56 / 180
計画と実行
海誠先生に電話とこの世界の話
しおりを挟む
明日もエルーカさんとバニラさんと体術の特訓の約束をして部屋に戻った。
「まだウェンは帰ってないか。」
うーん。先にハーミット様の所に行こうかなあ。
一応ハーミット様に電話をしてみると何時でもOKと言われた。
メールも音声機能で書けるんだっけ。ウェンにメールしておこう。
「ハーミット様の部屋に行ってくるね。」
送信。
直ぐに返事は来た。
「了解。あと1時間はジムにいる。」
よーし。じゃあ海誠先生に電話頑張ってかけよう。
ハーミット様の部屋のインターホンを鳴らすとやっぱり暗い部屋から出て来た。
「ハーミット様。暗いですよ・・。」
「そうか?電気付けるか。」
仕方ないなあと言う顔でハーミット様は電気を付けてくれた。
「目、悪くなりませんか?」
「目?視力?2.0以上あるが?」
俺より見えてる。
「さあて、何て電話かけるか?」
ハーミット様は俺に電話を渡した。世間話か?カプリスの話は言えないなあと2人で少し悩んだが取り敢えずどんな情報が欲しいか聞いてみようと言う事に決まった。
「ちょっと待ってくれ。まだかけるなよ。GPS調べる。」
パソコンで海誠先生の位置情報を確認している。
「マンションかこりゃ自宅だな。一人暮らしなら良いが。確認のために先ずメールを打て。」
「えーと。出来ればハーミット様が打ってくださいよ。」
そうか。字はまだ苦手かと言って俺が言うようにメールをしてくれた。
『 この前、ホテルの朝食バイキングで会った者です。今、連絡しても大丈夫ですか?1人なら連絡します。』
で良いかな。
この世界はショートメール?電話番号でのメールが主流な様で送ると直ぐに向こうから着信があった。
「頑張れ。難しければ世間話でも良いぞ?」
ハーミット様に言われてドキドキしながら電話に出た。
「もしもし?カプリスの子かな?外海です。」
間違いない。海誠先生だ。
「はい。そうです。あの外海さん。海誠先生って呼んで良いですか?」
「あー。やっぱり俺の漫画知っててくれたか!嬉しいなあ。良かった。連絡ありがとう。」
確認したがもう仕事も終わり自宅だった。
「えっと。ネタはまだ無いんですが例えばどんな事を連絡したら良いのかと思ってかけました。」
こんな会話で良いのかなあ。
「そうだなあ。やっぱり事件系が嬉しいんだけど。カプリスの話は無理だよね?他のマフィアの話とかでも良いよ。」
何が面白い話になるか解らないからねー。と海誠先生は相変わらず明るい。
「俺がネタ元ってマフィアにバレませんよね?」
「それは他言しない。誓えるよ。」
本当にこの人は純粋に漫画のネタが欲しそうなんだよなあ。
悪意が微塵も感じられない。
「解りました。漫画のネタになりそうな話が舞い込んだら連絡します。他の警官には聞かれたく無いので先ずはメールします。」
そう言うと海誠先生も俺もカプリスと繋がりがバレると不味いからそうして欲しいと利害関係は一致した。
「では、俺も仲間にバレたくないので今日はもう電話切りますね。」
「了解。またの連絡お待ちしてますよ。」
そう言って電話を切った。
はぁー。緊張した。
「結構、上手かったじゃないか。自然だったよ。」
横でハーミット様がニヤニヤと笑う。
「緊張しました。でもこれでネタを売れますね。」
ハーミット様は上出来と頷いた。
「所でウェンは連れて来てないんだな?」
「あー。まだジムみたいです。」
何時も一緒かと思ったとちょっとからかわれる。
「あのー。前から聞きたかったんですけど。ハーミット様は男性同士の恋愛ってどう思っているんですか?まあ、他の皆もだけど。」
あまりに皆が自然で驚いている。
「ミナキはこの世界の事はウェンやボスに殆ど聞いていないのか?」
少し怪訝そうな顔。
「ボスに聞いたのはカプリスの結成話とか。ウェンからもこの世界に産まれた異能者は親に捨てられて異能者に匿われるか政府に捕まるとか?」
一応、皆さんの過去が辛い思い出が多すぎると聞いたので突っ込んでそれ以上は聞いていないと正直に答えた。
「まあ、普通に考えてウェンは話し下手だしボスはこういう事を真剣に語るタイプじゃないしな。やっぱり聞きたいだろ?」
ハーミット様にそう言われて頷く。
「割と俺って損な役回りになりがちだなあ。」
ハーミット様が溜息をついた。
「最初に言っておくが。これはこの世界では普通!俺もハッキングをする様になって政府の情報とかでお前達の居た世界を知った。」
あまりにもハーミット様が真剣な顔なので俺も真顔で頷いた。
「この世界の異能者は産まれると同時に母親を失う。母親の全てのエネルギーを貰って俺達は産まれてきた。」
俺はゴクッと唾を飲み込む。まじか。
「異能者は昔は奇形や異型と呼ばれていた。母殺しの罪を生まれながらに背負って誕生するんだ。」
それは異能者の宿命。本当に異能者は突然変異だから産まれるまで解らないんだけどね?とハーミット様は少し悲しそうに微笑んだ。
「異能が芽生える瞬間って普通の人で言う酷い反抗期みたいなもんでさ。人殺しとかしちゃう場合があるから異能が芽生える前にだいたい捨てられるんだよ。」
政府機関とか異能者やマフィアとかしか異能が芽生えたガキを抑え込める人間居ないから。そう言って苦笑した。
ハーミット様は決して深刻そうには話していないんだけど考えると苦しくてまた俺は涙が出る。同情とかそう言うのはしちゃいけないって解っているんだけど。
「ほらー。ミナキは優しいから泣くだろ?」
ハーミット様はだから誰も話さなかったんだろうなあとブツブツ言った。
「ごめん。泣くつもり無かったんだけど。」
「いやいや。ミナキからするとショックだろう。そう言う訳で異能者って子供をつくる行為を嫌う奴が多いんだよ。」
だから同性愛は普通だし男女の恋愛は結構覚悟して結婚するみたいだな。
異能者から異能者が産まれるとは限らないけれど嫁が死ぬとか女性は自分が死ぬかもとか。同じ境遇の子供が産まれる可能性をつい考える。
一般人は何も考えて無いけどね。
異能者が産まれる確率なんて本当に稀だから。世界の人口からすると極小数!とハーミット様はフォローする様に無理に笑っている様にも見えた。
「聞かなきゃ良かったか?」
まだ泣き止まない俺にハーミット様は苦笑いしてそう言った。
「大丈夫。俺もこの世界の人間になったんだから。」
涙を拭っているとハーミット様の部屋のドアがピッキングで開いてウェンが入って来た。
「何?何故泣いてる?」
ハーミット様の顔を不機嫌そうにウェンは見詰める。
う・・・。気まずいぞ・・・。
「まだウェンは帰ってないか。」
うーん。先にハーミット様の所に行こうかなあ。
一応ハーミット様に電話をしてみると何時でもOKと言われた。
メールも音声機能で書けるんだっけ。ウェンにメールしておこう。
「ハーミット様の部屋に行ってくるね。」
送信。
直ぐに返事は来た。
「了解。あと1時間はジムにいる。」
よーし。じゃあ海誠先生に電話頑張ってかけよう。
ハーミット様の部屋のインターホンを鳴らすとやっぱり暗い部屋から出て来た。
「ハーミット様。暗いですよ・・。」
「そうか?電気付けるか。」
仕方ないなあと言う顔でハーミット様は電気を付けてくれた。
「目、悪くなりませんか?」
「目?視力?2.0以上あるが?」
俺より見えてる。
「さあて、何て電話かけるか?」
ハーミット様は俺に電話を渡した。世間話か?カプリスの話は言えないなあと2人で少し悩んだが取り敢えずどんな情報が欲しいか聞いてみようと言う事に決まった。
「ちょっと待ってくれ。まだかけるなよ。GPS調べる。」
パソコンで海誠先生の位置情報を確認している。
「マンションかこりゃ自宅だな。一人暮らしなら良いが。確認のために先ずメールを打て。」
「えーと。出来ればハーミット様が打ってくださいよ。」
そうか。字はまだ苦手かと言って俺が言うようにメールをしてくれた。
『 この前、ホテルの朝食バイキングで会った者です。今、連絡しても大丈夫ですか?1人なら連絡します。』
で良いかな。
この世界はショートメール?電話番号でのメールが主流な様で送ると直ぐに向こうから着信があった。
「頑張れ。難しければ世間話でも良いぞ?」
ハーミット様に言われてドキドキしながら電話に出た。
「もしもし?カプリスの子かな?外海です。」
間違いない。海誠先生だ。
「はい。そうです。あの外海さん。海誠先生って呼んで良いですか?」
「あー。やっぱり俺の漫画知っててくれたか!嬉しいなあ。良かった。連絡ありがとう。」
確認したがもう仕事も終わり自宅だった。
「えっと。ネタはまだ無いんですが例えばどんな事を連絡したら良いのかと思ってかけました。」
こんな会話で良いのかなあ。
「そうだなあ。やっぱり事件系が嬉しいんだけど。カプリスの話は無理だよね?他のマフィアの話とかでも良いよ。」
何が面白い話になるか解らないからねー。と海誠先生は相変わらず明るい。
「俺がネタ元ってマフィアにバレませんよね?」
「それは他言しない。誓えるよ。」
本当にこの人は純粋に漫画のネタが欲しそうなんだよなあ。
悪意が微塵も感じられない。
「解りました。漫画のネタになりそうな話が舞い込んだら連絡します。他の警官には聞かれたく無いので先ずはメールします。」
そう言うと海誠先生も俺もカプリスと繋がりがバレると不味いからそうして欲しいと利害関係は一致した。
「では、俺も仲間にバレたくないので今日はもう電話切りますね。」
「了解。またの連絡お待ちしてますよ。」
そう言って電話を切った。
はぁー。緊張した。
「結構、上手かったじゃないか。自然だったよ。」
横でハーミット様がニヤニヤと笑う。
「緊張しました。でもこれでネタを売れますね。」
ハーミット様は上出来と頷いた。
「所でウェンは連れて来てないんだな?」
「あー。まだジムみたいです。」
何時も一緒かと思ったとちょっとからかわれる。
「あのー。前から聞きたかったんですけど。ハーミット様は男性同士の恋愛ってどう思っているんですか?まあ、他の皆もだけど。」
あまりに皆が自然で驚いている。
「ミナキはこの世界の事はウェンやボスに殆ど聞いていないのか?」
少し怪訝そうな顔。
「ボスに聞いたのはカプリスの結成話とか。ウェンからもこの世界に産まれた異能者は親に捨てられて異能者に匿われるか政府に捕まるとか?」
一応、皆さんの過去が辛い思い出が多すぎると聞いたので突っ込んでそれ以上は聞いていないと正直に答えた。
「まあ、普通に考えてウェンは話し下手だしボスはこういう事を真剣に語るタイプじゃないしな。やっぱり聞きたいだろ?」
ハーミット様にそう言われて頷く。
「割と俺って損な役回りになりがちだなあ。」
ハーミット様が溜息をついた。
「最初に言っておくが。これはこの世界では普通!俺もハッキングをする様になって政府の情報とかでお前達の居た世界を知った。」
あまりにもハーミット様が真剣な顔なので俺も真顔で頷いた。
「この世界の異能者は産まれると同時に母親を失う。母親の全てのエネルギーを貰って俺達は産まれてきた。」
俺はゴクッと唾を飲み込む。まじか。
「異能者は昔は奇形や異型と呼ばれていた。母殺しの罪を生まれながらに背負って誕生するんだ。」
それは異能者の宿命。本当に異能者は突然変異だから産まれるまで解らないんだけどね?とハーミット様は少し悲しそうに微笑んだ。
「異能が芽生える瞬間って普通の人で言う酷い反抗期みたいなもんでさ。人殺しとかしちゃう場合があるから異能が芽生える前にだいたい捨てられるんだよ。」
政府機関とか異能者やマフィアとかしか異能が芽生えたガキを抑え込める人間居ないから。そう言って苦笑した。
ハーミット様は決して深刻そうには話していないんだけど考えると苦しくてまた俺は涙が出る。同情とかそう言うのはしちゃいけないって解っているんだけど。
「ほらー。ミナキは優しいから泣くだろ?」
ハーミット様はだから誰も話さなかったんだろうなあとブツブツ言った。
「ごめん。泣くつもり無かったんだけど。」
「いやいや。ミナキからするとショックだろう。そう言う訳で異能者って子供をつくる行為を嫌う奴が多いんだよ。」
だから同性愛は普通だし男女の恋愛は結構覚悟して結婚するみたいだな。
異能者から異能者が産まれるとは限らないけれど嫁が死ぬとか女性は自分が死ぬかもとか。同じ境遇の子供が産まれる可能性をつい考える。
一般人は何も考えて無いけどね。
異能者が産まれる確率なんて本当に稀だから。世界の人口からすると極小数!とハーミット様はフォローする様に無理に笑っている様にも見えた。
「聞かなきゃ良かったか?」
まだ泣き止まない俺にハーミット様は苦笑いしてそう言った。
「大丈夫。俺もこの世界の人間になったんだから。」
涙を拭っているとハーミット様の部屋のドアがピッキングで開いてウェンが入って来た。
「何?何故泣いてる?」
ハーミット様の顔を不機嫌そうにウェンは見詰める。
う・・・。気まずいぞ・・・。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる