無能の料理人と言われ領地を追い出されたが、何故か料理じゃなく戦いで頭角を現し無双します。俺を追い出したあいつは没落していくが、仕方ないよな

ぐうのすけ

文字の大きさ
60 / 85

王はハルトを英雄にする

しおりを挟む
 王城会議室
 王は側近に報告を受ける。

「まずはホワイト家の報告です。孤児や無職者を大量に受け入れつつ、ブック家への支援を行っています。」

「うむ、傘下の両家はどうなっている?」

「傘下のガード家は部隊を編成し、新たなダークスフィアを鎮圧中とのことです。ホワイト領、ブック領関係なく魔物討伐に動いています。ロック・ガードの指揮能力、周りの精鋭ともに優秀との事です。」

「続いてウィッチ家の当主、アリス・ウィッチですが、ポーションレベル8となり、順調にポーションの増産を進めております。皆を定期的にダンジョン合宿に参加させ、さらにポーション作りの講習を行うことで、息の長い成長を続けているとの事です。」

「テイカーからリコの元に移ったとたんに頭角を現してきたな。いや、元々優秀だったのだろう。」
 やはりテイカーは人のやる気を無くさせる。


「ブック家ですが、カイは学校と学園・魔物の納品という2つの柱を掲げ、ホワイト家の支援を受けつつ順調に収益を上げ始めております。更にテイカーに恨みを持つ者が集まり、ブック領の発展を支えております。」

「うむ、ブック領が発展すれば、テイカーの処罰を重くするという噂を流してある。
 実際そうするのだが、噂もうまく機能しているな。」

「ジークは剣スキル7に到達し、冒険者や兵の力の底上げに努めているようです。効果が表れるのは時間の問題でしょう。」

「うむ、ジークが居るのだ。うまくやってくれるだろう。」

「ただ、ジークは自身の力を高めたいという願いがありますが、ジーク無しでは今のブック領の発展は遅れるでしょう。」

「ジークには謝っておいて欲しい。今はブック領の冒険者と兵の力の皆の底上げが急務なのだ。皆のレベル上げを続けて欲しい。」

「かしこまりました。少し休憩にしましょう。コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか?」

「コーヒーを頼む。」

 側近も同じコーヒーを飲みつつ休憩する。

「ふう、私にもっと力があれば、ジークには存分に力をつけて欲しいのだが、難しいものだな。」

「この国は貴族の癖が強すぎるのです。ですが、テイカーの資金が底をつき、やっと一人はおとなしくなるでしょう。」

「ああ、だがまだ一人、いや、リコとカイが力をつけつつある。贅沢は言えんな。」

 コンコン

「入れ。」

 そこには文官が立っていた。
「進言したいことがあります。」

「なんだ?」

「今パーティーキュキュクラブのハルトは大投資家となっております。その資産を没収することで、王家の復興が実現できます」

 王の顔が怒りに歪む
「ならぬ!貴様!何を言っているか分かっているのか!文官として恥を知れええい!!」

「今すぐ下がりなさい!」
 普段冷静な側近も怒りが見える。

 普段あまり怒らない2人の怒りにふれ、文官は慌てて退出する。
「し、失礼しました。」

 王は深いため息をついた。

「まったく、文官の、それも王都の内政を進める者でありながらハルトが居る意味を分からんとは。」

「ええ、ハルト君の力は戦闘能力だけでなく、あの粘り強さと、内政の強さにあります。ひたすら自身の力を蓄え、投資を続け、ホワイト領を粘り強く健全化し、さらに他の領の健全化も進めております。あの手数の多さと粘り強さで今の我々がある事を伝える必要がありますな。」

「今度は我々がハルトを守る番だ。ハルトの英雄的行いを新聞に載せる。更に兵や文官にも教育を実施する。」

「ハルト君は嫌がりますが?」

「かまわん。私が嫌われるだけでハルトが守られるのならば進める。最終的にはハルトの絵本を作る。」

「かしこまりました。」

「今日からしばらく日付が変わるまで仕事漬けになる。苦労を掛けるな。」

「それは王も同じこと。外の貴族、中の教育、やることが多すぎてままなりませんな。」

「さらに次の手を打つ。テイカー、リコ、カイ、キュキュクラブを呼べ。」



しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件

言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」 ──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。 だが彼は思った。 「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」 そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら…… 気づけば村が巨大都市になっていた。 農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。 「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」 一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前! 慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが…… 「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」 もはや世界最強の領主となったレオンは、 「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、 今日ものんびり温泉につかるのだった。 ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

嫁に来た転生悪役令嬢「破滅します!」 俺「大丈夫だ、問題ない(ドラゴン殴りながら)」~ゲームの常識が通用しない辺境領主の無自覚成り上がり~

ちくでん
ファンタジー
「なぜあなたは、私のゲーム知識をことごとく上回ってしまうのですか!?」 魔物だらけの辺境で暮らす主人公ギリアムのもとに、公爵家令嬢ミューゼアが嫁として追放されてきた。実はこのお嫁さん、ゲーム世界に転生してきた転生悪役令嬢だったのです。 本来のゲームでは外道の悪役貴族だったはずのギリアム。ミューゼアは外道貴族に蹂躙される破滅エンドだったはずなのに、なぜかこの世界線では彼ギリアムは想定外に頑張り屋の好青年。彼はミューゼアのゲーム知識をことごとく超えて彼女を仰天させるイレギュラー、『ゲーム世界のルールブレイカー』でした。 ギリアムとミューゼアは、破滅回避のために力を合わせて領地開拓をしていきます。 スローライフ+悪役転生+領地開拓。これは、ゆったりと生活しながらもだんだんと世の中に(意図せず)影響力を発揮していってしまう二人の物語です。

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

処理中です...