【完】こじらせ女子は乙女ゲームの中で人知れず感じてきた生きづらさから解き放たれる

国府知里

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#42、 冥途の土産

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 背筋を戦慄が走った。
 逃げだそうにもライスが上に乗っているために身動きが取れない。
 ライスをどかそうと持ち上げてみるも、びくともしない。

「っ、うっ、ううっ!」

 言葉にならない声を上げて、必死にライスを拳で打った。
 奈々江の必死の抵抗をライスは冷たく下に見ている。
 少しも効いていないようだ。
 ライスが小うるさい蠅を払うかのように、バシッと手を払った。
 そして、両の手首をつかむと、奈々江の頭上へとぐいと持ち上げ押し付けた。

(ううっ、やだっ! やだ!!)

 声なき声をあげながら、必死で首をふり、動く限りの手足で抵抗を示した。

「女とはひとたび体を許せば、どんな男であろうと愛さずにはおけぬらしいな」
(そ、そんなわけあるかぁ!!)

 思わず頭の中で猛烈に突っ込んだ。
 ライスはなにを勘違いしているのだろう。
 メローナのといった通り、卑劣で無礼なひとでなしの極悪人なだけでなく、盛大な大ばかの勘違い野郎だ。
 恐怖だけだった奈々江の中に突如として怒りがわいた。
 いくらなんでも、人のことをばかにしすぎている。
 夢の中とはいえ、こんな奴に、どうして自分の大事な体を奪われなければならないのだろう。
 自分の夢の中であればこそ、奈々江自身が、こんなことは絶対に自分には許さない。

(動け……っ、動け、動け……!)

 固くなった体に命じる。
 封じられた手足に力を込めると、血流が一気に駆け巡り、体温が戻ってくるのがわかった。

「ぐぐっ……、ぎっ!」

 奈々江の力み声が、じりじりと闇の中で鳴る。
 断固として拒否する気持ちが、体に力を呼び戻す。

「誰が……、誰があんたなんか……!!」

 表情ははっきりしないが、ライスが暗闇の中でわずかにひるんだように見えた。
 しかし、ライスの力は遥かに強かった。
 いとも安々と奈々江の力を塗りつぶすように、ぐいと圧をかけてきた。

「……抵抗するな。無駄だというのがわからないのか」
(そういわれて素直に応じる馬鹿がいるとでも思ってるの?)

 奈々江の脳裏に、身を挺して戦ってくれたラリッサの赤い血が思い出された。
 あのときはただ怯えてすくんでしまったが、あの血は不屈の証なのだ。

(戦ってやる……! 例えどんなに殴られたって、負けない……! 負けない!)
「メ、メローナ! 無事なの!?」
「無駄だというのがわからないのか!」
「メローナ、返事して!」
「お前の声は外には届かない。
  ……諦めが悪い上に頭も悪いな、お前は!」
「くっ、どきないさいよ! 離しなさい!」
「暴れるな、抵抗すれば、その分苦しむのはお前だぞ」
「くっ、はあっ、はあっ! 
 どいてってば! ど、い、てえぇっ!」

 ようやく目が慣れてきた。
 ライスの顔が見えるようになってきた。
 そのとき、にわかにだが、はっきりとみえた。
 ライスの表情にはなにかためらいなのかなんなのか、圧倒的優位な立場の者が見せるにふさわしくないなにかがあった。

(……なに、今の?)
「誰もお前を助けには来ない。お前は黙って、俺の妻になれ」
「だ、誰がなるもんか……!」
「もう無駄な抵抗はよせ」
「はあ、はあっ……」
「お前は、俺の妻だ。もはや、覆しようのないこれは決定事項だ」
「今日のことは陛下も知っているのよ! わたしたちは結婚などしないわ!」
「そんなことはもう関係ない」
(……何いってるの……?)
「いいか、もう一度いう、抵抗するな」
(関係ない……? 関係ないってどういうこと? 
 評判を落としてしまったからこれ以上落としたところで関係ないってこと?
 それとも、この一連の自暴自棄な行動にはなにかわけがあるというの?
 ライスは一体どうしたいというの?)

 奈々江が思考を巡らせる間、しばし動きが止まった。
 今がまさに、ライスにとっては仕留め時であろうというのに、ライスは挑んでこない。
 まるで、固まったようにして動きが止まった。

(ライス、もしかして、本気じゃない……?)

 考えてみれば、妙だ。
 圧倒的な力差がありながら、ライスはさっきから抵抗するなというだけで、それ以上のことをしてこない。
 たった今も、奈々江の動きを封じて優位にいながらも、手を押さえたままなにもしようとはしない。

(屈服させたいだけなの? 
 でも、それだけなら、ラリッサを人質にとった時点で成功してる……。
 マイラがいったように、プライドのためなの?)

 しばし、互いににらみ合うだけの時間が過ぎる。
 奈々江は思い切って口を開いた。

「ライス、あなた、なにがしたいの……?」
「黙れ」

 すぐさま帰ってきた返事は短く冷たいものだった。
 しかし、答えたということは、もはや目的は奈々江の清純を奪うことではなさそうだ。
 とはいえ、ライスがこれ以上の暴力を振るう可能性がないわけではない。
 慎重な言葉選びに頭を巡らせた。

「……ブランシュお兄様に、なにかいわれたの?」


 ライスの体が明かに揺れ、狼狽が見て取れた。

「だ、黙れ」
(やっぱり、ブランシュが関係してる。
 ブランシュがライスのたがを外したって、どういう意味?)
「ブランシュお兄様が一体、なにをしたというの?」
「兄上の話をするな!」

 唐突にライスが大声を上げた。
 驚いて一瞬身をすくめたが、ライスの良からぬ行動の鍵はブランシュにあることは明らかになった。
 奈々江はこれが核心に至る何かだと踏んで、強めに出てみることにした。

「……力ずくでわたしを手に入れても、もう誰もあなたを認めないわ。
 わたしも、ブランシュお兄様も、きっともう元のようには戻れない」
「……うるさい!」

 ライスが勢いよく手を振り上げた。

(……っ!)

 ぎゅっと目をつぶり顔をそむけた。
 痛みが降ってくるのを堪えて待った。
 しかし、いつまで待ってもそれは訪れない。
 そっと目を開けると、ライスは丸めた拳を天に突き上げたまま、像のように固まっていた。
 視線だけが、凍り付いたように奈々江を見下ろしていた。
 しかし、振り下ろさなかったということは、暴力よりも、会話のほうがライスにとって心理的負担が少ないからだろう。

「黙れ、余計な口をきくな……」
「……黙らないわ……。どうして、あなたはこんなことをしているの?」
「口を閉じろ」
「ブランシュお兄様もマイラ様も、あなたがこんなことをしでかしたのには、なにか理由があるっていっていたわ」
「黙れといっている」
「あなたのことを信じている人たちがいるのよ」
「黙れといっているだろうが!」
「……ぅぐっ!」

 突如ライスに手で口を塞がれた。
 奈々江の体中に、ひやっというものが走る。

(うそ、やだ……、まずい……?)
「いい加減、力ずくで塞がれたいらしいな……」

 ずいっとライスが身を寄せてきた。

(うそ、うそうそうそっ、やだ、やだぁっ!!)

 もはや目の前にライスの顔がある。

「んんーっ! んーっっ!!」

 必死に抗うも、奈々江の顔はライスの手で固定されている。
 顔を背けることさえできない。
 射殺すのようなライスの目が、奈々江の真正面に迫っている。

(やだあぁーっ! 助けてえぇぇっ!)

 全気力を振り絞って声なき声で叫んだ。
 もう駄目だ、そう思って、目を強く閉じた。
 しかし、次の瞬間、なぜか奈々江の体は一気に解放された。

「……だめだ……っ!」

 目を開けると、ライスの姿が消えていた。
 慌てて飛び起きると、サイドボードにもたれるようにして、ライスが顔に手をやっていた。

(……た、助かった……? でも、なんで……?)

 奈々江は羽織を引き寄せて体包み、ベッドから降りてライスと距離を取った。
 見渡すと、蜂の巣というか、なにやらハニカム構造のドーム型の透明な壁のようなものがベッドを覆っていた。
 出ようにも出られない。
 魔法が解かれない限り、まだ解放されないようだ。
 ライスの背に目をやった。
 先ほどから、うなだれたように丸くなって、微動だにしない。

「こうなったら、もう……ナナエを殺して、私も死ぬしか……」
(ちょっ、ちょっと、待ってよ!)

 勢いで突っ込みそうになったが、奈々江はなんとか気持ちを押しとどめた。

(いったい、ライスの中でなにがどうなって、こうなったのよ……!?
 何の説明もなしに殺害……っていうか、無理心中? とにかく、ありえないってば!)

 気持ちを落ち着かせようと何回か深呼吸を繰り返した。

「ライス、なにがあったの……?」

 ライスが僅かに動きを見せたが、振り返りはしなかった。

「……ここまで巻き込んだのだから、お前には話す義務があるな……。冥途の土産に」
(……か、勝手に殺さないでよ!)
「エレンデュラ王国が古来より王家に生まれた男子を競わせて、その中で一番ふさわしいものを次期王位継承者とすることは、お前も知っているだろう」
「……はい」
「……私にはその資格がない」
「え……?」








 そんなはずはない。
 ライスはブランシュの弟で、紛れもなくファスタンとマイラの子どもであるはずだ。

「私には子が作れない」
「えっ……」

 思ってみなかった告白に奈々江はにわかに目を見開いた。

「正確には、女と子作りの行為ができないのだ」
(……ライス……)
「私は男性にしか情熱を感じない」
(……ゲイだったんだ……)
「私は、生きている価値などない無能者なのだ!」
(いや、そこまでは思わないけども……。
 でも、"恋プレ"にはBL要素なかったよね……?
 ってことは、これもわたしの記憶による補正ってこと?
 え、ここでBL要素、必要ある……!?)

 思い当たる節のない奈々江は闇の中でひとり大きく首をかしげてしまった。

「ふ……、お前も私が気味悪いのであろう……」
「え……」

 しかし、マイノリティや多様性に対する情報補正とするのなら、あり得なくはないのかもしれない。
 とにもかくにも、なんのための補正かを考えるより、今は目の前の問題を解決することが先決だ。

(今ライスは自殺を考えるくらい自分の性のことで悩んでいる。
 しかも、人を盛大に巻き込んで、隷属魔法をかけようとしたり、無理心中まで考えるくらいに。
 なんとか、思いとどまらせるのがセオリーだよね……)

 とはいえ、自分の身近にLGBTQ+などのマイノリティーな性を自覚する人や、それをカミングアウトしている人間がいない。
 なにかいおうにも、知識もないから、一遍通りのことしかいえそうにない。
 しかも、ありふれた言葉を伝えたところで、ライスの心に届くのだろうか。
 思いつめてこんな自滅的な一連をしでかしてしまような相手の心に。

(あれ……、でも待って、わたし今太陽のエレスチャル装備しているよね。
 魔法薬の効果が切れていれば、親愛ゲージマックスで、なんでもいうこと聞いてくれる状態になっているはずだよね。
 いや、え……? 
 だったら、親愛ゲージマックスの相手に対して、こんなこと普通する……?)

 こめかみを叩いた。
 ぱっと浮き出たポップアップに、ライスの情報が書かれている。

(ライス・ルゥバニュアス・エレンデュラ。
 エレンデュラ王国第二皇太子、二十一歳。
 エレンデュラ王国次期王位継承者候補。
 性的嗜好は成人男性のみ。
 ……新しくわかった情報は、随時追加されるんだったよね。さっそく追加されてる。
 あれ……。
 でもゲージは目いっぱいだなあ……。
 となると、それを差し引いてでも、悩みの苦しみのあまりこの強行に及んだっていうこと?)

 ともかく、一応はなんでもいうことを聞いてくれるモードだということだ。
 そのおかげで、殴られることなく、操も奪われなくて済んだのかもしれない。
 奈々江はひとまず太陽のエレスチャル効果を信じることにした。

「……別に気持ち悪いとかは思ってません。
 それより、腹が立っています。
 ラリッサは無事なんですよね?
 メローナにはなにもしてませんよね?」

 落ち着いて様子をみながら話そうと思っているのに、いざ口を開くと、ついいろいろいいたくなって口が勝手に回ってしまう。
 ライスがちらとこちらを向いた。

「私が気味悪くないのか……」
「……はあ? だから、それよりも、わたしは腹が立っているんですよ……!
 あなたが男性しか愛せなくて、人と違う自分に悩んでいるということはわかりました。
 だけど、それでこんなことをしていい理由になるんですか?」
「……」
「あなたのこと、心から心配している人がいるんですよ?
 なにか理由があったに違いないって、あなたのことをかばおうとした人たちがいるんです。
 その人たちを裏切ったんですよ、こんな、最悪の形で!」

 ライスがまた向こうを向いてしまった。

(……あっ、しまった! いいすぎた……! かな……?)

 ライスがそのまま黙り込んでしまったので、奈々江は必死に頭を巡らせた。

(ええと、ええと、こういうときって、なんていえばいいの……?
 あ! そういえば、自殺しようとしている人に、いっちゃいけない言葉ってなんかあったよね……!?
 やばい、まさか地雷を踏んだ……?)

 これまでの人生で、奈々江の身近には自殺志願者もいなかった。
 相手が自分の命を絶ってしまうかもしれないと、そんな心配しながら人と話さなければならなかった機会など、一度だってない。
 今こそ、いつか見た自殺防止マニュアルを思い出そうと記憶に呼びかける。
 だが、こんな時に限って、なにひとつ頭に浮かんでこない。
 ここが奈々江の記憶に影響を受けた夢の中だからといって、都合よくはいかないのだ。

(だ、だけど、こっちはまだまだいいたいことが山ほどあるのに……!)

 黙っていると、むかむかと苛立ちだけが湧いてくる。
 堪えよう、堪えようと思っていても、思えば思うほどふつふつと怒りが頭の中を染めていく。
 奈々江はついに考えるのをあきらめた。

(……どーして!
 わたしが、そこまで気を遣わなきゃいけないのよ!)

 荒々しく歩を進めると、奈々江はライスの前に立った。
 ライスを見ると、さっきまでの氷の仮面が剥がれ落ち、まるで世界の中で自分が一番の不幸を背負っているとでもいうような顔をしている。
 奈々江の頭にマグマのように血が上った。
 思わず、拳を振り上げていた。

(ぐ……、ぐう……! 殴りつけてやりたい、ぼこぼこに殴ってやりたい! けど!)

 自信がなかった。

(ひ、人の顔なんて……)

 一度だって殴ったことのないことに気がついたのだ。
 普通なら、多少の殴る蹴るのことは小さなころに兄弟同士で経験するものだろう。
 そのところ奈々江はひとりっ子だった。
 友達とも穏便な関係で過ごしてきな奈々江は、幸い暴力を与えることも受けることもなく育ってきたのだった。
 従兄弟のふたりが粗暴だったとはいえ、ふたりと取っ組み合いのけんかなどしたことがない。
 あまりの育ちの違いに、奈々江はふたりに挑むことなど考えてみもしなかったのだ。
 大人になってからはなおさら、暴力でなにかを解決することなどありえなかった。
 この世界の中で自衛のために必死なって抗ったことはあったが、あのときは必死すぎて逆にどうやってやったのかすら覚えていない。
 怒りをぶつけるために暴力に訴えるということを、奈々江は経験したことがない。
 ひとたび冷静に考えると、この心理的ハードルはかなり高かった。

(うう……、うううっ……!)

 ラリッサのことを思えば、さっき感じた恐怖を思えば、泣かすくらいに打ちのめしてやりたい。
 でも、体格差も体力差もある相手に、そんなことができるはずもないことはわかっていた。
 したいけどできない。
 でもこの悔しさといら立ちをぶつけなければ気が済まない。
 激しく葛藤した奈々江が出した結論は、これだった。
 素早くライスの両頬を掴むと、強か万力を込めて、つねってやった。

「いっ! ぎがががあっ!」

 ライスが無様な叫びをあげた。

「こんの、大ばか野郎の、大ばか野郎の、こんこんちきいぃ~っ!」
「ひゃめろぉ! いだいでふぁないかぁ!」
「ラリッサはもっと痛かったのよーっ!」
「ぎいっ、ふう、いいっ!」
「あんたひとりのせいで、こっちはだい、だい、大迷惑なのよーっ!」
「ふぁっ、ふぁにゃひぇえっ!」
「誰が離すかぁっ! あんただって散々わたしを苦しめたくせにーっ!」
「ふがっ、ひいっ、ふゅ、ふゅ、ふゅまなひゃっひゃ!」
「はあ~っ!? なにいってるか、わかりませんーっ!」
「ふゅまなひゃっひゃ! ふゅりゅひふぇひゅへええぇっ!」

 ライスの目じりに涙が浮かぶ。
 それを見て奈々江はようやく気が済んだ。
 ぶつっと引っ張るようにして放してやると、ライスががたっと床に膝をついて崩れた。
 本気で力いっぱいつねったので、奈々江は肩から息をするくらいだった。

「はあっ、はあっ……。反撃するならしてみなさいよ、受けて立つから!」

 実際反撃されたらひとたまりもないことはわかっていたが、太陽のエレスチャルが守ってくれるはずだ。
 ライスが真っ赤になった頬に手を当てて、涙目で振り向いた。
 痛みでうまく使えない頬を震わせた。

「ナナエ……、私が気味悪くないのか……?」
「はあっ? だから、そんなこと言ってないでしょ! 
 わたしは怒って……」

 そのときようやく奈々江も気がついた。
 ライスの目に、なにかが溶け出していた。

「お前は、私が気味悪く、ないのか……」

 ライスの目から、溢れた雫がぼろぼろと零れた。

(ライス……、そうか、ひとりで悩んでいたんだ……。
 本当に、相談できる人もいなくて……)


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