チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~

ふゆ

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 色とりどりの花が咲き乱れる庭園で、これまた華やかに着飾ったご令嬢たちが、優雅に茶の入ったカップを傾けている。そしてコツっとカップを置きながら、


「クシュル領は今年も豊作だとお聞きしましたわ」
「ええ、おかげで本日の夜会にも素晴らしいワインを添えられそうですわ。そちらこそ、いつもご贔屓にしてくださり、父に代わって礼を言いますわ」

「そういえば、カルル様とミランダ嬢がご婚約されたようですわよ? 」
「確かお二人共まだ十二歳ではありませんでした? 」
「随分とお早いのね」
「どちらから持ちかけたのでしょう? 」
「確かカルル子爵は穏健中立派でしたわよね」
「婚約を通してカルル子爵を引き込むつもりですわね」

 かなりレベルの高い話をしている。もっとキャッキャウフフとアクセサリーの話やらドレスの話やらしているのかと思ったら、商売の話とか貴族情勢の話とかいった、随分とリアルな話だった。


 私はというと、四匹を連れて、ずっとスイーツコーナーでもぐもぐしている。


 さすが王宮、ちゃんと高級スイーツの味だ。種類も豊富で、今は完全にスイーツバイキングの気分。しかも無料、茶会ってなんてお得!


「シエルさん、ずっと食べていいんですか? 」
「ん、はにあなにが? 」
「その、ご令嬢たちと親交を深めておかなくてもいいんですか? 」

 なんだ、そんな事を気にしてたのか。もぐもぐごっくん。

「別にいいんじゃない? 私が今日参加してるってことさえ広めればいいわけだし」
「ですが・・・」

 うーん・・・、心配してくれるのは嬉しいんだけどね・・・。

 なおも心配するアルシュさんだが、私は手をあげてその話を遮った。


「アルシュさん、なにか勘違いしてない? 私は別に夜会のための仲良しごっこをしようとして、ここに来てるわけじゃない。私の存在を知らせるために来たんだよ」


 さっきまで味があーだ食感がこーだ言ってた四匹も、静かに話を聞いてくれている。

「そもそもこの茶会は、夜会での顔ぶれを確認するために行われているんでしょ? だったら、私がここにいることでその目的は十分果たせてるよ」
「しかし謁見の場に令嬢たちはいらっしゃらなかったですし・・・」
「本当に接点を持ちたいと思っている人なら、親や知り合いから情報を入手しているはず。見た目の情報すらもないのなら、そもそも興味がないか、私の存在を軽んじてるかの二択だよ」

 今はただのぼっち令嬢だと思われるのも、それはそれで面白い。本番は夜会なのだから。

 まあ、本当に接点を持ちたいのなら、どうにかして目に留まろうとしてくるだろうし。


 ドンッ!

「も、申し訳ありません! 」


 ほらね?

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