【完】こじらせ女子は乙女ゲームの中で人知れず感じてきた生きづらさから解き放たれる

国府知里

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#28、 景朴の離宮*

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 馬車の戸が開くと、そこはグランディア王国ではない城壁の中だった。

「ここがエレンデュラ王国の王宮ですか~!
 うわあ、花が咲き乱れていてきれいですねぇ!」

 奈々江が思ったことをメローナが代わりにいってくれた。
 大陸一の栄華を誇るグランディア王国に次ぐ大国だというエレンデュラ王国。
 建築様式や庭などの作りはグランディア王国と似ている。
 城は見た感じだと、グランディア王国のバラッド城よりもやや小ぶりだ。

「ナナエ姫様、あの虹色にキラキラしている花はなんというのですか?」
「えっ……。う、うーん……」
「あれは、サンライズサンセットという。我が国の魔術研究所で開発されたものだ」

 ブランシュが代わりに答えてくれた。

(よく考えたら、全然知らないのにここがわたしのホームなんだよね……。
 気持ち的には完全にアウェーなんだけど、大丈夫かなあ……)

「ナナエ、父上と母上に挨拶に行くぞ」
「は、はいっ」
(初対面なのに父と母って……、さすがに無理があるんじゃ……?
 いやでも、お兄さんはなんとかなったし、大丈夫だよね……?)

 侍女たちと共にブランシュの後をついていく。
 城の外部はバラッド城とほとんど変わらないように見えたが、中に入ると、ティファニーブルーのような明るい緑がかった浅鮮やかな青色が基調になっていた。
 カーテンやカーペットだけでなく、調度品にも同じ色が使われている。

「綺麗……」

 思わずつぶやくと、ブランシュが不思議そうな顔で振り返った。

「エレンデュラの国を象徴する色ではないか。それほど祖国が懐かしかったのか?」
「は、はあ……」

 そういわれれば、ブランシュの着ているドレスコートにも、必ずこの色が入っている。
 グランディア王国の赤と同じようにシンボリックに使われているのだろう。
 ”恋プレ”にはエレンデュラ王国のことはほとんど出てこないので、奈々江にとっては新たなる情報だった。
 ブランシュがある一室の前で立ち止まった。
 ドアの前の者に来訪を告げると、すぐに扉が開いた。
 開かれた空間は、鮮やかな青とは打って変わり、茶色や黄色がベースの落ち着いた空間だった。
 どうやら、プライベートな空間のようだ。

「良く戻った、ナナエ!
 体は大丈夫か?
 気分はどうだ?」

 はっとして目を向けると、王と王妃に違いないという男女が迎えてくれた。
 エドモンド王によれば、この王の名はファスタン。
 ブランシュとそっくりの髪と目をしている。
 背格好や肩幅までそっくりだ。
 髭やしわがなかったら見間違えてしまうかもしれない。
 王妃に関してはまだ名前さえ知らない。
 渦の細かいカールヘアで、色はやや赤みを帯びた金髪をしている。
 瞳は菫色というより薄紅に似て、この世界の中でも珍しい色に思われた。
 ふたりとも、歳は四十前後というところだろうか。


「あなた、そんなに急いてはナナエが戸惑いますよ」
「む、そうだな……」
「父上、母上、この通りナナエとともに無事に戻りました」

 ブランシュが振り向く。
 水を向けてくれたようだ。

「……た、ただいま戻りました。
 この度は心配をおかけして申し訳ありませんでした……」
「いいのよ、ナナエ。あなたが無事ならそれでいいの」
「本当に心配をかけおって、知らせが届くたびに冷や冷やしたぞ。
 でも、こうして無事な姿を見られてよかった。しばらくはなにも気にせずゆっくりするといい。
 太陽のエレスチャルの件はおいおい話そう」
「はい……」

 うなづくのとほぼ同時に、ブランシュに腕を取られた。

「それでは、父上、母上」
「なに、もう行くのか? 今来たばかりではないか」
「ナナエは疲れているのです。早く景朴の離宮で休ませてやらねば」
「ええ、その通りだわ。わたくしたちのことはいいから、連れて行ってあげなさい」
「はい。ナナエ、行くぞ」
「は、はい。では、失礼いたします」

 ブランシュに引っ張られるままに部屋を出た。

「母上はともかく、父上はああでもしないと話が長いからな。
 それに、お前も早く母君に会いたいだろう?」
「母君?」

 聞き違えたのかと思ったが、今確かにブランシュは母君といった。
 ブランシュがまたも不思議そうに振り向いた。

「お前の母君。
 第三王妃のクレア様だ」
(だ、第三王妃?)

 知らなかった。
 というか、想定していなかった。
 グランティア王国の王と王妃が仲睦ましげだったので、エレンデュラ王国の王と王妃も同じに違いないと思い込んでいた。
 それ以前に、複数の王妃を持つ文化がこのゲームの基盤にあることを忘れていた。
 とはいえ、さきほど会ったばかりの王と王妃の仲が悪かったとかそういう印象があったわけではない。
 この世界にとってはこれが普通だということだ。

「……わ、わたしたちは異母兄妹だったのですね……」

 驚きついでについ口からこぼれてしまった。
 すると、シュトラスが突然立ち止まった。

「正確には、兄妹ではない。
 従兄妹だ。俺の母上は、クレア様の妹だからな」
「えっ……」

 それだけいうと、シュトラスはまた足を進めた。

(ええと……、つまりどうゆうこと?
 姉妹が揃って王に嫁いだの?
 だけど、主人公とブランシュは従兄妹?)

 頭を悩ましているうちに、景朴の離宮という王の居城から少し離れた場所にある小さな城についた。
 それは城というよりも、こじんまりとした屋敷という感じで、景牧と呼ばれるだけあって、なんとも素朴な雰囲気にあふれていた。
 大きな城のような派手派手しい花は見当たらず、グリーンガーデン、もしくは野の草花を生かして手入れされた落ち着きのある庭だった。
 中ほどに水車で水を引いた小さな池があり、そこには水生植物やカモの親子がいて、ここが城の中とは思えないほど牧歌的な様相だった。
 建物もわざと田舎風に作られているのだろう。
 華美な装飾は一切なく、極めて堅実な造りになっていた。

(なんか、すごく可愛らしいお屋敷……)

 あの庭の垣根から、今にも子犬が飛び出してきそう……。
 奈々江はひっそりと想像してひとりで微笑んだ。
 そんな想像をかきたてられるくらい、心地のよさげなのんびりとした空間なのだ。
 そのとき、奈々江の耳にキャンという犬の泣き声が聞こえた。
 まさか、想像が現実になったのだろうか。
 声のする方を見ると、ひとりの女性が子犬を抱えて立っていた。

「ナ、ナナエ!」
「えっ……」

 女性は長い黒髪を風になびかせていた。
 奈々江は驚きのままに声を上げていた。

「お、お母さん!?」

 信じられない。
 でも、そうとしか思えない。
 目の前にいるのは、奈々江の母須山日夏にそっくりな女性だった。
 違うことといえば、須山日夏の髪は茶色くせ毛なのに、女性は奈々江と同じ黒い真っ直ぐな髪をしていることだ。
 年齢も少し若いように思う。

(お母さん、というより、伯母さんに似てる……!?)

 奈々江はいつか見た従兄弟たちの母親であり、母の姉のありし姿を思い浮かべていた。
 なぜ叔母の姿をした第三王妃がいるのだろう。
 ”恋プレ”の世界に突如現れた現実の人物にそっくりなキャラクターに、奈々江は驚きを隠せなかった。

(ま、まさか、これってわたしの脳が勝手に置き換えているんじゃ?
 ていうか、置き換える以前に、”恋プレ”の中にエレンデュラ王国のことはほとんど出てこないし、主人公が第三王妃の娘という設定もない。
 ってことは、わたしの脳が勝手に作り出している……ってこと?)

 不思議なのは、自分もそうだが、二次元のキャラクターの中にいても、母の顔が不自然に見えないことだ。
 現実の人の顔だと認識できるのに、このゲームの夢の中にいても違和感がない。
 ここでも夢の補正が効いているようだ。

「ナナエ、戻ったのね! ああ、よかった! 心配していたのよ……!」
「あ、う、うん……。た、ただいま戻りました、お母様……」

 戸惑いながらも奈々江は答えた。

(そ、そうだ、キャラ情報!)

 グランディア王国では生活に慣れてからほとんど使用していなかったが、こめかみを一回叩くと、目の前のキャラクターの情報がポップアップ出て来る。
 奈々江はすぐさまこめかみを叩いた。

(クレア・ルゥバニュアス・エレンデュラ。
 第三王妃。
 三六歳。
 ナナエの母。
 第一王妃マイラの姉。
 本当だ、第一王妃と姉妹なんだ……)
「ナナエ、ぼんやりしてどうしたの? 疲れているのね、さあ中に入りましょう」
「あ、はい……」
「ブランシュさん、ナナエを連れて戻ってくださって、心より感謝いたします。
 お茶を淹れますので、寄って行かれませんか?」
「いえ、親子水入らずのほうがゆっくりできるでしょう。俺はこれで」
「お心遣いありがとう存じます」

 ブランシュがくるっと背を向けた。
 奈々江も慌てて礼をいう。

「お兄様、ありがとうございました」
「うむ、体を愛えよ」

 ブランシュが立ち去るのを見送って、ゲーム設定上の母を見た。
 まさか、この夢の中で家族の面影と会えるとは。
 奈々江の中の思慕が否応がなく高まった。

「お母様……」

 思わず涙ぐんでしまった。
 クレアがそっと抱きしめてくれた。
 ふたりの体に挟まれた仔犬が、ここにいるといわんばかりにキャンと鳴いた。

「お母様、このわんちゃんは?」
「ふふ……。笑わないでね。
 あなたが旅立ってからさみしくて、陛下におねだりしてしまったの」
「可愛い……、名前は?」
「ナナエ」
「えっ、わたしと同じ?」
「だって、さみしかったんですもの。でも、本物のナナエが帰って来たから、この子には新しい名前をつけなくてはね」

 ふたりで寄り添いながら屋敷に入った。
 初対面のはずなのに、大げさにいってもう親しみしか沸いてこない。
 ブランシュを兄と呼ぶときはあれほど違和感があったのに、クレアを母と呼ぶのにはなんのためらいも感じない。
 クレアの横顔や仕草は、母のそれとそっくりで、ここがゲームの夢の中ということを忘れてしまいそうになる。

「スルタン、あなたの娘が帰ってきましたよ」

 部屋に入るなり、クレアが壁にかかった肖像画に話しかけた。
 見るなり、ナナエは吹き出しそうになった。

(おっ、お父さん!?)

 壁にかかっていたのは、まぎれもなく西洋のドレスコートを着たナナエの父須山真だった。
 しかも、いつだったか見せてもらった父と母の結婚式の時のように、若かりしころの父だ。

(こ、この夢、ものすごくわたしの記憶の補正かかってる……!
 そ、それはいいとして……。えっと、どういうこと?
 今、あなたの娘っていったよね?)
「あ、あの、お母様。
 どうして、えっと、その、国王陛下の第三妃になったの……?」

 クレアは肖像画を愛おしそうに眺めた。

「あなたは幼かったから、きっとよく覚えていないのね……。
 私たち姉妹がふたりそろって王家に嫁ぐことになったとき、陛下とスルタンは鹿狩りをすることなったの。ふたりは歳が一つ違いの兄弟で、いつも狩りの腕前を競い合っていたわ。陛下とマイラ、スルタンとわたしの結婚式の日、ふたりは揃って大きな鹿を仕留めてきたのよ。陛下とスルタンの力はいつも拮抗していて、ふたりはいいライバルであり、親友だったの。
 私とマイラは外見はあまり似ていなかったけれど、とても仲が良くて、いつも一緒だったわ。同じ王族の兄弟に嫁ぐことになったことも、私たちは運命のように感じていたの。
 けれど、結婚してからは少し違ったわ……。
 マイラはすぐにブランシュ王子を身ごもった。そのあとも、すぐにふたり目を授かった。
 けれど、私はなかなか子どもが授からなくて……。結婚して五年たって、ようやくあなたを授かった。
 スルタンは本当に喜んだわ。
 私とお腹の子どものため、今まで一番大きな鹿を狩ってくるといって森へ出たの。
 そのとき、足を滑らせて、スルタンは……」
(……それで亡くなったの……?)
「スルタンを失って、私の環境は一変したわ。
 先代の王は、次期王位は陛下とスルタンのより優れたほうに譲ると公言していたから、それまでは国内の貴族たちは陛下かスルタンのどちらかに肩入れをしていたの。
 でも、スルタンが亡くなってからは、私のこともお腹の子どものことも、誰も気に留めなくなったわ。王宮に私たちの居る場所はなくなってしまったの。
 けれど、なによりも辛かったのは、誰もスルタンのことを口にしなくなったこと。
 結局城にはいられなくて、私は実家に戻ってあなたを生んだわ。
 私にとっては、あなただけが生きる理由だったし、あのまま城にいても、あなたが幸せになれるとは到底思えなかったの。だから、戻る気もなかった。
 しばらくして、先代王が亡くなって、陛下が王座に着いた。ある時、陛下とマイラが揃って私たちの元を訪ねてきたの。第三王妃として、城に戻ってこないかというお話だったわ」
(それで、王妃に……)
「陛下はそのときすでに第二王妃のユーディリア様を迎え入れていて、ふたりの姫を生んでいたわ。
 姫たちは国外へ嫁いで、国交の絆の証となるもの。本来ならば、スルタンの娘であるナナエも、国姫として同じように扱われるべきだわ。陛下とマイラはそのことを忘れずにいてくれたの。
 私はこのお話を受けたわ。だって、あなたは紛れもなくスルタンの娘ですもの」
(それで、ブランシュとは従兄弟であり、兄妹でもあるということだったのね)
「……そうはいっても、さすがに妹と夫を共有する気にはなれなくてね。
 わたしは第三王妃として城に戻ったけれど、スルタンの想い出と共にこの景朴の離宮をあてがってもらったの。
 ここは穏やかだけれど、政治からも権力からもあらゆる利益からも見離された場所。
 けれど、今でもスルタンを思ってくださる方々が、懐かしがってここを訪ねてくれるのよ」

 奈々江はクレアと共にスルタンの肖像画を見上げた。
 自分の記憶がこんな形で”恋プレ”の世界の中に影響してくるとは思ってもみなかった。
 それでも、母や父にこうしてまた会えたことは、奈々江にとってはとてもうれしかった。
 クレアと互いに手を回しながらしばらくその時間を味わった。

(お父さん、どうせなら生きて登場してきてくれたらよかったのに……)

 白いレースと煌びやかなタイをした父なんて、面と向かったらきっと笑ってしまう。
 そんなかりそめの夢であっても、父が恋しかった。

 数日間の間、クレアと景朴の離宮で過ごす日々は素晴らしく心地のいいものだった。
 奈々江に名前を奪われたプードルの仔犬は、茶色だったので、チャーリーという新しい名前をもらい、もうすっかり奈々江に懐いている。
 今この離宮では、奈々江とクレアとチャーリー、奈々江の侍女ラリッサとメローナ、クレアの侍女アンナローズとジーナス、そして数名のメイドたちが常駐している。

「チャーリー、おいで!」
「キャン!」

 のどかな庭でチャーリーと戯れるのは、奈々江の一番の楽しみだ。
 こうしている間は、現実がどうなっているのかという不安からも逃れられるし、乙女ゲーム攻略のことも考えずにいられる。
 しかし、ひとたび冷静になると、奈々江はいいようのない不安に駆られる。
 結局のところ、現実の自分を知るすべはなにひとつない。
 ゲームの中で死んでみるという方法がまだあるにはあったが、この期に及んではそれを選択した瞬間に、現実の自分が死んでしまうような気がして、とてもではないが試してみる気など起こらない。
 奈々江から死への恐怖も取り払われることはなかった。

 だから、なにもすることがないことを楽しむにふさわしい景朴の離宮にあってなお、できるだけなにかをするようにしていた。
 チャーリーと遊ぶ、パズルをする、占いカードでトランプタワーを作る、本を読む、母と話をする、母の趣味の刺繍を一緒に行う、庭の草花を摘んで部屋に飾る、庭の小動物を見つけては図鑑で調べる、離宮に備わっている小さな台所でちょっとした料理をする。
 この世界の蝶や水生昆虫などは、それぞれ小さな魔力を持っているらしく、蛍のように光ったりするだけではなく、姿が消えたり、羽ばたくたびにカランコロンと牛鈴のような音が鳴ったり、青い色の火花のようなものが散ったりするので、なかなか面白い。
 料理にいたっては、侍女たちには咎められたが、クレアが奈々江の気分転換になるのならといって許してくれたのだった。

 それから手紙を書いた。
 シュトラスにあてて、こちらの暮らしぶりや今後の見通しなどを記した。
 スモークグラムを使ってみたかったが、魔法アイテムの使用にはさまざまな制約があるらしく、お友達への近況報告程度の場合には使用の許可は下りないらしかった。

 チャーリーと戯れる奈々江に、メイドのケイトが声をかけた。

「ナナエ姫様、ただいま使者の者が参りまして、これからブランシュ皇太子殿下がお見えになるそうです」
(いよいよ太陽のエレスチャルを調べるのね)



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