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15.リベンジ舟遊び
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「レニ、明日一緒に舟遊びに行かない?」
翌朝の朝食でアーネストに提案され、俺は迷った末に頷いた。
コイツと二人で出掛けることに抵抗がなかったわけじゃないが、なんせこの屋敷、アーネストにとってめちゃくちゃ居心地が悪いんだよ。
昨夜の夕食とナイトティーの時間なんて思い出したくもない。伯父上も伯母上もおばあさまも、俺の訪問を聞きつけて訪ねて来てくれた従兄弟たちも、おばあさまほどストレートではないにしろ、貴族的嫌味のオンパレード。集中砲火と言ってもいい。
俺もコイツにはそれだけのことをされてきたと思うから、庇ってやるのもなんか違うような気もするけど、とにかくサンドバッグ殴りが止まらないもんだから、俺の方がハラハラして疲れ切ってしまった。
俺って、こういうのほんとダメなんだよな。言われてるのが自分じゃなくても、聞いてるだけで胃が痛くなってしまう。
メイドたちも、俺に万一のことがないかどうか常に気にかけてくれていて、入れ代わり立ち代わり何かしらの用事で様子を見に来るし、有り難いけど気が休まる暇がない!!!!
本末転倒かもしれないけど、息が詰まった俺は、アーネストと出掛けることにしたってわけ。
*************
リンドン公爵家の馬車を借りた俺達は、公爵家が懇意にしている商会を訪ねた。
俺だけなら普通の貴族向けの船乗り場に行ってもいいんだけど、アーネストがお忍び状態だから、ちょっとムリ。万一アーネストの顔を知る貴族が来ていたりしたら、大変なことになるし。
その点、ここの商会には顔が利くし、伯父様が商会の要人と視察に行く時用の大きな船もある。その船でちょっとここから離れた目立たないルートに連れて行ってもらえば、人目を気にせず小舟で遊べるってわけ。
「さすがリンドン公爵家お抱えの商船だね。王家の船と比べても遜色ない」
「だろ?ファンネは工芸品や装飾品を作ったり、流行を生み出して他国に発信したりするけど、その分食糧とかは不足しがちだから、交易が盛んなんだ――――って、こんなこと知ってるよな」
俺の心のふるさとみたいに思ってる国だから、嬉しくてつい偉そうに語っちゃったけど、ファンネがどういう国かなんて、王太子のアーネストだって知ってるに決まってる。むしろ、毎年どれぐらいの金額が動いてるかとか、細かな物の相場まで把握してるんじゃないかな。
訳知り顔で話しちゃって、なんだか恥ずかしい。
「そんな顔しないでよ。確かに俺も知識では知ってるけど、実際に見たことはないんだからさ。レニはファンネに昔からよく来てたから、色々見たことがあるんでしょ?」
「そ、それは、まあ……。あ、遊びだから、ぜんぜん仕事とかには役に立たないんだけど」
卑屈になった俺を励ますように、アーネストが俺の頬を優しくなでる。
前だったら、アーネストに手を伸ばされたりしたら、ついに殴られるんじゃないかと思って身を固くしただろうけど、毎日のように過剰なスキンシップを受けている今では、これぐらいの接触は慣れっこになってしまった。
「もっと話してよ。レニたんの話聞いてると楽しい」
そう言われると、俺も満更ではない。褒められたことよりけなされたことの方がめちゃくちゃ多いから、優しくされると嬉しくなってしまう。
我ながらチョロすぎるけど、俺だって考えたんだ。コイツとはあと2週間でさよならするって。例え何があろうとも、コイツがハイランドに帰る時、俺が出す答えはノーだ。ちょっと可哀想だけれど、アーネストには一人で帰路についてもらうことになる。
だから、せめてこの2週間の間だけ、コイツの償いとやらを受けられる範囲で受け取ってみよう。そうすることで、11年で受けた俺の傷がちょっとでも癒されたら、決別後の俺の人生もきっといいものになる。そんな気がするから。
「じゃあ、あれ。あれ見えるか?石造りの水門。ファンネは川が多いから、水害にも気を遣ってて……」
俺が船からほんの少し身を乗り出すと、突然船が大きく揺れた。
足元が不安定になって川に落ちそうになった俺を、アーネストはすかさず抱き留めて引き戻してくれる。
「ご、ごめん。ほんと俺、ドジばっか踏んで、迷惑かけちゃって」
「レニたんのせいじゃないよ。レニたん、運Dで不幸属性持ちのトラブル体質だから、仕方ないんだよね」
「うんでぃー?」
「何があっても俺が守るから、問題ないってこと」
何だか誤魔化された気がするけど、絶対ウソだろ。うんでぃーは何か知らないが、不幸属性とトラブル体質の意味はわかる。文脈からして、ついてない奴みたいな感じだろ?
ていうか、コイツは俺をトラブル体質だとか不幸を呼び寄せるやつだと思っていたのか。そっちのが何だかムカつく。疫病神扱いしやがって。
「レニたん、可愛すぎるからその顔やめて。かわいいほっぺたがプクプクになってる」
「かわいくないっ」
「かわいいよ。昨夜の晩餐のこと忘れたの?みんなレニたんかわいいかわいいって撫でくりまわして、俺からずーっと引き離されっぱなしだったでしょ」
「あれは、身内だからだろ。小っちゃい頃からずっとあんな感じだから、子ども扱いされてるだけだ」
ほんと、皆俺のことをいまだに年端もいかない小っちゃい子だと思ってる節があるんだよな。
俺だってもう17だし、来年には成人だっていうのに。
「レニたんの身内じゃなかったら、俺どうにかなっちゃうよ」
しれっと笑顔のまま言われたけど、これって……。イヤイヤ、考えちゃいけない。俺なんかに身内以外の人間があんなことするわけがないんだから、大丈夫のはず。
俺の脳裏に、暴漢二人を始末した時のアーネストの目と、躊躇ないナイフ捌きが過ったけれど、すぐさま記憶に蓋をして封印する。あれはやばいやつだ。ナイナイしちゃおうねえ(白目)
「ちっちゃいレニたんと、俺もイチャイチャしたかったなぁー……はあー」
心底悔しそうに、アーネストがため息を吐く。
(そんなん、俺もですよ、アーネスト様)
小さかったアーネスト様と、こんな風に仲良く過ごしたかった。小さい頃のあなたにも触れてみたかったし、抱きしめてもらいたかった。
なんであそこまで俺は嫌われていたのかな。確かに可愛くはなかったけど、少しぐらい歩み寄ってくれたって良かったのに。
(それで、なんでいきなり変わっちゃったんですか?本当はあなたに何があったんですか?)
訊きたいけど、怖くて訊けない。訊いたら魔法が解けて、冷たいアーネスト様に戻ってしまう気がする。
俺は元のアーネスト様に戻ってほしかった。それで、今度こそ俺を捨てて欲しかった。でも今は、アーネストに冷たくされるのが怖い。
(でも、信じるのはもっと怖い)
信じて突き放されたら、多分今までなんかよりもっと傷付く。俺は、アーネストの優しさを知ってしまったから。
だから、手を離すのは、俺の方じゃなきゃダメなんだ。
(あと2週間でいいから、魔法、解けんなよ)
俺は川に顔を向けながら、一人で騒ぐアーネストをずっと横目で見ていた。
翌朝の朝食でアーネストに提案され、俺は迷った末に頷いた。
コイツと二人で出掛けることに抵抗がなかったわけじゃないが、なんせこの屋敷、アーネストにとってめちゃくちゃ居心地が悪いんだよ。
昨夜の夕食とナイトティーの時間なんて思い出したくもない。伯父上も伯母上もおばあさまも、俺の訪問を聞きつけて訪ねて来てくれた従兄弟たちも、おばあさまほどストレートではないにしろ、貴族的嫌味のオンパレード。集中砲火と言ってもいい。
俺もコイツにはそれだけのことをされてきたと思うから、庇ってやるのもなんか違うような気もするけど、とにかくサンドバッグ殴りが止まらないもんだから、俺の方がハラハラして疲れ切ってしまった。
俺って、こういうのほんとダメなんだよな。言われてるのが自分じゃなくても、聞いてるだけで胃が痛くなってしまう。
メイドたちも、俺に万一のことがないかどうか常に気にかけてくれていて、入れ代わり立ち代わり何かしらの用事で様子を見に来るし、有り難いけど気が休まる暇がない!!!!
本末転倒かもしれないけど、息が詰まった俺は、アーネストと出掛けることにしたってわけ。
*************
リンドン公爵家の馬車を借りた俺達は、公爵家が懇意にしている商会を訪ねた。
俺だけなら普通の貴族向けの船乗り場に行ってもいいんだけど、アーネストがお忍び状態だから、ちょっとムリ。万一アーネストの顔を知る貴族が来ていたりしたら、大変なことになるし。
その点、ここの商会には顔が利くし、伯父様が商会の要人と視察に行く時用の大きな船もある。その船でちょっとここから離れた目立たないルートに連れて行ってもらえば、人目を気にせず小舟で遊べるってわけ。
「さすがリンドン公爵家お抱えの商船だね。王家の船と比べても遜色ない」
「だろ?ファンネは工芸品や装飾品を作ったり、流行を生み出して他国に発信したりするけど、その分食糧とかは不足しがちだから、交易が盛んなんだ――――って、こんなこと知ってるよな」
俺の心のふるさとみたいに思ってる国だから、嬉しくてつい偉そうに語っちゃったけど、ファンネがどういう国かなんて、王太子のアーネストだって知ってるに決まってる。むしろ、毎年どれぐらいの金額が動いてるかとか、細かな物の相場まで把握してるんじゃないかな。
訳知り顔で話しちゃって、なんだか恥ずかしい。
「そんな顔しないでよ。確かに俺も知識では知ってるけど、実際に見たことはないんだからさ。レニはファンネに昔からよく来てたから、色々見たことがあるんでしょ?」
「そ、それは、まあ……。あ、遊びだから、ぜんぜん仕事とかには役に立たないんだけど」
卑屈になった俺を励ますように、アーネストが俺の頬を優しくなでる。
前だったら、アーネストに手を伸ばされたりしたら、ついに殴られるんじゃないかと思って身を固くしただろうけど、毎日のように過剰なスキンシップを受けている今では、これぐらいの接触は慣れっこになってしまった。
「もっと話してよ。レニたんの話聞いてると楽しい」
そう言われると、俺も満更ではない。褒められたことよりけなされたことの方がめちゃくちゃ多いから、優しくされると嬉しくなってしまう。
我ながらチョロすぎるけど、俺だって考えたんだ。コイツとはあと2週間でさよならするって。例え何があろうとも、コイツがハイランドに帰る時、俺が出す答えはノーだ。ちょっと可哀想だけれど、アーネストには一人で帰路についてもらうことになる。
だから、せめてこの2週間の間だけ、コイツの償いとやらを受けられる範囲で受け取ってみよう。そうすることで、11年で受けた俺の傷がちょっとでも癒されたら、決別後の俺の人生もきっといいものになる。そんな気がするから。
「じゃあ、あれ。あれ見えるか?石造りの水門。ファンネは川が多いから、水害にも気を遣ってて……」
俺が船からほんの少し身を乗り出すと、突然船が大きく揺れた。
足元が不安定になって川に落ちそうになった俺を、アーネストはすかさず抱き留めて引き戻してくれる。
「ご、ごめん。ほんと俺、ドジばっか踏んで、迷惑かけちゃって」
「レニたんのせいじゃないよ。レニたん、運Dで不幸属性持ちのトラブル体質だから、仕方ないんだよね」
「うんでぃー?」
「何があっても俺が守るから、問題ないってこと」
何だか誤魔化された気がするけど、絶対ウソだろ。うんでぃーは何か知らないが、不幸属性とトラブル体質の意味はわかる。文脈からして、ついてない奴みたいな感じだろ?
ていうか、コイツは俺をトラブル体質だとか不幸を呼び寄せるやつだと思っていたのか。そっちのが何だかムカつく。疫病神扱いしやがって。
「レニたん、可愛すぎるからその顔やめて。かわいいほっぺたがプクプクになってる」
「かわいくないっ」
「かわいいよ。昨夜の晩餐のこと忘れたの?みんなレニたんかわいいかわいいって撫でくりまわして、俺からずーっと引き離されっぱなしだったでしょ」
「あれは、身内だからだろ。小っちゃい頃からずっとあんな感じだから、子ども扱いされてるだけだ」
ほんと、皆俺のことをいまだに年端もいかない小っちゃい子だと思ってる節があるんだよな。
俺だってもう17だし、来年には成人だっていうのに。
「レニたんの身内じゃなかったら、俺どうにかなっちゃうよ」
しれっと笑顔のまま言われたけど、これって……。イヤイヤ、考えちゃいけない。俺なんかに身内以外の人間があんなことするわけがないんだから、大丈夫のはず。
俺の脳裏に、暴漢二人を始末した時のアーネストの目と、躊躇ないナイフ捌きが過ったけれど、すぐさま記憶に蓋をして封印する。あれはやばいやつだ。ナイナイしちゃおうねえ(白目)
「ちっちゃいレニたんと、俺もイチャイチャしたかったなぁー……はあー」
心底悔しそうに、アーネストがため息を吐く。
(そんなん、俺もですよ、アーネスト様)
小さかったアーネスト様と、こんな風に仲良く過ごしたかった。小さい頃のあなたにも触れてみたかったし、抱きしめてもらいたかった。
なんであそこまで俺は嫌われていたのかな。確かに可愛くはなかったけど、少しぐらい歩み寄ってくれたって良かったのに。
(それで、なんでいきなり変わっちゃったんですか?本当はあなたに何があったんですか?)
訊きたいけど、怖くて訊けない。訊いたら魔法が解けて、冷たいアーネスト様に戻ってしまう気がする。
俺は元のアーネスト様に戻ってほしかった。それで、今度こそ俺を捨てて欲しかった。でも今は、アーネストに冷たくされるのが怖い。
(でも、信じるのはもっと怖い)
信じて突き放されたら、多分今までなんかよりもっと傷付く。俺は、アーネストの優しさを知ってしまったから。
だから、手を離すのは、俺の方じゃなきゃダメなんだ。
(あと2週間でいいから、魔法、解けんなよ)
俺は川に顔を向けながら、一人で騒ぐアーネストをずっと横目で見ていた。
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