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第2章
家族の保護
しおりを挟む「説明もできないのか。それで事がすむとでも?
それとも知らないのだから説明はできなくても当たり前なのかな。ではあなたに私の妻を刺すように依頼した相手の名を教えて貰えるかな」
そういわれた彼女はビクリと身体を揺らしたと思ったらガタガタを震え始めた。
「違います……違います……誰にも、誰にも依頼なんてされてない……私が、、私が一人で。
おねがいします……おねがい……処刑に、処刑にしてください。。」
呪文のようにそうつぶやき始めた女性。その姿からショーン様が言っていた話が思い出される。
王女に脅されて自分がやりたくもない仕事をさせられている。
きっとそれは事実なのだろう。でもこんなにも脅えてしまうなんて何をネタにしているのか。
「話を少し変えよう。
あなたの家族をこちらで保護している。もしも正直に話をしてくれて、その上で助けを求めるのならあなたの家族はこちらでこのまま保護しよう。だがもし、ほんとうにあなたの独断で妻の命を狙ったのなら、即座にこの国の王家にそちらの家族を引き渡す用意をしている。どうする?」
その言葉に、頭をグッとあげた女性。
先ほどまでと違い、フレッドを見る目は力が宿っているようだった。
「家族を?保護……?私の家族を?……セラ…、セラもいるんですか?」
「セラとはあなたの妹のセリーヌ嬢の事ですか?もちろん両親とともに保護していますよ」
それを聞いた女性はそのまま泣き崩れ、床に蹲って泣き続けた。
こんなに家族の、妹の心配をできる女性が人を刺そうだなんて思うはずがない。そう思った私は彼女をソファーに座らせてもらうよう騎士たちにお願いし、その小さな身体をブランケットで覆い温かいスープを用意してもらった。
その身体は触れば分かるほどに痩せてしまっている。
体の震えがようやく止まった彼女に温かいスープを渡し飲み終わるまでゆっくりと待つ。
ときおり「すみません。本当にすみません」と言う声を聞きながらゆっくりと背中をさすった。
最後コクコクとスープを飲み終えた彼女に「大丈夫?」と聞くと、ゆっくりと首を縦に振った。
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