トラウマを抱えたDKがトイレに入れない話

こじらせた処女

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第二章

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「ったく…何でこんなとこにボールがあるんだよ…」
ある練習日の放課後。俺の所属しているバスケ部では、定期的に備品整理が行われる。他の部活と同じ倉庫を使っているから、とても狭い。そのせいか誰かが道具を別のところに移すのだが、思いもよらないところに仕舞われていて、いちいち探さないといけないのが面倒なのだ。
「はーい、じゃん負けは篠田くーん、残り4つ、頑張ってー」
そしてこれらを全員で探せばいいのに、なぜかうちのバスケ部は罰ゲームとして板についている。
「はぁー…あと二つ…」
 よく見つかるのが4階のごちゃっとゾーン。ていうかほとんどここにある。たかが4つ、場所も限定されている、そう思うかもしれないが、中々骨の折れる作業だ。ただの教室ではない、ゴミ屋敷の中から探すからだ。
 すでに見つけた二つのうち一つは横断幕の箱の中、もうひとつは演劇部の小道具入れの中。いい加減、萎れているからといって適当なところに持って行かないでいただきたい。でも、おじいちゃん先生が持って行ってしまうんだよなぁ…
 最後の部屋は、例の部屋。幸い入ったところに二つがセットで転がっていたから、すんなりと見つけられてホッとする。
 ここで、してるんだよなぁ…
前を開いて、トイレじゃない場所で。トイレ以外でおしっこなんて、小さい頃の山登りの時と、車の中で我慢できなかった時ぐらいだ。
 ペットボトルでするって、気持ちいいのかな…
開きっぱなしのロッカーには、大量のペットボトルが入った袋。おおかた何かに使える、と誰かが入れっぱなしにしていたのだろう。まだまだたくさんある。
「…いやいやいやいや」
妙なことを考えるのはやめよう。両手にぺちゃんこのボールをもち、そこを出ようとする。
「ん?」
見上げたロッカーの上には何やら小さな段ボール。なぜか知らないけど、気になる。ここのものにプライバシーもくそもない。好奇心には素直に従うべき、軽い気持ちでそれに手を伸ばした。

「…んだよこれ…!」
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