2 / 8
第一章
第三者視点
しおりを挟む
王国では大陰謀が企てられていた。
一つのミスも許されない重大な陰謀だった。
王国を魔獣の侵攻から護っている、コックス辺境伯家を潰そうと言うのだ。
万が一にも事前に事が露見すれば、コックス辺境伯家は叛乱を起こすだろう。
それくらい危険な行為なのだ。
「殿下。
もう大丈夫でございますよ。
謀叛を証言するコックス辺境伯家の家臣も確保しました。
偽造の証文も血判状も用意しました。
これでコックス辺境伯家も言い逃れはできませんよ」
王太子殿下とトライオン伯爵家のエミリア嬢はベットの上で乳繰り合っていた。
全ては二人の不義から始まっていた。
王太子はエミリアの美貌に理性を狂わされてしまったのだ。
他の人間がどう評するかは分からないが、王太子アーロンにとっては、エミリア嬢こそが運命の相手なのだ。
ぼっちゃりと豊満で下膨れのほほ。
太く黒々とした眉。
細い小さな眼と黒い瞳。
とがった小さい鼻。
小さく可愛いおちょぼ口。
サラサラとした長い黒髪
腕が回らないくらい豊満な体。
一方コックス辺境伯家のキャロライン嬢は、王太子アーロンから見ると化物としか言えなかった。
他の人間がどう評するかは分からないが、王太子アーロンにとっては絶対に妻にしたくない、ベットを共にしたくない相手だ。
うりざね顔。
細く金色に輝く眉。
顔から零れ落ちそうなくらい丸く大きい眼と青い瞳。
すっと通った鼻筋。
厚く濡れた唇。
優雅にウェイブした金髪。
抱きしめたら折れそうな柳腰
国のため王家のため、吐き気をこらえて醜いキャロラインとの婚約を受けいれた。
王太子としての責任感から、隣国との戦争で疲弊する国の事を考え、大魔境を抑え、魔獣から国を護ってくれているコックス辺境伯家を遇する必要があったのだ。
魔獣の素材と肉に加えて、軍資金もコックス辺境伯家から引き出したかったのだ。
幸いコックス辺境伯家は大魔境の一部に入植を成功し、そこに新たな鉱山を発見したのだ。
それも銅山や鉄鉱山ではない。
ミスリル・オリハルコン・ヒヒイロカネといった、金や白金を超える貴重な鉱山を発見したと言うのだ。
国王陛下はは恥を忍んでコックス辺境伯家に支援を要請した。
国王陛下だって臣下に頭など下げたくなかった。
だが国のため民のため、下げたくない頭を下げたのだ。
だが、コックス辺境伯家は支援を断って来た。
魔獣を抑える役目を笠に、傲岸不遜にも王家の嘆願を断ったのだ。
そんな時に、エミリアが王太子アーロンにささやいたのだ。
コックス辺境伯家を潰してしまえばいいと。
キャロラインを人質に取りさえすれば、キャロラインを溺愛するコックス辺境伯は、簡単に降伏するだろうと。
一つのミスも許されない重大な陰謀だった。
王国を魔獣の侵攻から護っている、コックス辺境伯家を潰そうと言うのだ。
万が一にも事前に事が露見すれば、コックス辺境伯家は叛乱を起こすだろう。
それくらい危険な行為なのだ。
「殿下。
もう大丈夫でございますよ。
謀叛を証言するコックス辺境伯家の家臣も確保しました。
偽造の証文も血判状も用意しました。
これでコックス辺境伯家も言い逃れはできませんよ」
王太子殿下とトライオン伯爵家のエミリア嬢はベットの上で乳繰り合っていた。
全ては二人の不義から始まっていた。
王太子はエミリアの美貌に理性を狂わされてしまったのだ。
他の人間がどう評するかは分からないが、王太子アーロンにとっては、エミリア嬢こそが運命の相手なのだ。
ぼっちゃりと豊満で下膨れのほほ。
太く黒々とした眉。
細い小さな眼と黒い瞳。
とがった小さい鼻。
小さく可愛いおちょぼ口。
サラサラとした長い黒髪
腕が回らないくらい豊満な体。
一方コックス辺境伯家のキャロライン嬢は、王太子アーロンから見ると化物としか言えなかった。
他の人間がどう評するかは分からないが、王太子アーロンにとっては絶対に妻にしたくない、ベットを共にしたくない相手だ。
うりざね顔。
細く金色に輝く眉。
顔から零れ落ちそうなくらい丸く大きい眼と青い瞳。
すっと通った鼻筋。
厚く濡れた唇。
優雅にウェイブした金髪。
抱きしめたら折れそうな柳腰
国のため王家のため、吐き気をこらえて醜いキャロラインとの婚約を受けいれた。
王太子としての責任感から、隣国との戦争で疲弊する国の事を考え、大魔境を抑え、魔獣から国を護ってくれているコックス辺境伯家を遇する必要があったのだ。
魔獣の素材と肉に加えて、軍資金もコックス辺境伯家から引き出したかったのだ。
幸いコックス辺境伯家は大魔境の一部に入植を成功し、そこに新たな鉱山を発見したのだ。
それも銅山や鉄鉱山ではない。
ミスリル・オリハルコン・ヒヒイロカネといった、金や白金を超える貴重な鉱山を発見したと言うのだ。
国王陛下はは恥を忍んでコックス辺境伯家に支援を要請した。
国王陛下だって臣下に頭など下げたくなかった。
だが国のため民のため、下げたくない頭を下げたのだ。
だが、コックス辺境伯家は支援を断って来た。
魔獣を抑える役目を笠に、傲岸不遜にも王家の嘆願を断ったのだ。
そんな時に、エミリアが王太子アーロンにささやいたのだ。
コックス辺境伯家を潰してしまえばいいと。
キャロラインを人質に取りさえすれば、キャロラインを溺愛するコックス辺境伯は、簡単に降伏するだろうと。
13
あなたにおすすめの小説
お前は整形した醜い顔だと婚約破棄されたので溺愛してくれる王子に乗り換えます! 実は整形なんてしていなかったと気づいてももう遅い
朱之ユク
恋愛
美しい顔をしたスカーレットは突如それまで付き合ってくれていた彼氏にお前の顔は整形だと言われて婚約破棄を言い渡されてしまう。彼氏はそのままスカーレットのことを罵りまくるが実はスカーレットは整形なんてしてない。
正真正銘の美しい顔でいただけだ。多少メイクはしているけど、醜いと罵られる覚えはありません。
溺愛してくれる王子と新たに婚約することになったので、いまさら復縁したいと言ってももう遅い!
強面系悪役令嬢はお見合いに全敗しました……
紅葉ももな(くれはももな)
恋愛
申し訳ございません! 私のような者は貴女の伴侶として相応しくありませんのでこの度の婚約のお話はなかった事にさせていただきたく存じます」
父親譲りの強面でお見合いに全敗したフェリシテの運命の旦那様はいずこに?
絞首刑まっしぐらの『醜い悪役令嬢』が『美しい聖女』と呼ばれるようになるまでの24時間
夕景あき
ファンタジー
ガリガリに痩せて肌も髪もボロボロの『醜い悪役令嬢』と呼ばれたオリビアは、ある日婚約者であるトムス王子と義妹のアイラの会話を聞いてしまう。義妹はオリビアが放火犯だとトムス王子に訴え、トムス王子はそれを信じオリビアを明日の卒業パーティーで断罪して婚約破棄するという。
卒業パーティーまで、残り時間は24時間!!
果たしてオリビアは放火犯の冤罪で断罪され絞首刑となる運命から、逃れることが出来るのか!?
私を捨てた婚約者へ――あなたのおかげで幸せです
reva
恋愛
「役立たずは消えろ」
理不尽な理由で婚約を破棄された伯爵令嬢アンナ。
涙の底で彼女を救ったのは、かつて密かに想いを寄せてくれた完璧すぎる男性――
名門貴族、セシル・グラスフィット。
美しさ、強さ、優しさ、すべてを兼ね備えた彼に愛され、
アンナはようやく本当の幸せを手に入れる。
そんな中、落ちぶれた元婚約者が復縁を迫ってくるけれど――
心優しき令嬢が報われ、誰よりも愛される、ざまぁ&スカッと恋愛ファンタジー
聖女の力を失ったと言われて王太子様から婚約破棄の上国外追放を命じられましたが、恐ろしい魔獣の国だと聞かされていた隣国で溺愛されています
綾森れん
恋愛
「力を失った聖女などいらない。お前との婚約は破棄する!」
代々、聖女が王太子と結婚してきた聖ラピースラ王国。
現在の聖女レイチェルの祈りが役に立たないから聖騎士たちが勝てないのだと責められ、レイチェルは国外追放を命じられてしまった。
聖堂を出ると王都の民衆に石を投げられる。
「お願い、やめて!」
レイチェルが懇願したとき不思議な光が彼女を取り巻き、レイチェルは転移魔法で隣国に移動してしまう。
恐ろしい魔獣の国だと聞かされていた隣国で、レイチェルはなぜか竜人の盟主から溺愛される。
(本作は小説家になろう様に掲載中の別作品『精霊王の末裔』と同一世界観ですが、200年前の物語なので未読でも一切問題ありません!)
「平民とでも結婚すれば?」と捨てられた令嬢、隣国の王太子に溺愛されてますが?
ゆっこ
恋愛
「……君との婚約は、ここで破棄させてもらう」
その言葉を、私は静かに受け止めた。
今から一時間前。私、セレナ・エヴァレットは、婚約者である王国第一王子リカルド・アルヴェイン殿下に、唐突に婚約破棄を言い渡された。
「急すぎますわね。何か私が問題を起こしましたか?」
「いや、そういうわけではない。ただ、君のような冷たい女性ではなく、もっと人の心を思いやれる優しい女性と生涯を共にしたいと考えただけだ」
そう言って、彼は隣に立つ金髪碧眼の令嬢に視線をやった。
婚約破棄されたら、王様の専属抱き枕に任命されました!
アイリス
恋愛
幼馴染の次期伯爵クリフから突然婚約破棄された公爵令嬢のリリー。
そこに宰相がやって来て、「呪いを受けて眠れない国王陛下と添い寝するように」と告げる。
超絶美麗な国王と一緒に寝るなんてとドキドキするリリーだが、なぜか国王はずっと前からリリーのことを知っているようで…?
一方、婚約破棄したクリフはどんどん追い詰められていく。
悪役令嬢は数字しか愛せない~婚約破棄されて、貧乏領地を世界一の商会に変えます~
YY
恋愛
その卓越した経済観念ゆえに「数字しか愛せない冷徹な悪役令嬢」と断罪され、婚約者である王太子に婚約破棄された公爵令嬢アイリス。罰として嫁がされた先は、帝国で最も貧しいとされる「不毛の地」、辺境伯ジアンの領地だった。
しかし、絶望の地で彼女を待っていたのは、無骨だが才能の本質を見抜く慧眼を持った領主ジアンとの出会いだった。「面白い。好きにやってみろ」――彼の絶対的な信頼を得たアイリスは、対等なパートナーとして、その類まれなる経営手腕を発揮し始める。
二人三脚で寂れた領地を大陸随一の経済拠点へと変貌させていく一方、彼女を捨てた王国は、かつてアイリスが予言した通りの財政破綻へと突き進む。
これは、一人の天才令嬢が、自分を認めなかった世界を「数字」という名の力でひれ伏させ、やがて本物の愛と居場所を見つける逆転経営ラブストーリー。
GEMINIを使用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる