逆説の本能寺『変は信長の自作自演であった』魔王信長と救世主イエス、その運命の類似と戦国乱世終結の謎

枢木卿弼

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第八章『最後の晩餐と安土饗応』

8 『光秀解任事件の前日』

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○天正十年五月十五日――
(光秀が饗応役を解任される前日)


座して瞑想中の織田信長は、口を開いた。

「――いにしえより、伝わる秘跡を今こそ、解き放たん」

そして立ち上がり、部屋の入り口の大扉を、大きく開け放った――


すると、いきなりまばゆい光の渦が部屋中を包んでいく――

そう、ここは安土城天主第六階『黄金の間』である。

解き放たれた大扉から朝日が流れ込み、それが部屋中の金箔に反射して、正に部屋中が黄金に輝いている。


「父上、ついにご決断なされたのですね?」

と黄金の後光を背負いし信長に、少し目を眩ましなから嫡男織田信忠は聞いた。


「である、今日中に家康が安土につくとの連絡があった」

――つまり、本日の晩餐より、安土城にて明智光秀の接待が始まる。

そして前述した『安土饗応』での饗応役解任事件は、明日の出来事である。


「――ということは、ついに役者が揃いましたね」

そういうのは連歌師・里村紹巴。

何故ここにいるの?と疑問に思う読者もいると思いますが、安心して下さい『本能寺の変』の最終局面で、史実登場する、その理由その伏線ですので。


「である、では紹巴よ愛宕山での儀式の準備を手はず通り」

「お任せ下さい信長様、今より愛宕山に参りまして、

――威徳院西坊の住職・行佑と申し合わせてきます」

「であるか、開始の日は――

光秀が“例の物”を、お主に持ってきてから十日後とする」

「はっ、かしこまりました。では――」

と、にわかに部屋を出ていく紹巴。


「――父上、後は秀吉からの父上への出陣要請を待つのみですね」

「である、先の手紙では、備中高松城を水攻めにしたことで、毛利本隊が、後一週間もせぬ間に前線に到着するということであったな」

「だからこそ、この安土での家康への饗応を一週間もされることにしたのですね」

実は史実でも、饗応役の明智光秀が解任された後も、別の者が饗応役を務めて、家康が安土に来てから合わせて一週間近く接待しているのである。


「である、毛利本隊の到着が確定したら、早馬を出すように命じてある」

「父上、その時こそ――」

「である、その時こそ――



――余による『福音書エヴァンゲリオン』計画が、


始動する時なのである!」



次回、ついに『エヴァンゲリオン』計画が、始動する!


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