運営をしてたら祭りが終わるだろ?」

「そうですわね。皆さまに感謝とこの領が良くなった事を実感して欲しいのですわ。」

「・・・うん・・・分かった。」
 リコは生贄だ。
 ホワイト領の多くの人はのんびり生活している。
 だがリコはその生活を維持するため犠牲になっている。
 俺はそれが嫌だ。

「ハルトには料理のお願いをしたいのですわ。」

「値段は安くするとして、いつもと違うメニューが良いよな。」

「その通りです!カレーとは違い、特別感が欲しいのですわ。」

「ピザはどうだ?作った後、2つに折って渡せば、歩きながら食べられる。」

「良いですわね。」

「後はクレープ、正直2品が限界だぞ。」

「まあ、クレープは私も食べたいですわ。それで行きましょう。」

「今作ってみても良いか?出来れば会議が終わるまでにみんなに食べて欲しい。」

「お願いしますわ。」





 こうして俺はクレープとピザを作り始める。

 作り始めると没頭してしまうな。


「作ったぞ!」
 俺は会議室にピザとクレープを出す。

「おいしいですわ。十分な特別感ですわね。」

「これはくせになるぞ。いくらでも食べられる。」

 祭りまで何日かピザとクレープを作り続けて、祭りの当日を迎える。




 祭りの飾りは控えめだが、広場で何作も演劇が開かれみんなを楽しませ、夜には魔法で花火を打ち上げる予定だ。

 カイとリコは運営に追われる。
「リコ様、無事成功しました。後は私がやります。街を見て回ってください。」

「ですが、カイに負担を押し付けるわけにはいきませんわ。」

「リコ様、行ってきてください。この祭りは一生の思い出に残るでしょう。どうか。」
 カイが頭を下げる。

「分かりましたわ。カイにはいつも助けられていますわよ。」

 ハルトは料理漬けだが、他のキュキュクラブはリコと合流して夜の花火を楽しむ。

 花火が終わるとリコが大食堂の方を見つめる。
「ハルトにだけ料理を作らせて、悪い気がしますわ。」

「リコはハルトと同じような事言ってるよ。」

「同じこと?なんですの?」

「ハルトはリコをストレスから解放したいと言っていました。」

「きっとリコが生贄のように働いてるのが嫌なんだよ。」

 リコの目から涙が溢れる。
「お、おかしいですわね。涙が止まりませんわ。」
 きゅうがリコに飛び込む。
 撫でられ係の役目を果たしているのだ。



 リコが落ち着くと、
「私クレープ買ってくるよ。」
 エステルは駆け出した。




 ハルトはクレープとピザを作り続けていた。
 料理の売れ行きが思ったより好調で、祭り当日も料理をしていたのだ。

「お、エステルか。」

「クレープ6つ下さい。」

「それ誰の分だ?」

「私とメイとリコ、後はきゅうの分だよ。」

「4つだよな?」

「私とリコは2つ食べるんだよ。」

「分かった、リコも余裕が出来たのか?」

「カイが仕事を引き受けて、リコが自由になったよ。」

「そうか、カイはピザとクレープどっちが好きか分かるか?」

「カイは甘いものが好きみたいだよ。」

「カイにもクレープを届けて欲しい。リコへの気遣い感謝するって伝えといて欲しいぞ。」

「分かったよ。」





 エステルはメイにクレープを渡した後、カイにクレープを届ける。

「これは?」

「ハルトから、リコへの気遣い感謝するだって。」

「ほっほ。ばれましたな。・・・ふむふむ、なるほど、ハルトはリコ様の現状を分かっているのですな?」

「リコをストレスから解放したいって言ってたよ。」

「なるほど、分かりました。クレープはありがたくいただきます。」

 エステルは走って戻っていく。

「あ、私のクレープが無い!」

「失礼しましたわ、ついつい止まらなくなってしまいましたの。」

「私も2つ食べてしまいました。」

 きゅうは顔にクリームをつけながら顔で食べていた。

「またもらってくる!」
 エステルはまた走っていく。

 こうして祭りは無事終わり、皆がホワイト領の発展を実感した。



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