史上最恐のモンスターは神でもドラゴンでもないスライムだ

スライム道

文字の大きさ
37 / 60
スライムデオキシリボ〜螺旋を解明せよ〜

修行生活1日目(2)

しおりを挟む
あれから5回も病原体を変えて同じことをしたロレンの体力は限界を迎えていた。

「よし、今日の抗体作りはここまで。次は飯食ったら依頼を受けていくぞ。」

ロレン達は真っ白に燃え尽きていた。

「・・・」

ぐにょーん。

ぐでーん

「飯食わねえと力出ねえぞ。」

そう言いユウイチはロレン達を担ぎ上げ、商会にしている食堂に行く。

「おーいおばちゃん。こいつらに飯作ってくれあと水分、俺はいつもの。」

ユウイチは注文を済ますとロレン達を席と机の上に置く。

「おーいロレン君や、大丈夫か。」

「う、ん。ファ、ニ達が、支、えて、くれたから。」

「うんうんまだ喋れるから大丈夫だな。」

(謎の声S:まともじゃねえ。氣と魔力なんて便利なものがなかったら死んでる。ロレンの精神力もすでに大人以上だ。)

「はいよ。梅ジュースとゼリーとヨーグルトの盛り合わせ、後は魚定食だよ。」

そう言ってロレン達の方に梅ジュースと蒸し鶏の盛り合わせを置き、ユウイチの方に米となめこの味噌汁(白味噌)と頭が出っ張った焼き魚が置かれた。

「おっ!今日の魚はハンマースネークヘッドか。美味そうだ。」

「たまたまいいのが上がってね。それより会長さん、その子は大丈夫かい。どうせ甥かなんかなんだろうそこまでやらせて親が心配しないかい。」

食堂のおばちゃんはロレン達を心配する。

「まあ一番下の弟の義息子だが、本人と親の了承はとってある。」

ロレン達の方を見ると梅ジュースをストローでぐんぐん吸い込みゼリーとヨーグルトをパクパク食べたていた。

「それでもさね。」

「一番下の弟いわくプロ試験を入学前に受けさせるらしい。」

おばちゃんは目を丸くする。

「あの試験にかい。こんな年端もいかない子にさせるとか正気じゃないさね。」

「あいつはRランクだ。大変さも知ってるだから望んだ子供にしかやらせていないが、今回は俺が引き受けることになったからな。手は抜かん。」

「そんな大層なランクじゃあ子供も憧れるさね。まあ身体が資本しっかり食べておきな。」

そう言いながらロレンを撫でて去っていくおばちゃん。

「ご馳走さま。」

ロレン達は夢中になって食べ、あっという間に皿から掻っ攫って行った。

「ちょっと待ってくれよ。」

ガツガツ

「ご馳走さま。」

ユウイチは早食いして食べ終える。

「しっかし、ロレン君の曽祖父母は聞く限り俺とユウゾウの同郷だな。」

「そうなの?」

すっかり調子を取り戻したロレン。

「多分な。じゃあ依頼に行く前に武器を観に行こうか。」

「武器?」

「業魔のイメージの参考になるかもしれないだろう。」

そう言いながらユウイチはロレン達を案内した。

「ここが俺専用の武器庫だ。」

そこにはロレンには見た事が無い近代兵器、近未来兵器の数々があった。

「わからない物の方が多いから質問は幾らでもしていいからな。」

ユウイチはそう言うと入り口近くの椅子に使った。

ロレンはズンズン進んでいく。そしてふと目に入ったものがあった。

「ねえユウイチ叔父さんこれは?」

「そいつは銃、所謂豆鉄砲をボウガン以上に威力を高めたものだ。」

「違くて、これの名前は?」

ロレンは銃のなかでもリボルバー製のある1つのみを指差す。

「プロトタイプのリボルバー、ピースメーカー。意味は平和の創り手。」

「じゃあこれは?」

なにやら折りたたみ式のリボルバーを指す。

「渋いものばっかり興味持つな。アパッチリボルバー、メリケンサックとナイフそしてリボルバーを合わせた武器だが欠陥武器と呼ばれるくらいに威力がどの銃、どのナイフを見ても低い。」

「この2つのうちどっちが良い、ファニ?」

「まだまだたくさんの武器があるがその二つでいいのか?」

「うん、この2つが強そう。」

懐かしむようでいてどこか悲しげな表情をするロレン。

「ならどっちも使えるようにファニを特訓するか?」

「「そんなことできるの?」」

「可能ですよ。もっともスライムのみの話ですが。」

「おいおいチェシル、俺のセリフを取るなよ。」

「なんでチェシルが知ってるの?」

ロレンはチェシルが知っている意味がわからなかったため詳細を聞く。

「花の精霊達が教えてくれました。」

「一部の上位精霊や老竜は業魔について知っている奴もいる。特に上位精霊種は物に宿るものが多い。だから何世代もの人の人生を見ていることがある。だから知ってるんだよ。」

「ユウイチ叔父さんもそうなの?」

「俺は少し違う。仙人に教えてもらった。」

「仙人?」

「精霊人に成ろうとした人間だ。今は知らなくていい。プロの冒険者に成れたら自分で探しなさい。」

「はーい。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。  選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。  だが、ある日突然――運命は動き出す。  フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。  「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。  死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。  この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。  孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。  そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

プレアデスの伝説 姫たちの建国物語

のらしろ
ファンタジー
 主人公の守は海上警備庁に奉職すぐに組織ぐるみの不正に巻き込まれて、表敬航海中にアメリカで降ろされる。  守の友人である米国海兵隊員の紹介で民間軍事会社にとりあえず就職するが、これまた航海中に大波に攫われて異世界に転生させられる。  転生直前に、カミサマと思しき人から転生先の世界に平和をと頼まれ、自身が乗っていた船と一緒に異世界に送り込まれる。  カミサマからの説明はとにかく長く要領を得ずに分からなかったが転生直後にこれまた別の神様が夢に現れて説明してくれた。  とにかく、チート能力は渡せないが、現代社会から船を送るからそれを使って戦乱続く異世界に平和を求められる。  訳も分からずたった一人大海原に送り込まれて途方に暮れたが、ひょんなことから女性を助け、その女性からいろいろと聞かされる。  なんでもこの世界の神話ではプレアデスの姫と呼ばれる6人もの女性が神より遣わされる男性の下に嫁ぎ国を興すすとき神より大いなる祝福を受けるとあり、初めに助けた女性を皮切りに巡視艇を使って襲われている人たちを助けて、助けていく人たちの中にいるプレアデスの姫と呼ばれる女性たちと一緒に国を興す物語になっております。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...