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池に落ちて思い出した。

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 ああ、私はきっと悪役令嬢だ。

 もうすぐ6歳になる頃、つぶらな瞳の小さなカエルを弟に見せたくて扇にのせた。

「姉様?何をやっているんですか?」
「見て!」
「うああああ!」

 驚いた弟に突き飛ばされて庭の池にドボン‼
 その後助け出されるも、熱に浮かされながら頭に入ってきた記憶。
 私は昔、地球と言う星の日本と言う国に住んでいた。
 ライトノベルに、ドはまりして四六時中本またはスマホを見つめて歩いていた。
 スマホのながら歩きは危険です。
 ええ、私もスマホのながら歩きのせいで交通事故にあいました。
 スマホのながら歩きは危険です。
 大事なことなので2回言いました‼
 絶対ダメ!
 話は代わって………
 私ライトノベルが好きすぎて、どうやら異世界転生してしまったようです。
 このメナユハの国の宰相閣下の娘として。
 見た目が綺麗で燃えるような赤毛をツインテールにして少し気の強そうな猫目が意地悪そうに見える。
 熱が下がって鏡を見た時ハッとした。
 あ、悪役令嬢顔だ。
 ライトノベルにありがちな、この顔は例のあのゲームの!とかこの小説のあの令嬢!とかあの漫画の………なんて記憶は、いっさい無い。
 ただ、私が死んだとき悪役令嬢転生物がやたらと流行っていたからきっとそうだ!

「カーディナル様‼まだ、起き上がられてはいけません‼」
「カーナ!熱を甘くみたらいけないよ‼」

 突然部屋に入ってきたメイドのマーシャと兄に怒られて私はベッドにもどされた。
 カーディナル ブラウローズが今の私の名前だ。
 ああ、典型的な展開でいくなら王子様と婚約からの婚約破棄だろう?
 宰相の娘、ありがちだ。
 だけど、問題が1つ。
 私、悪役令嬢転生物のライトノベルしか読んだことがない。
 そう、私は乙女ゲームをしたことが無いのだ‼
 え~と、悪役令嬢って何をすれば良いんだっけ?
 私はベッドの中でそればかりを考えていたのだった。
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