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第一章
第25話:勇者ガブリエルたちは⑥
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聖歴1216年2月19日:ルイーズ視点
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、わたくしこそが勇者にふさわしいのよ。
召喚聖者ルイーズの生まれ変わりであるわたくしこそ勇者なのよ」
そもそも、あの品のないガブリエルが勇者名乗っていた事がおかしいのよ
最初から召喚聖者の生まれ変わりであるわたくしが勇者でよかったのよ。
スキルや称号が勇者であろうと、品のない者に勇者など務まらないのよ。
密かに殺してしまえば、スキルや称号が勇者だった事など誰にも分からないのに、お父様も度胸がないのだから、こまったものね。
「なに逃げているのよ、臆病者。
盾役に選ばれたのなら、死んでも盾になりなさい。
心配しなくても、死んでも勇者であるわたくしに役に立ててさせてあげますわ」
わたくしの信徒ならば、よろこんで盾になって死になさいよ、役に立たないわね。
生きているよりも、死んだ方が使い勝手がいいのよ、それくらい分かりなさい。
今までは使う事を反対されていましたが、ようやく使う事を許された死霊術。
死霊術さえ自由に使えるなら、わたくしは無敵なのよ。
人間だけでなく、モンスターすらあやつる事ができるのよ。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、蘇りなさい、モンスターども
しかたないわね、信徒も蘇る事を許してあげますわ。
さあ、わたくしの手足となってダンジョンを制覇しなさい」
「ギャアアアアア」
「ゆるしてください、もうゆるしてください」
「死にたくない、死にたくない、助けてください」
「邪神だ、お前なんか勇者じゃない、お前こそ邪神だ」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、本当に愚かな事。
邪神を斃すためには手段を選んでおられませんのよ、おわかりになって。
それに、高貴な者の為に卑しい身分の者が死ぬのは当然の事なのよ。
さあ、さっさと死んでわたくしの死霊になりなさい」
「おお、なんと神々しい技でしょう、貴女こそ本当の勇者です」
わたくしに気付かれることなく近づくなんて、油断なりませんわ。
あら、なんて男前なんでしょう。
教団にいる醜い男たちとはまったく違いますわ。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、少しは見る眼があるようね。
何なら貴男もわたくしの役に立つように死霊にして差し上げましょうか?」
歳をとると醜くなるから、美しいまま死霊にしてしまおうかしら?
「ありがたきお言葉ではございますが、わたくしごときが本当の勇者である貴女様の死霊になるのは、あまりにも畏れ多い事でございます。
そんな事よりも、もっと貴女様の役に立てることがございます」
男前なだけでなく、とても上品だわ。
醜く下品なガブリエルとは大違いね。
ちょっとくらい話を聞いて差し上げてもいいわね。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、そこまで言うのなら話しを聞いてあげましょう。
本当の勇者であるわたくしの役に立てる方法とは何なのです」
「実は、このダンジョンの奥深くに属性竜の死体があるのです。
その死体を支配下に置く事ができれば、貴女様は無敵でございます。
偽者の勇者であるガブリエルも、真の勇者だと言い張るエドゥアルも、魔術師教会が勇者だと言っているクロエも敵ではありません」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、よく教えてくれました、ほめてあげます。
名前を聞いてあげますから、光栄に思いなさい」
「名前を聞いていただき光栄でございます。
私は冒険商人のナザニエルと申します、お見知りおきください」
あら、ちょっとほめただけで図に乗って来ましたわね。
これからの事もありますから、躾けておかなければなりません。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、この程度の情報で思い上がるのではないわ。
わたくしに覚えておいてほしければ、もっと役に立つのよ」
「では、属性竜の死体を支配下に置くための死霊呪文を教えて差し上げましょう。
ただ、この呪文には大きな制限があるのです。
1000人の人間を生贄に捧げなければいけないのです。
それも、心から召喚聖者を敬っている者たちです。
勇者や召喚聖者の生まれ変わりを敬っている信徒ではダメなのです」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、簡単な事だわ。
ルイーズ教団と敵対する教団の信徒を集めればいいだけよ。
わたくしの事を非難するようなモノに生きている権利はないわ」
「素晴らしい決断でございます。
召喚聖者の生まれ変わりであり本当の勇者でもあるルイーズ様。
心から尊敬し、支援させていただきます」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、そこまで言うのなら、貴男の支援を受けて差し上げてもいいけれど、何を支援すると言うのかしら」
「この巨大な漆黒の魔宝石を貴女様に捧げさせていただきます。
この漆黒の魔宝石に蓄えられた魔力ならば、今まで以上に死霊術の効果が高くなり、多くの死霊を操る事ができます。
1000の死霊とアンデッドドラゴンを同時に操る事ができるでしょう」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、もしそれが本当の事なら、名前を覚えるだけでなく、ほめて差し上げるわ」
「では、おほめ頂く時を心待ちにさせていただきます」
聖歴1216年2月19日:クロエ視点
「キィイイイイ、なにをグズグズしているの、それでも高位魔術師なの。
下級モンスターに過ぎないコボルトやスケルトンくらいさっさと斃しなさい。
そんな事で魔術師が支配者の国を作れると思っているの。
偽者の勇者に過ぎないガブリエルが馬上槍試合に登録したと言うのよ。
もしかしたら王家がガブリエルと手を組んだのかもしれないのよ」
はやく、できるだけ早くこのダンジョンを制覇しないといけないわ。
ルイーズの後ろ盾になっている教団が人間狩りを始めたと聞いたわ。
この前は300人生贄で失敗したから、今度はもっと多く集める気なのよ。
ルイーズが先にマンドリエ・シュル・メール・ダンジョンを制覇してしまったら、私たちは滅ぼされてしまうかもしれないのよ。
「キィイイイイ、どうしてもっと盾役になる奴隷を集めてこなかったのよ」
「そんな事を言われましても、協会の資金ももう底をついておりまして……」
「キィイイイイ、魔術師ならお金くらい魔術を使って稼ぎなさいよ。
もっとたくさんの強力な魔力回復薬があれば、ニースダンジョンなんて私の魔術で簡単に制覇できたのよ。
全部お前たちが悪いのよ、私の魔術が未熟だからじゃないわ」
「その通りでございますとも、全部お付きの魔術師が未熟なせいです。
クロエ様のような才能と美しさに恵まれた美少女魔術師が悪いわけがありません」
だれ、いつの間に、私に近寄ってきたの?
あれ、なんていい男なの。
それも、私の事を美少女魔術師とほめたたえるなんて、わかっているじゃない。
魔術師たちも、もっと私をほめたたえるべきなのよ。
「そうよ、そうよ、その通りよ。
みんなお前たちが悪いのよ、私が未熟だからではないわ」
「ただ、お付きの魔術師の方々も、一生懸命クロエ様の力になろうと頑張られておられますから、道具が悪いせいかもしれません」
「キィイイイイ、道具、魔道具が悪かったのね。
お前たちが資金をケチるからロクな魔道具がないのよ。
全部お前たちが悪いのよ、私が未熟だからではないわ」
「才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様。
恐れ多い事ではございますが、私にクロエ様を支援させてもらえませんか」
「……しえん、なんの見返りもなく私を支援すると言うの?!」
「いえ、いえ、私も冒険商人でございます。
なんの見返りもなく支援するわけにはいきません」
「そうね、それでこそ信用できるわ。
何を見返りに支援してくれると言うの」
「クロエ様がこの国の支配者となられたあかつきには、私をクロエ様の御用商人として頂きたいのです」
「……そうね、支援してくれるモノによっては考えてもいいわ」
「では、これをご覧ください、クロエ様」
「何の変哲もない、どこにでもある魔術杖じゃない。
キィイイイイ、私の事をバカにしていたのね。
殺してやる、火炎魔術で骨まで焼き尽くしてやる!」
「どうか落ち着いてください、才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様。
この杖の先についている漆黒の魔宝石をご覧ください。
この中には、邪神の使徒すら焼滅ぼす地獄の業火が蓄えられているのです」
「キィイイイイ、私の事をバカにしているの? バカにしているわね!
炎の魔宝石は赤に決まっているじゃない、だまされないわよ!」
「才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様、お落ち着いてください。
確かに一般的な炎の魔宝石は赤いです。
ですが、炎の力が強くなるにしたがって青くなるのです。
そして青が行きつくと、白くなるのです。
この世界で創り出せる最も強い炎は白なのだと、火炎魔術が得意だった召喚聖者が書き残した書に記されているのです」
「キィイイイイ、だったら白い魔宝石が付いた魔術杖を寄こしなさいよ」
「もう少し話を聞いてください、才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様。
炎の魔力の限界が白なのはこの世界の話です。
邪神を滅ぼすために異世界で創られた魔宝石は黒いのです。
もし私の話が信じられないのであれば、モンスターを相手に試せばいいのです。
お付きの魔術師たち全員に黒の魔術杖を持たせれば、このニースダンジョンなど簡単に制覇できますよ。
そうなれば、才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様が、ルイーズを押しのけて、召喚聖者たちのようにほめたたえられますよ」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、わたくしこそが勇者にふさわしいのよ。
召喚聖者ルイーズの生まれ変わりであるわたくしこそ勇者なのよ」
そもそも、あの品のないガブリエルが勇者名乗っていた事がおかしいのよ
最初から召喚聖者の生まれ変わりであるわたくしが勇者でよかったのよ。
スキルや称号が勇者であろうと、品のない者に勇者など務まらないのよ。
密かに殺してしまえば、スキルや称号が勇者だった事など誰にも分からないのに、お父様も度胸がないのだから、こまったものね。
「なに逃げているのよ、臆病者。
盾役に選ばれたのなら、死んでも盾になりなさい。
心配しなくても、死んでも勇者であるわたくしに役に立ててさせてあげますわ」
わたくしの信徒ならば、よろこんで盾になって死になさいよ、役に立たないわね。
生きているよりも、死んだ方が使い勝手がいいのよ、それくらい分かりなさい。
今までは使う事を反対されていましたが、ようやく使う事を許された死霊術。
死霊術さえ自由に使えるなら、わたくしは無敵なのよ。
人間だけでなく、モンスターすらあやつる事ができるのよ。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、蘇りなさい、モンスターども
しかたないわね、信徒も蘇る事を許してあげますわ。
さあ、わたくしの手足となってダンジョンを制覇しなさい」
「ギャアアアアア」
「ゆるしてください、もうゆるしてください」
「死にたくない、死にたくない、助けてください」
「邪神だ、お前なんか勇者じゃない、お前こそ邪神だ」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、本当に愚かな事。
邪神を斃すためには手段を選んでおられませんのよ、おわかりになって。
それに、高貴な者の為に卑しい身分の者が死ぬのは当然の事なのよ。
さあ、さっさと死んでわたくしの死霊になりなさい」
「おお、なんと神々しい技でしょう、貴女こそ本当の勇者です」
わたくしに気付かれることなく近づくなんて、油断なりませんわ。
あら、なんて男前なんでしょう。
教団にいる醜い男たちとはまったく違いますわ。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、少しは見る眼があるようね。
何なら貴男もわたくしの役に立つように死霊にして差し上げましょうか?」
歳をとると醜くなるから、美しいまま死霊にしてしまおうかしら?
「ありがたきお言葉ではございますが、わたくしごときが本当の勇者である貴女様の死霊になるのは、あまりにも畏れ多い事でございます。
そんな事よりも、もっと貴女様の役に立てることがございます」
男前なだけでなく、とても上品だわ。
醜く下品なガブリエルとは大違いね。
ちょっとくらい話を聞いて差し上げてもいいわね。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、そこまで言うのなら話しを聞いてあげましょう。
本当の勇者であるわたくしの役に立てる方法とは何なのです」
「実は、このダンジョンの奥深くに属性竜の死体があるのです。
その死体を支配下に置く事ができれば、貴女様は無敵でございます。
偽者の勇者であるガブリエルも、真の勇者だと言い張るエドゥアルも、魔術師教会が勇者だと言っているクロエも敵ではありません」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、よく教えてくれました、ほめてあげます。
名前を聞いてあげますから、光栄に思いなさい」
「名前を聞いていただき光栄でございます。
私は冒険商人のナザニエルと申します、お見知りおきください」
あら、ちょっとほめただけで図に乗って来ましたわね。
これからの事もありますから、躾けておかなければなりません。
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、この程度の情報で思い上がるのではないわ。
わたくしに覚えておいてほしければ、もっと役に立つのよ」
「では、属性竜の死体を支配下に置くための死霊呪文を教えて差し上げましょう。
ただ、この呪文には大きな制限があるのです。
1000人の人間を生贄に捧げなければいけないのです。
それも、心から召喚聖者を敬っている者たちです。
勇者や召喚聖者の生まれ変わりを敬っている信徒ではダメなのです」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、簡単な事だわ。
ルイーズ教団と敵対する教団の信徒を集めればいいだけよ。
わたくしの事を非難するようなモノに生きている権利はないわ」
「素晴らしい決断でございます。
召喚聖者の生まれ変わりであり本当の勇者でもあるルイーズ様。
心から尊敬し、支援させていただきます」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、そこまで言うのなら、貴男の支援を受けて差し上げてもいいけれど、何を支援すると言うのかしら」
「この巨大な漆黒の魔宝石を貴女様に捧げさせていただきます。
この漆黒の魔宝石に蓄えられた魔力ならば、今まで以上に死霊術の効果が高くなり、多くの死霊を操る事ができます。
1000の死霊とアンデッドドラゴンを同時に操る事ができるでしょう」
「ホォオオオオ、ホッホッホッホ、もしそれが本当の事なら、名前を覚えるだけでなく、ほめて差し上げるわ」
「では、おほめ頂く時を心待ちにさせていただきます」
聖歴1216年2月19日:クロエ視点
「キィイイイイ、なにをグズグズしているの、それでも高位魔術師なの。
下級モンスターに過ぎないコボルトやスケルトンくらいさっさと斃しなさい。
そんな事で魔術師が支配者の国を作れると思っているの。
偽者の勇者に過ぎないガブリエルが馬上槍試合に登録したと言うのよ。
もしかしたら王家がガブリエルと手を組んだのかもしれないのよ」
はやく、できるだけ早くこのダンジョンを制覇しないといけないわ。
ルイーズの後ろ盾になっている教団が人間狩りを始めたと聞いたわ。
この前は300人生贄で失敗したから、今度はもっと多く集める気なのよ。
ルイーズが先にマンドリエ・シュル・メール・ダンジョンを制覇してしまったら、私たちは滅ぼされてしまうかもしれないのよ。
「キィイイイイ、どうしてもっと盾役になる奴隷を集めてこなかったのよ」
「そんな事を言われましても、協会の資金ももう底をついておりまして……」
「キィイイイイ、魔術師ならお金くらい魔術を使って稼ぎなさいよ。
もっとたくさんの強力な魔力回復薬があれば、ニースダンジョンなんて私の魔術で簡単に制覇できたのよ。
全部お前たちが悪いのよ、私の魔術が未熟だからじゃないわ」
「その通りでございますとも、全部お付きの魔術師が未熟なせいです。
クロエ様のような才能と美しさに恵まれた美少女魔術師が悪いわけがありません」
だれ、いつの間に、私に近寄ってきたの?
あれ、なんていい男なの。
それも、私の事を美少女魔術師とほめたたえるなんて、わかっているじゃない。
魔術師たちも、もっと私をほめたたえるべきなのよ。
「そうよ、そうよ、その通りよ。
みんなお前たちが悪いのよ、私が未熟だからではないわ」
「ただ、お付きの魔術師の方々も、一生懸命クロエ様の力になろうと頑張られておられますから、道具が悪いせいかもしれません」
「キィイイイイ、道具、魔道具が悪かったのね。
お前たちが資金をケチるからロクな魔道具がないのよ。
全部お前たちが悪いのよ、私が未熟だからではないわ」
「才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様。
恐れ多い事ではございますが、私にクロエ様を支援させてもらえませんか」
「……しえん、なんの見返りもなく私を支援すると言うの?!」
「いえ、いえ、私も冒険商人でございます。
なんの見返りもなく支援するわけにはいきません」
「そうね、それでこそ信用できるわ。
何を見返りに支援してくれると言うの」
「クロエ様がこの国の支配者となられたあかつきには、私をクロエ様の御用商人として頂きたいのです」
「……そうね、支援してくれるモノによっては考えてもいいわ」
「では、これをご覧ください、クロエ様」
「何の変哲もない、どこにでもある魔術杖じゃない。
キィイイイイ、私の事をバカにしていたのね。
殺してやる、火炎魔術で骨まで焼き尽くしてやる!」
「どうか落ち着いてください、才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様。
この杖の先についている漆黒の魔宝石をご覧ください。
この中には、邪神の使徒すら焼滅ぼす地獄の業火が蓄えられているのです」
「キィイイイイ、私の事をバカにしているの? バカにしているわね!
炎の魔宝石は赤に決まっているじゃない、だまされないわよ!」
「才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様、お落ち着いてください。
確かに一般的な炎の魔宝石は赤いです。
ですが、炎の力が強くなるにしたがって青くなるのです。
そして青が行きつくと、白くなるのです。
この世界で創り出せる最も強い炎は白なのだと、火炎魔術が得意だった召喚聖者が書き残した書に記されているのです」
「キィイイイイ、だったら白い魔宝石が付いた魔術杖を寄こしなさいよ」
「もう少し話を聞いてください、才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様。
炎の魔力の限界が白なのはこの世界の話です。
邪神を滅ぼすために異世界で創られた魔宝石は黒いのです。
もし私の話が信じられないのであれば、モンスターを相手に試せばいいのです。
お付きの魔術師たち全員に黒の魔術杖を持たせれば、このニースダンジョンなど簡単に制覇できますよ。
そうなれば、才能と美しさに恵まれた美少女魔術師のクロエ様が、ルイーズを押しのけて、召喚聖者たちのようにほめたたえられますよ」
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