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仲間ができました

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 私には兄と弟が居る。
 兄、バーテミック ブラウローズ
 弟、ヤードラル ブラウローズ

 兄は父親譲りの綺麗な銀髪の薄緑色の瞳の穏やかなイケメンで、私の2歳年上だ。
 そして、弟は母親譲りの赤茶色の髪の毛に薄い緑色の瞳のイケメンで一歳年下である。
 兄は私の我儘を聞いて甘やかしてくれるが、弟は私が苦手である。
 いじめたつもりはないが、弟の嫌がる事を無意識にやってしまっていた。
 子供とは残酷な生き物だ。
 だが、生まれる前の私は………かなりのオバチャン………結婚?してなかったけどなにか?
 話を戻して、私は今までの私ではない。
 弟可愛いし、仲良くしたい!
 兄に我儘言わないようにしたい!
 何でも出来るようになりたい!
 だって私の未来はきっと庶民のはず!
 兄と弟はたぶん攻略対象者だ。
 そうなると、私は一人で家を追い出されるって結末だろう。
 なら、炊事洗濯は出来ないと駄目だ。
 それに、自分の身を守るすべも知らないと………
 お金の使い方や、知識が無いと生きて行けない。
 味方は多い方がいい。
 誰なら味方になってくれるだろ?

「カーディナル様?ボーっとなされて大丈夫ですか?寝れないのでしたら私が夢の世界にいざなって差し上げますわ。」
「アゲハさん………」

 アゲハさんはたまに私が眠れないと催眠術のような幻術のようなものを私にかける。
 私はいつの間にか眠ってしまうのがつねだ。
 アゲハさんはメイドさんの中でもメイド長と言っても良い立場の人だ。
 そう言えば執事長はカゲロウさんで庭師の偉い人はヒグラシさん………何でこの三人だけ和風の名前なんだろ?
 忍者みたいな名前だ。
 この世界に忍者は居ない。
 こっちでは忍者は諜報部隊って言ったっけ?

「………アゲハさんは、諜報部隊の人ですか?」

 寝ぼけた私が言った言葉でアゲハさんは目を見開いた。
 子供にそんなことを言われると思っていなかったのだろう。

「誰かに何か言われたのですか?」
「いいえ。ただ、ヒグラシさんとカゲロウさんとアゲハさんは諜報部隊の人じゃないかって………思っています。」

 アゲハさんは困ったような顔をした。
 言ってはいけない事だったのだろう。

「秘密を知ったら殺されちゃいますか?」
「それは、あり得ません。死ぬのでしたら私達の方ですわ。」

 私は慌てて言った。

「ごめんなさい。さっきのは聞かなかった事にしてください!私は誰にも言いませんわ!」

 アゲハさんはさらに驚いた顔をして言った。

「お嬢様、貴女は私達の命を救いたいのですか?」
「当たり前ですよね?」

 アゲハさんは目に涙をためていた。
 殺されちゃうかも知れない人に幻術を教えてほしいなんて言えないだろうな。
 残念だ。




 次の日、ベッドの上で1日を終えた。
 寝てばかりで寝れそうにない。
 すると、アゲハさんとカゲロウさんとヒグラシさんの三人が天井裏から現れた。
 心臓に悪いからドアから入ってきてくれ………

「「「姫!我らは姫にお仕えする事を誓います。」」」
「へ?」

 突然の三人の迫力ある物言いに驚いた。
 そして、カゲロウさんが話はじめた。

「私とアゲハとヒグラシは諜報部の者でしたが引退しています。ですが、私達には絶対の自信があったのです。私達は1度も諜報部の人間だと気付かれたことがなかったのです。」
「はあ。」
「それを、6歳の姫様に見破られるなぞ想像すらしていませんでした。我々は姫様がただ者ではないと解り、貴女につかえたいと思ったのです。」

 中々に凄い人達を仲間に出来たと言うことなのか?

「あの、私につかえるって事は私に剣術とか体術とか幻術教えてほしいって頼んだら教えてくれますか?」

 三人は顔を見合わせてから私を見た。

「私達が姫様をお守りするのでは足りないと言う事でしょうか?」
「皆さんがとても強い人なのは解っています。ですが、私は自分でも強くなりたい。興味があるのです。自分がどれだけの事が出来るのか。それに、炊事洗濯もしてみたい………やりたいことが沢山あるし、全部やってみたい。駄目でしょうか?」

 三人はまた顔を見合わせた。

「姫様、私達について来れますか?」
「頑張ります!」

 こうして、私の諜報部の技術を修得する訓練が始まったのだった。
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