【R18】BL短編集

聖騎士墜落（ファンタジー、騎士団長、監禁、触手）

浴室

レナートが目覚めると、優しくキスをされた。「おはよう」
「おはようございます。アンゼル様」
優しい朝の光がカーテンの隙間から射し込んでいた。
「昨日は無理をさせてしまいましたね。申し訳ありません」
そっと抱き上げられ、風呂場に連れていかれる。「自分で出来る」と言うアンゼルに
「ダメです」と言って手ずから洗ってくれる。「体は大丈夫ですか？」
恥ずかしそうに俯くアンゼル。
「ああ……」
手が乳首に触れるとピクリと反応してしまう。「ん……」
「私も一緒に、入ってもいいですか？」
「…良いよ…」
狭いバスタブの中でレナートがそっとアンゼルを膝の上に座らせるように抱き寄せて、湯に浸かる。
肌がピッタリと合わさってとても気持ちがいい。レナートの手がアンゼルの身体中を愛おしむように這い回る。
「ふ……う……ん」
甘い声を上げてしまうアンゼルに「可愛い人だ」と囁きかける。
「もう少しだけこうしていて下さいね」
アンゼルの指に自身のそれを絡めてレナートが微笑んだ。その笑顔を見ているうちに、胸の奥がきゅっと締め付けられるような気がして、アンゼルは目を閉じた。
「どうしました？」と問われても答えることはできない。逃げなければと思うのにただレナートの腕に包まれていることが幸せだった。
「朝ごはんを用意していますから、一緒に食べましょう」

朝食を部屋で取り、食後のお茶を飲む頃になってやっとアンゼルの体が動くようになった。
ベッドから降りようとするアンゼルをレナートが引き止める。
「まだ休んでいて下さい」「でも……」
「私がやりすぎてしまったんです。今日一日くらいゆっくりしていてくださいね」と頬を撫でた。
「うん……」と素直にうなずくアンゼルが可愛くて、レナートはその体を再び抱きしめた。「また夜に来ます」
そう言って出ていくレナートの後ろ姿を見送りながら、アンゼルは小さなため息をつくのだった。