ほつれる糸

 ーー窓際、後ろから二番目の席に座ると僕は透明になる。
 透明な僕は場の空気を見ることができる。なぜならその場の空気の外にいるから。クラスには僕とは対照的なクラスメイトがいる。明るくてお調子者、だけど彼をムードメーカーと呼ぶにはあまりふさわしくない。彼は空気を作ることもあるがそれと同じくらい空気を壊すこともある。彼は空気を読もうとしない。そんな彼が一般参加型のアイドルオーディションに参加するという。周囲の冷やかす空気にも動じない彼を僕は偽名のアカウントで応援するようになる。
 僕と彼。
 彼と先生。
 彼と彼の幼馴染。
 先生と彼の幼馴染。
 そして
 彼の幼馴染と僕。
 彼がいなければ出会うことのなかった人たちとの出会いが透明な僕を色付ける。そしていつしか、彼は僕の憧れ(アイドル)になっていた。
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