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第七章 教会編
第190話 ロキの告解
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昨日今日と色々な事があった。
森の中でルチアさんと出会い、(影分身が)狂信者に刺され、異端審問官が押しかけて来たと思えば、爆発騒ぎ……流石に疲れた。
俺がソファーで休んでいると、珍しくロキから声がかかる。
「悠斗様~♪ ちょっといいかな?」
声は楽観的だが、珍しく神妙な顔をしている。
なんだろう。また問題事だろうか?
神様や天使が引き起こす問題事ってスケールがデカすぎて手に負えないんだけど……。
「え~っとね。ちょっと聞いてほしい事があって……。あっ! そんな大した事はないんだよ。でも怒らないで聞いてくれると嬉しいかな~♪」
やはり問題事らしい。しかも俺が怒る事が確定しているかのような物言いだ。
「内容次第かな? それでどうしたの?」
俺がそういうと、ロキがしどろもどろに話し始める。
「ボクは良かれと思ってやったんだよ。悠斗様が聖属性魔法を付与した魔道具を売り出したり、元から知ってはいたけど、万能薬に手を出したりしていたからさ♪ 教会から目を付けられるだろうな~って。だから、神託スキルを持つ教会の門徒たちに神託を降したんだけど、失敗しちゃってね♪」
話し方が要領を得ない為、何を言いたいのかよくわからない。
「ロキさん、ちょっと何を言っているのかわからないから時系列で教えてくれない?」
しどろもどろに話をして煙に巻こうと思っていたのか、ロキが「ううっ!」っといった表情を浮かべる。
そしてため息をつくと、ポツリポツリと話し始めた。
「うん。なるほど……。」
要約するとこういう事らしい。
俺が万能薬や聖属性魔法を付与した魔道具を販売した事により、教会から目を付けられると予想していたロキは、俺を守るため先手を打って聖モンテ教会の偉い人たちに、手を出さないよう神託を降していた。しかし、神託を誤解釈した一人の大司教が暴走。神託スキルを持つ4人の内(内1人はその大司教)2人を殺し、教会の権威を失墜すべく行動に移っている。
その過程で、俺がその大司教と遭遇、影分身だから良かったものの、俺が刺された事に怒ったロキさんがその大司教に、「君の目の前にいる異端審問官を壊滅状態に追い込んでね。」と無理難題を吹っ掛けた結果、またも神託を誤解釈した大司教が暴走。聖モンテ教会の異端審問官が見習いを含めて全員死亡に追い込んだ。
これはいけない! 神託を降ろすのはしばらく控えようと思ったロキさんが睡眠をとっている間に、またも大司教が暴走。ロキさんから神託を賜る事の出来なかった大司教は、その原因は今ここで匿っているルチアにあると思い込み狂気の笑みを浮かべながら血の涙を流してこちらに向かっていると……。
「なんでこうなった……。」
「いや~ホント、なんでこうなったって感じだよ~♪」
俺が頭を抱えていると、ロキから楽観的な回答が返ってくる。
「「はっはっはっはっはっ……。」」
「って笑えるか~! 何してくれてんの! いやホント何してくれてんの!?」
俺はロキさんの肩を両手で掴みグラグラと揺する。
ちょっと神託を降ろした位で、教会組織に致命的なダメージを与えるとは……流石は腐っても神。閉ざす者、終わらせる者という意味を持つロキという名に相応しい所業だ。
「い、いや悠斗様、大丈夫、大丈夫だから……多分。」
多分って何!? 多分じゃ困るんだよ! どれだけ俺が怖い思いをしたと思っているんだ。
俺、一回あの狂信者に刺されてるんですけど! 影分身が!
初めて合ってブスリとされたんだけれども! 影分身が!
それが何、その人が何っ!? 狂気の笑みを浮かべながら血の涙を流してこちらに向かってる?
意味が分からないよ。殆どホラーなんですけど! 大丈夫だよね! 大丈夫だよね!?
朝起きたら隣にあの狂信者いないよね!?
杭が腹にぶっ刺さってないよね!?
「ゆ、悠斗様落ち着いて、多分、ボクが神託を降ろせば大丈夫なんだろうけど、ひとつ問題があってね♪ 今回神託を降ろしたことで、教会組織が大変な事になっちゃったんだけど……。その件で他の神々のクレームが凄いんだ♪ 他の神々から神託を降ろさない様に要請があって、今は緊急時を除き勝手に神託する事ができなくなっちゃったんだよ。酷いよね~♪」
マジか……タイミングがひどく悪い。
そして、ロキの神託を誤解釈するなんてどんな思考回路をしているんだ。
『このはし渡るべからず』を、『この端渡るべからず』に脳内変換して堂々と橋のセンターを渡る一休さんみたいなトンチを利かせてるんじゃないよ!
と言う事は来るのか……奴が……。
「で、でも大丈夫♪ ここから出なければ問題ないよ~! 屋敷神と土地神が自動防御を発動させている以上、ここに入る事は絶対にできないからね♪ それにここには、ボクたちがいるから大丈夫! これなら悠斗様も安心だね♪ ねっ!?」
狂信者がこっちに向かって来ている以上、仕方がない。
明日のユートピア商会の営業はお休みにして従業員たちに外に出ないように周知しよう。
何しろ相手はロキの狂信者。
何が起こるか全く予測できない。
俺が行動に移そうとソファーをたった時、悠斗邸のチャイムが鳴り響いた。
森の中でルチアさんと出会い、(影分身が)狂信者に刺され、異端審問官が押しかけて来たと思えば、爆発騒ぎ……流石に疲れた。
俺がソファーで休んでいると、珍しくロキから声がかかる。
「悠斗様~♪ ちょっといいかな?」
声は楽観的だが、珍しく神妙な顔をしている。
なんだろう。また問題事だろうか?
神様や天使が引き起こす問題事ってスケールがデカすぎて手に負えないんだけど……。
「え~っとね。ちょっと聞いてほしい事があって……。あっ! そんな大した事はないんだよ。でも怒らないで聞いてくれると嬉しいかな~♪」
やはり問題事らしい。しかも俺が怒る事が確定しているかのような物言いだ。
「内容次第かな? それでどうしたの?」
俺がそういうと、ロキがしどろもどろに話し始める。
「ボクは良かれと思ってやったんだよ。悠斗様が聖属性魔法を付与した魔道具を売り出したり、元から知ってはいたけど、万能薬に手を出したりしていたからさ♪ 教会から目を付けられるだろうな~って。だから、神託スキルを持つ教会の門徒たちに神託を降したんだけど、失敗しちゃってね♪」
話し方が要領を得ない為、何を言いたいのかよくわからない。
「ロキさん、ちょっと何を言っているのかわからないから時系列で教えてくれない?」
しどろもどろに話をして煙に巻こうと思っていたのか、ロキが「ううっ!」っといった表情を浮かべる。
そしてため息をつくと、ポツリポツリと話し始めた。
「うん。なるほど……。」
要約するとこういう事らしい。
俺が万能薬や聖属性魔法を付与した魔道具を販売した事により、教会から目を付けられると予想していたロキは、俺を守るため先手を打って聖モンテ教会の偉い人たちに、手を出さないよう神託を降していた。しかし、神託を誤解釈した一人の大司教が暴走。神託スキルを持つ4人の内(内1人はその大司教)2人を殺し、教会の権威を失墜すべく行動に移っている。
その過程で、俺がその大司教と遭遇、影分身だから良かったものの、俺が刺された事に怒ったロキさんがその大司教に、「君の目の前にいる異端審問官を壊滅状態に追い込んでね。」と無理難題を吹っ掛けた結果、またも神託を誤解釈した大司教が暴走。聖モンテ教会の異端審問官が見習いを含めて全員死亡に追い込んだ。
これはいけない! 神託を降ろすのはしばらく控えようと思ったロキさんが睡眠をとっている間に、またも大司教が暴走。ロキさんから神託を賜る事の出来なかった大司教は、その原因は今ここで匿っているルチアにあると思い込み狂気の笑みを浮かべながら血の涙を流してこちらに向かっていると……。
「なんでこうなった……。」
「いや~ホント、なんでこうなったって感じだよ~♪」
俺が頭を抱えていると、ロキから楽観的な回答が返ってくる。
「「はっはっはっはっはっ……。」」
「って笑えるか~! 何してくれてんの! いやホント何してくれてんの!?」
俺はロキさんの肩を両手で掴みグラグラと揺する。
ちょっと神託を降ろした位で、教会組織に致命的なダメージを与えるとは……流石は腐っても神。閉ざす者、終わらせる者という意味を持つロキという名に相応しい所業だ。
「い、いや悠斗様、大丈夫、大丈夫だから……多分。」
多分って何!? 多分じゃ困るんだよ! どれだけ俺が怖い思いをしたと思っているんだ。
俺、一回あの狂信者に刺されてるんですけど! 影分身が!
初めて合ってブスリとされたんだけれども! 影分身が!
それが何、その人が何っ!? 狂気の笑みを浮かべながら血の涙を流してこちらに向かってる?
意味が分からないよ。殆どホラーなんですけど! 大丈夫だよね! 大丈夫だよね!?
朝起きたら隣にあの狂信者いないよね!?
杭が腹にぶっ刺さってないよね!?
「ゆ、悠斗様落ち着いて、多分、ボクが神託を降ろせば大丈夫なんだろうけど、ひとつ問題があってね♪ 今回神託を降ろしたことで、教会組織が大変な事になっちゃったんだけど……。その件で他の神々のクレームが凄いんだ♪ 他の神々から神託を降ろさない様に要請があって、今は緊急時を除き勝手に神託する事ができなくなっちゃったんだよ。酷いよね~♪」
マジか……タイミングがひどく悪い。
そして、ロキの神託を誤解釈するなんてどんな思考回路をしているんだ。
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