14 / 51
第二章
5
しおりを挟む
「ったく…何でこんなとこにボールがあるんだよ…」
ある練習日の放課後。俺の所属しているバスケ部では、定期的に備品整理が行われる。他の部活と同じ倉庫を使っているから、とても狭い。そのせいか誰かが道具を別のところに移すのだが、思いもよらないところに仕舞われていて、いちいち探さないといけないのが面倒なのだ。
「はーい、じゃん負けは篠田くーん、残り4つ、頑張ってー」
そしてこれらを全員で探せばいいのに、なぜかうちのバスケ部は罰ゲームとして板についている。
「はぁー…あと二つ…」
よく見つかるのが4階のごちゃっとゾーン。ていうかほとんどここにある。たかが4つ、場所も限定されている、そう思うかもしれないが、中々骨の折れる作業だ。ただの教室ではない、ゴミ屋敷の中から探すからだ。
すでに見つけた二つのうち一つは横断幕の箱の中、もうひとつは演劇部の小道具入れの中。いい加減、萎れているからといって適当なところに持って行かないでいただきたい。でも、おじいちゃん先生が持って行ってしまうんだよなぁ…
最後の部屋は、例の部屋。幸い入ったところに二つがセットで転がっていたから、すんなりと見つけられてホッとする。
ここで、してるんだよなぁ…
前を開いて、トイレじゃない場所で。トイレ以外でおしっこなんて、小さい頃の山登りの時と、車の中で我慢できなかった時ぐらいだ。
ペットボトルでするって、気持ちいいのかな…
開きっぱなしのロッカーには、大量のペットボトルが入った袋。おおかた何かに使える、と誰かが入れっぱなしにしていたのだろう。まだまだたくさんある。
「…いやいやいやいや」
妙なことを考えるのはやめよう。両手にぺちゃんこのボールをもち、そこを出ようとする。
「ん?」
見上げたロッカーの上には何やら小さな段ボール。なぜか知らないけど、気になる。ここのものにプライバシーもくそもない。好奇心には素直に従うべき、軽い気持ちでそれに手を伸ばした。
「…んだよこれ…!」
ある練習日の放課後。俺の所属しているバスケ部では、定期的に備品整理が行われる。他の部活と同じ倉庫を使っているから、とても狭い。そのせいか誰かが道具を別のところに移すのだが、思いもよらないところに仕舞われていて、いちいち探さないといけないのが面倒なのだ。
「はーい、じゃん負けは篠田くーん、残り4つ、頑張ってー」
そしてこれらを全員で探せばいいのに、なぜかうちのバスケ部は罰ゲームとして板についている。
「はぁー…あと二つ…」
よく見つかるのが4階のごちゃっとゾーン。ていうかほとんどここにある。たかが4つ、場所も限定されている、そう思うかもしれないが、中々骨の折れる作業だ。ただの教室ではない、ゴミ屋敷の中から探すからだ。
すでに見つけた二つのうち一つは横断幕の箱の中、もうひとつは演劇部の小道具入れの中。いい加減、萎れているからといって適当なところに持って行かないでいただきたい。でも、おじいちゃん先生が持って行ってしまうんだよなぁ…
最後の部屋は、例の部屋。幸い入ったところに二つがセットで転がっていたから、すんなりと見つけられてホッとする。
ここで、してるんだよなぁ…
前を開いて、トイレじゃない場所で。トイレ以外でおしっこなんて、小さい頃の山登りの時と、車の中で我慢できなかった時ぐらいだ。
ペットボトルでするって、気持ちいいのかな…
開きっぱなしのロッカーには、大量のペットボトルが入った袋。おおかた何かに使える、と誰かが入れっぱなしにしていたのだろう。まだまだたくさんある。
「…いやいやいやいや」
妙なことを考えるのはやめよう。両手にぺちゃんこのボールをもち、そこを出ようとする。
「ん?」
見上げたロッカーの上には何やら小さな段ボール。なぜか知らないけど、気になる。ここのものにプライバシーもくそもない。好奇心には素直に従うべき、軽い気持ちでそれに手を伸ばした。
「…んだよこれ…!」
12
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
待てって言われたから…
ゆあ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。
//今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて…
がっつり小スカです。
投稿不定期です🙇表紙は自筆です。
華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる