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《おまけ3》殿下、温泉旅行ですか??
7 ジークの呟き
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――――けれど、それから少し経った王城では。
二人の帰りを待つ、レオナルドの両親であるカレンとアイザックは、遅めのブランチを同じテーブルで取っていた。しかし二人の話題といえば、勿論三男坊夫夫の事で……。
「カレン、セスとレオナルドはそろそろ戻ってくる時間か?」
「ええ、ようやくよ! レオナルドってばセスの誕生日を独り占めしたいからってセスを温泉旅行に連れ出すんだから!」
カレンはぷりっと怒りながら手にしていたティーカップをソーサーに音を立てて置いた。そして怒っている妻を前にアイザックは優しく宥める。
「まあまあ、いいじゃないか。二人はまだ新婚なんだし」
「そうかもしれませんけど、私だってセスの誕生日を当日に祝いたかったのに!」
「カレンは本当にセスが好きだな」
「だってセスってば可愛いんですもの! 貴方だってわかるでしょう?」
「うーん、まあそれはなぁ」
『へいかぁ、こんにちわぁー』と可愛らしい声で挨拶をしていた小さい頃のセスを思い出して、アイザックは思わず同意してしまう。それに最近も『陛下、あんまり無理しないでくださいね』と心配げに、腰に貼る薬科湿布を持ってきてくれた。
一方、実の息子達と言えば腰の痛みを訴えても『歳じゃないですか?』というぐらいあっさりとしていて。なおかつ、三人の息子達は可愛いと言うより自分に似て逞しいという言葉の方が合っている。
……長男のアレクサンダーは真面目だが寡黙だし。次男のランスはお調子者で。三男坊のレオナルドは計り知れないしなぁ。……確かに息子達に比べるとセスは可愛い。
なので、カレンが言う事もついついわかってしまうアイザック。
「それにセスってば、もう本当に健気なんですのよっ!? レオナルドにプレゼントしたいからって、一生懸命ハンカチに刺繍をして。何度指に針を刺しても、めげずに一針一針心を込めて縫って……あー、もう早く帰ってこないかしら! 誕生会の準備も終わってるし、セスに着せたいドレスも見繕ったのに!」
最後の不穏な言葉にアイザックは困惑しつつも、そこへ使用人がやって来て彼らが待っていた言葉を発する。
「陛下、王妃様、レオナルド殿下とセス様がお戻りです!」
その言葉を聞いてカレンは椅子からパッと立ち上がると王妃らしからぬ身の早さで部屋を出て行き、その後ろ姿をやれやれと見送りながらもアイザックも遅れてゆっくりと席を立った。
「さて、私も二人を出迎えるか」
……私だって『おめでとう』と祝いたいし、プレゼントも用意しているからな。
カレンになんだかんだ言っておきながらも、結局は可愛い義理の息子を溺愛しているアイザックであった。
――――そしてその後、カレン主催のセス誕生会が開かれ、その誕生会には国王夫妻は当然、アレクサンダー家族や自国にいたランス、薬科室のメンバーやセスと関わりのある人達が集まり、ちょっとしたパーティーになるのだが、それはまだ帰って来たばかりのセスは知らないのだった。
◇◇◇◇
――――しかし時間は少し巻き戻り。
セスの誕生日当日には、こんな会話があったり……。
「ねー、じーくぅ、今日ね、えちゅの誕生日なの。会いに行ってもいーい?」
一人では行動しないように言われているフェニは朝食を作るジークに尋ねた。しかしジークはベーコンを焼きながら引き留める。
「城に行ってもセスならいないぞ、温泉旅行に行くって言ってたからな」
「え、しょなのっ?!」
知らなかったフェニは驚いた顔で聞き返す。
「ああ。まあ温泉旅行って事だから、サーツ領の温泉街にでも行ってるんだろ。……まあ俺達なら軽く飛んでいけるし、お前なら迎え入れるだろうが……今日は止めとけ。レオナルドの機嫌を損ねるぞ」
「れおの??」
「あいつ、見たところセスへの執着心が凄そうだからな。セスの誕生日は独り占めしたいなんて思ってるんじゃないか? だからこその温泉旅行なんだろ。そんな日に行ったら顔には出さないだろうが、レオナルドに邪険にされるぞ」
ジークが告げるとフェニは少し考えた後、納得するように「うーん、しょーかも」なんて答えた。なにせフェニは城に住んでいた時、一番傍で二人を見ていたのだ。誰よりもセスに対するレオナルドの執着度はわかっている。
「わかったなら、今日じゃなくて別の日にしろ。セスならいつだって喜んでくれるだろ?」
ジークが言うとフェニは、いつだって笑顔で迎えて抱きしめてくれるセスを思い浮かべて、すぐに頷いた。
「うん、しょーするっ!」
「なら、今日は大人しくしておけ」
そう言いつつジークは焼いたベーコンとパンが乗ったプレート皿をフェニに差し出した。
「ほら、朝飯だ」
「ありがと、ジーク。いただきまーす!」
フェニはそう言うと子供用の小さなフォークを手にして、カリカリのベーコンをぱくっと元気よく食べ始め、ジークも向かいの席に座って同じように朝食を食べ始める。
しかし、脳裏に浮かぶのはセスに渡したあのランジェリー。
……誰だって好きな奴が色っぽい下着を着ていたら喜ぶと思ってセスに渡したが……セスには悪い事をしたかな。
ジークは何となくそう思う。歳の甲でレオナルドの付き合いが長くなくても数回会っただけで、レオナルドのセスに対する執着は誰よりも強いものだと感じていた。だからこそレオナルドが喜ぶであろうプレゼントをアドバイスしたのだが。
……アイツの事だ。味を占めて、セスを言いくるめてまた同じような下着を着せるかもしれないな。あんな顔してすけべそうだし。……やっぱ、セスに悪い事したかも。
ジークはもぐもぐとパンを齧る。でも考え込むジークにフェニは声をかけた。
「ジーク、どしたの?」
「いや……なんでもない」
……今度セスに会ったら謝っておこう。
そう思いながらジークはベーコンを一切れ食べ、歯切れの悪いジークにフェニは首を傾げたのだった。
そしてジークの予想通り、セスは今後レオナルドに言いくるめられてえっちな下着を着せられることになるのだが……それはまた別のお話―――――。
おわり
****************
さて、今回のお話はいかがでしたか?
まさかの両親との再会があったわけですが、ウィルは相変わらずセスにデレデレでしたね。しかし、ついに”お義父さん”呼びが解禁されてしまいました。ウィルは『フン(。-`ω-)』って感じですけど(笑)
そして、セスもやっと自分の気持ちを伝えるようになってきました。まあでも、セス君はまだ21歳だし、のんびり屋さんなので、これからもどんどん自己主張するようになる……はず?
ところで。
前回の話『殿下、どうしましょう?』のエピローグのあとがきに続編の話をちょこっと書きました。(読んでみてね)ですが、この話とは全然違いますよね?
前回のあとがきにも書きましたが、続編を書くと長編20話は超えるので未だ書き渋っていて。けれどセスとレオナルドのお話をちょっと書きたいなー、と思ったので、今回は番外編として書きました。
ということで続編は……またまた気が向いたら(;^ω^)
次回はまた番外編か、はたまた続編が始まるかも?! な感じですが、気長にお待ちいただけたら幸いです。
そして『お気に入り』『いいね』『エール』を送って下さった方々、ありがとうございます~!(*'ω'*)/
二人の帰りを待つ、レオナルドの両親であるカレンとアイザックは、遅めのブランチを同じテーブルで取っていた。しかし二人の話題といえば、勿論三男坊夫夫の事で……。
「カレン、セスとレオナルドはそろそろ戻ってくる時間か?」
「ええ、ようやくよ! レオナルドってばセスの誕生日を独り占めしたいからってセスを温泉旅行に連れ出すんだから!」
カレンはぷりっと怒りながら手にしていたティーカップをソーサーに音を立てて置いた。そして怒っている妻を前にアイザックは優しく宥める。
「まあまあ、いいじゃないか。二人はまだ新婚なんだし」
「そうかもしれませんけど、私だってセスの誕生日を当日に祝いたかったのに!」
「カレンは本当にセスが好きだな」
「だってセスってば可愛いんですもの! 貴方だってわかるでしょう?」
「うーん、まあそれはなぁ」
『へいかぁ、こんにちわぁー』と可愛らしい声で挨拶をしていた小さい頃のセスを思い出して、アイザックは思わず同意してしまう。それに最近も『陛下、あんまり無理しないでくださいね』と心配げに、腰に貼る薬科湿布を持ってきてくれた。
一方、実の息子達と言えば腰の痛みを訴えても『歳じゃないですか?』というぐらいあっさりとしていて。なおかつ、三人の息子達は可愛いと言うより自分に似て逞しいという言葉の方が合っている。
……長男のアレクサンダーは真面目だが寡黙だし。次男のランスはお調子者で。三男坊のレオナルドは計り知れないしなぁ。……確かに息子達に比べるとセスは可愛い。
なので、カレンが言う事もついついわかってしまうアイザック。
「それにセスってば、もう本当に健気なんですのよっ!? レオナルドにプレゼントしたいからって、一生懸命ハンカチに刺繍をして。何度指に針を刺しても、めげずに一針一針心を込めて縫って……あー、もう早く帰ってこないかしら! 誕生会の準備も終わってるし、セスに着せたいドレスも見繕ったのに!」
最後の不穏な言葉にアイザックは困惑しつつも、そこへ使用人がやって来て彼らが待っていた言葉を発する。
「陛下、王妃様、レオナルド殿下とセス様がお戻りです!」
その言葉を聞いてカレンは椅子からパッと立ち上がると王妃らしからぬ身の早さで部屋を出て行き、その後ろ姿をやれやれと見送りながらもアイザックも遅れてゆっくりと席を立った。
「さて、私も二人を出迎えるか」
……私だって『おめでとう』と祝いたいし、プレゼントも用意しているからな。
カレンになんだかんだ言っておきながらも、結局は可愛い義理の息子を溺愛しているアイザックであった。
――――そしてその後、カレン主催のセス誕生会が開かれ、その誕生会には国王夫妻は当然、アレクサンダー家族や自国にいたランス、薬科室のメンバーやセスと関わりのある人達が集まり、ちょっとしたパーティーになるのだが、それはまだ帰って来たばかりのセスは知らないのだった。
◇◇◇◇
――――しかし時間は少し巻き戻り。
セスの誕生日当日には、こんな会話があったり……。
「ねー、じーくぅ、今日ね、えちゅの誕生日なの。会いに行ってもいーい?」
一人では行動しないように言われているフェニは朝食を作るジークに尋ねた。しかしジークはベーコンを焼きながら引き留める。
「城に行ってもセスならいないぞ、温泉旅行に行くって言ってたからな」
「え、しょなのっ?!」
知らなかったフェニは驚いた顔で聞き返す。
「ああ。まあ温泉旅行って事だから、サーツ領の温泉街にでも行ってるんだろ。……まあ俺達なら軽く飛んでいけるし、お前なら迎え入れるだろうが……今日は止めとけ。レオナルドの機嫌を損ねるぞ」
「れおの??」
「あいつ、見たところセスへの執着心が凄そうだからな。セスの誕生日は独り占めしたいなんて思ってるんじゃないか? だからこその温泉旅行なんだろ。そんな日に行ったら顔には出さないだろうが、レオナルドに邪険にされるぞ」
ジークが告げるとフェニは少し考えた後、納得するように「うーん、しょーかも」なんて答えた。なにせフェニは城に住んでいた時、一番傍で二人を見ていたのだ。誰よりもセスに対するレオナルドの執着度はわかっている。
「わかったなら、今日じゃなくて別の日にしろ。セスならいつだって喜んでくれるだろ?」
ジークが言うとフェニは、いつだって笑顔で迎えて抱きしめてくれるセスを思い浮かべて、すぐに頷いた。
「うん、しょーするっ!」
「なら、今日は大人しくしておけ」
そう言いつつジークは焼いたベーコンとパンが乗ったプレート皿をフェニに差し出した。
「ほら、朝飯だ」
「ありがと、ジーク。いただきまーす!」
フェニはそう言うと子供用の小さなフォークを手にして、カリカリのベーコンをぱくっと元気よく食べ始め、ジークも向かいの席に座って同じように朝食を食べ始める。
しかし、脳裏に浮かぶのはセスに渡したあのランジェリー。
……誰だって好きな奴が色っぽい下着を着ていたら喜ぶと思ってセスに渡したが……セスには悪い事をしたかな。
ジークは何となくそう思う。歳の甲でレオナルドの付き合いが長くなくても数回会っただけで、レオナルドのセスに対する執着は誰よりも強いものだと感じていた。だからこそレオナルドが喜ぶであろうプレゼントをアドバイスしたのだが。
……アイツの事だ。味を占めて、セスを言いくるめてまた同じような下着を着せるかもしれないな。あんな顔してすけべそうだし。……やっぱ、セスに悪い事したかも。
ジークはもぐもぐとパンを齧る。でも考え込むジークにフェニは声をかけた。
「ジーク、どしたの?」
「いや……なんでもない」
……今度セスに会ったら謝っておこう。
そう思いながらジークはベーコンを一切れ食べ、歯切れの悪いジークにフェニは首を傾げたのだった。
そしてジークの予想通り、セスは今後レオナルドに言いくるめられてえっちな下着を着せられることになるのだが……それはまた別のお話―――――。
おわり
****************
さて、今回のお話はいかがでしたか?
まさかの両親との再会があったわけですが、ウィルは相変わらずセスにデレデレでしたね。しかし、ついに”お義父さん”呼びが解禁されてしまいました。ウィルは『フン(。-`ω-)』って感じですけど(笑)
そして、セスもやっと自分の気持ちを伝えるようになってきました。まあでも、セス君はまだ21歳だし、のんびり屋さんなので、これからもどんどん自己主張するようになる……はず?
ところで。
前回の話『殿下、どうしましょう?』のエピローグのあとがきに続編の話をちょこっと書きました。(読んでみてね)ですが、この話とは全然違いますよね?
前回のあとがきにも書きましたが、続編を書くと長編20話は超えるので未だ書き渋っていて。けれどセスとレオナルドのお話をちょっと書きたいなー、と思ったので、今回は番外編として書きました。
ということで続編は……またまた気が向いたら(;^ω^)
次回はまた番外編か、はたまた続編が始まるかも?! な感じですが、気長にお待ちいただけたら幸いです。
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