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寝室
正常位④
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「んっ、ふっ、ふぅ……おねえちゃんにバレたら、どうなっちゃうかな……」
「……離婚で済めば、まだ平和的だけど」
刺されても文句は言えない、最低な行為をしているという自覚はある。不貞が明るみに出れば小百合をひどく傷つけ、彼女の両親からも一生恨まれ続けることになるだろう。彼女の家族と懇意にしていた自分の親にも責め立てられ、最悪縁を切られるかもしれない。
何よりも心苦しいのは、小百合と千紘の姉弟仲に決定的な亀裂が入り、家族がバラバラに崩壊してしまうことだった。自分のせいで彼らが不和になってしまうのは、あまりに申し訳なく耐えがたい。それにきっと、千紘は家族の中で孤立してしまうだろう。まだまだ若い千紘にとって家族は必要不可欠な存在だ。その支えを失えば、彼の明るい未来を閉ざすことにもなりかねない。
「……おねえちゃんと離婚したら、俺と結婚して?」
頬をりんご色に染めた千紘が、甘えるように小首を傾げた。修一は目を細め、幼さの残るあどけない顔を見つめ返す。
後先考えない、千紘の若さが眩しかった。
千紘といると、自らの心も思春期にかえるように胸の疼きが止まらなくなる。甘く切なくもどかしく、苦しいのに心地好くもあった。時に激しく、時に優しく鼓動を打ち、溢れる喜びが色鮮やかな充足をもたらしてくれる。
この感情を手放せないまま、ずるずるとここまで来てしまった。千紘のためを思えば不義の関係を断ち切り、年長者である自分が正しい方向へ導いてやるべきだったのに。
破滅に進む道だとわかっていても、自分を止められない。のめり込むほどに自制心は壊れていった。他のすべてをなげうってでも千紘と一緒にいたい。逢瀬を重ねるほどに思いは強くなっていく。
己の身がどんどん落ちていく、そんな感覚があった。すでにもう、抜け出せないほど暗い深間に嵌まり込んでいるのかもしれない。だとしたら、行き着くところまで落ち続けるしかないのではないか。
千紘と一緒なら、地獄に落ちてもかまわない。むしろ自ら進んで落ちていこうとすら思えた。地獄にだって、きっと光はあるはずだ。
「……うん。ずっと一緒にいよう」
「約束だよ?」
「うん、約束」
指切りの代わりに、結合を深めた。
ずりゅりゅりゅ……ぐちゅんっ……どちゅっ、ごつっ、ぶぽっ、ばちゅんっ――脈動する修一の分身が潤みきった千紘の孔を猛然と穿ち、アクメに震える腸粘膜が抽送に合わせてひたむきに修一を締め付ける。
とろりと熟れた腸腔は苛烈な摩擦をも享受して、男の激情を迎え入れ、高みへと導いていく。
「あぁっ、あっ、ぁっ、はぁ……んっ、ンッ、んぅっ……きもちいぃっ……きもちぃね、修ちゃん……っ!」
「ふぅっ、ふっ、はぁ……うん、うん……っ!」
二人の呼吸はより切迫した息遣いになっていた。
どちらからともなく唇を重ね、舌を絡ませ合う。ぴちゃっ、くちゅ、ぢゅぅ、ちゅぱ、ぢゅるぢゅる……互いの口腔を掻き回し、溢れる唾液を啜り飲む。甘美な露に喉を蕩かせ、酩酊の火照りは尚高まった。片時も離れたくないとばかりに唾液の糸が二人を繋ぎとめる。
「ん……くちゅっ、ちゅぷっ、ぢゅび……んぐっ、ぁっ、あぁっ……修ちゃん、しゅき……だいしゅき……!」
「俺も……んちゅっ、くちょ、ぬち……大好きだよ……ぢゅぅ、ぢゅぷ……愛してる、ちぃちゃん……!」
バチュッバチュッグポッゴツッゴリュッズドッドチュッ!! 最後の瞬間を求め、思いの丈をぶつけ合うように律動は激しさを増した。
膨らみきった亀頭の先が腸の奥壁を揺らし、性感を重く響かせる。悦の蠕動がいっそう男根の情欲を煽った。
必死にしがみつく千紘の手指が修一の背を強く掻きむしり、幾筋もの爪痕を刻む。その痛みすら愛おしくてたまらない。
「はぁっ、はぁっ、はっ……ぐっ、ぅっ……イク、イクよ、ちぃちゃん……っ!」
「きてぇっ……修ちゃんの精子、一番奥に植え付けてっ! おねえちゃんの目の前で、俺の中に全部注ぎ込んで……俺を選んだって証明して……っ!!」
まばゆい閃光が脳裏にまたたき、世界が白く柔らかな光の膜に包まれた。ビュシャッ、ブシャァアッ、ドピュピュッ、ドピュルルルッ――!! 快美を極めた修一のペニスが引き攣りを起こし、先端から熱い迸りを噴き上げる。
「くあぁあ……っっ!!」
「はぁああァあぁあ゛ア゛ア゛――ッッ!!」
同時に達した千紘もまた、全身に悦の震えを走らせた。絶頂の高波は尾を引いて長引き、脈打つ肉棒から延々と注ぎ込まれる命の源が千紘の中を満たしていく。
おぼろげな青白い薄明がカーテン越しに差し込み、暗闇は徐々に明るさを取り戻しつつあった。夜とも朝ともつかない時間、夢と現実の狭間にたゆたう感覚の中で、唯々相手の鼓動と息の熱さを感じていた。
じんわりと柔らかく溶けていくような幸福に浸りながら、互いの指と指を絡ませ、固く握り合う。一生離さないとばかりに力を込め、約束の誓いを立てる。
体だけでなく、心まで繋がり合っている気がした。契りを交わした二人の許されざる結びつきは、より強固なものとなっていた。
「……離婚で済めば、まだ平和的だけど」
刺されても文句は言えない、最低な行為をしているという自覚はある。不貞が明るみに出れば小百合をひどく傷つけ、彼女の両親からも一生恨まれ続けることになるだろう。彼女の家族と懇意にしていた自分の親にも責め立てられ、最悪縁を切られるかもしれない。
何よりも心苦しいのは、小百合と千紘の姉弟仲に決定的な亀裂が入り、家族がバラバラに崩壊してしまうことだった。自分のせいで彼らが不和になってしまうのは、あまりに申し訳なく耐えがたい。それにきっと、千紘は家族の中で孤立してしまうだろう。まだまだ若い千紘にとって家族は必要不可欠な存在だ。その支えを失えば、彼の明るい未来を閉ざすことにもなりかねない。
「……おねえちゃんと離婚したら、俺と結婚して?」
頬をりんご色に染めた千紘が、甘えるように小首を傾げた。修一は目を細め、幼さの残るあどけない顔を見つめ返す。
後先考えない、千紘の若さが眩しかった。
千紘といると、自らの心も思春期にかえるように胸の疼きが止まらなくなる。甘く切なくもどかしく、苦しいのに心地好くもあった。時に激しく、時に優しく鼓動を打ち、溢れる喜びが色鮮やかな充足をもたらしてくれる。
この感情を手放せないまま、ずるずるとここまで来てしまった。千紘のためを思えば不義の関係を断ち切り、年長者である自分が正しい方向へ導いてやるべきだったのに。
破滅に進む道だとわかっていても、自分を止められない。のめり込むほどに自制心は壊れていった。他のすべてをなげうってでも千紘と一緒にいたい。逢瀬を重ねるほどに思いは強くなっていく。
己の身がどんどん落ちていく、そんな感覚があった。すでにもう、抜け出せないほど暗い深間に嵌まり込んでいるのかもしれない。だとしたら、行き着くところまで落ち続けるしかないのではないか。
千紘と一緒なら、地獄に落ちてもかまわない。むしろ自ら進んで落ちていこうとすら思えた。地獄にだって、きっと光はあるはずだ。
「……うん。ずっと一緒にいよう」
「約束だよ?」
「うん、約束」
指切りの代わりに、結合を深めた。
ずりゅりゅりゅ……ぐちゅんっ……どちゅっ、ごつっ、ぶぽっ、ばちゅんっ――脈動する修一の分身が潤みきった千紘の孔を猛然と穿ち、アクメに震える腸粘膜が抽送に合わせてひたむきに修一を締め付ける。
とろりと熟れた腸腔は苛烈な摩擦をも享受して、男の激情を迎え入れ、高みへと導いていく。
「あぁっ、あっ、ぁっ、はぁ……んっ、ンッ、んぅっ……きもちいぃっ……きもちぃね、修ちゃん……っ!」
「ふぅっ、ふっ、はぁ……うん、うん……っ!」
二人の呼吸はより切迫した息遣いになっていた。
どちらからともなく唇を重ね、舌を絡ませ合う。ぴちゃっ、くちゅ、ぢゅぅ、ちゅぱ、ぢゅるぢゅる……互いの口腔を掻き回し、溢れる唾液を啜り飲む。甘美な露に喉を蕩かせ、酩酊の火照りは尚高まった。片時も離れたくないとばかりに唾液の糸が二人を繋ぎとめる。
「ん……くちゅっ、ちゅぷっ、ぢゅび……んぐっ、ぁっ、あぁっ……修ちゃん、しゅき……だいしゅき……!」
「俺も……んちゅっ、くちょ、ぬち……大好きだよ……ぢゅぅ、ぢゅぷ……愛してる、ちぃちゃん……!」
バチュッバチュッグポッゴツッゴリュッズドッドチュッ!! 最後の瞬間を求め、思いの丈をぶつけ合うように律動は激しさを増した。
膨らみきった亀頭の先が腸の奥壁を揺らし、性感を重く響かせる。悦の蠕動がいっそう男根の情欲を煽った。
必死にしがみつく千紘の手指が修一の背を強く掻きむしり、幾筋もの爪痕を刻む。その痛みすら愛おしくてたまらない。
「はぁっ、はぁっ、はっ……ぐっ、ぅっ……イク、イクよ、ちぃちゃん……っ!」
「きてぇっ……修ちゃんの精子、一番奥に植え付けてっ! おねえちゃんの目の前で、俺の中に全部注ぎ込んで……俺を選んだって証明して……っ!!」
まばゆい閃光が脳裏にまたたき、世界が白く柔らかな光の膜に包まれた。ビュシャッ、ブシャァアッ、ドピュピュッ、ドピュルルルッ――!! 快美を極めた修一のペニスが引き攣りを起こし、先端から熱い迸りを噴き上げる。
「くあぁあ……っっ!!」
「はぁああァあぁあ゛ア゛ア゛――ッッ!!」
同時に達した千紘もまた、全身に悦の震えを走らせた。絶頂の高波は尾を引いて長引き、脈打つ肉棒から延々と注ぎ込まれる命の源が千紘の中を満たしていく。
おぼろげな青白い薄明がカーテン越しに差し込み、暗闇は徐々に明るさを取り戻しつつあった。夜とも朝ともつかない時間、夢と現実の狭間にたゆたう感覚の中で、唯々相手の鼓動と息の熱さを感じていた。
じんわりと柔らかく溶けていくような幸福に浸りながら、互いの指と指を絡ませ、固く握り合う。一生離さないとばかりに力を込め、約束の誓いを立てる。
体だけでなく、心まで繋がり合っている気がした。契りを交わした二人の許されざる結びつきは、より強固なものとなっていた。
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