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計画と実行
天才ハッカーのお仕事
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その頃のアルージャ・ハーミット。
暗い部屋は落ち着く。
本日もパソコンを常に起動中。
しかし。新情報が何も入らない。
全く無い訳では無い。キラービーの取引先が問題なんだ。
エンバスター家の絡んだマフィアは後々の事を考えると面倒。エンバスター家を敵に回すと不利益過ぎる。
もしかしてメールを使って取引していないのかな?
「試しに久々に潜るか。」
結構な異能消費するから飯を先に用意しとくかね。でも、買いに行くの面倒。
うーんと。誰かパシりぃぃぃ。
『誰か飯を持ってきて。』
一斉チャット。
誰か起きてますように。
・・・。
・・・。
フッ・・。虚しい。
返事無し!普通は寝てるよなあ。
トントン。軽くドアをノックする音がして鍵がピッキングされた。
「やあ?お久しぶり。」
シアンだった。
他の奴が良かったが背に腹はかえられん。
「お久しぶり。飯ありがとう。電気付けて良いよ。」
「了解。確かに暗いね。一仕事終えてコンビニに居たんだよ。」
眩しい・・・。致し方ない。
シアンはコンビニパスタとおにぎりにパン等の入った袋をテーブルにドサっと置いた。
「おー!!有難い!」
コンビニパスタは好物だ。
「俺も一緒に良いかな?」
「ああ。構わない。今からハッキングに集中するから無言で食えよ。」
「了解。何時見ても君の異能は面白いよね。」
普通の異能で無いのは確かだ。
何故この様な能力に目覚めたのか?
知らないだけで俺も異世界人の血が流れているかもしれないとさえ時々思う。
パソコン画面を見詰める。
――潜入――
意識が画面を通して中に入る。
そして無意識の俺がパソコンを操作する。
売人キラービーのパソコンへ侵入開始。
まあ、1度ハッキングはしているからトラップは破壊しているけれど。
さて、此処からが問題。
――ウイルス設置――
後は電話回線へ侵入っと。
――盗聴設置――
ノーミスかな?辺りを見渡す。
OK。ニヤと自然と笑みが零れる。
意識は身体へ戻ってくる。
「完了!!あー。腹減った!!」
どっと疲れが・・・。
温められたパスタがだいぶ冷めていたがお構い無しに食う!
「終わったのかい?」
「モグモグ。モグモグ。うん。」
シアンはいつの間にか食べ終わって居た。
そんなに時間はかけてなかったつもりだったがやはり潜るのはハッキングより時間がかかるな。
政府や警察のハッキングよりは楽だけど。
シアンは何をしたか聞きたそうだが取り敢えずは飯だぁ!
パスタを一気食いしてお茶を飲む。
「これも食って良いかな?」
おにぎりに手を出す。
「勿論。」
シアンはニヤっと微笑む。
「何したか聞きたいんだろ?」
「そう。面白いねぇ。本当に不思議。」
「盗聴器をしかけて来たんだ。普通の盗聴器の仕組みは解るよな?」
シアンは頷いた。
あれは周波数だの距離だの限られる。
それにコンセントに仕込んだり挙句の果てにバレる可能性が高い。
「俺の盗聴ってのは電話回線を乗っ取って丸ごと聞ける感じ?」
「なるほど。電話の内容を聴き放題?」
そうそう。
後はパソコンにもイタズラ仕掛けたので室内の携帯の会話も聞ける。
「俺、天才!」
「本当に便利だねぇ。」
しみじみとシアンが微笑む。
最近・・・。シアンが落ち着いて来た気がする。前はもっと殺しをしないと生きていけない雰囲気が常にあったんだが。
カプリスへの仲間意識が芽生えたのかな?
どちらにせよ。
西アン・デスでは活躍して貰わないとね。
「ぼちぼち帰るよ。面白い場面を見られて得した気分。」
「そうか?滅多に潜らないからな。此方も助かったよ。飯ありがとう。」
シアンはご丁寧に鍵までかけて出て行ってくれた。
さて、後は電話を待つだけ。
まだかかる筈は無いか。夜中3時。
電気は消す。やはり暗闇が心地良い。
ピピッ。パソコンが鳴る。
おやおや。まさかの電話。
盗聴開始。
盗聴内容はパソコンに記録される様に仕込んでいる。聞き漏らしは無い。
へー?こりゃ良いや。
東ボル・ネオ国のガーラントファミリーね。
マフィアの規模もデカいし取引内容も億単位。
これは売れるネタだ。
日時は2週間後。
はい。ご馳走様。
明日と言うかもう今日か。ボスに報告してみて行動開始だろうな。
電話録音機能をオンにしたまま寝る!!
俺のミッションはこれでコンプリートかなー。まじで眠い。
面倒くさいがそろそろ体術も鍛えないとな。
等と思いながら就寝。
翌日、昼に起きボスの部屋へ。
「で?OKかな?」
「ガーラントは潰して良いだろう。そもそもクスリ売りのマフィアは俺は嫌いだしね。」
ボスはクスリやってる奴が個人的に嫌いだ。俺も嫌い。
「日程、場所の確実な確定が出たらミナキに電話をさせて俺達は西アン・デスへだな。」
いよいよか。
政府管轄国家への侵入。楽しみだ。
暗い部屋は落ち着く。
本日もパソコンを常に起動中。
しかし。新情報が何も入らない。
全く無い訳では無い。キラービーの取引先が問題なんだ。
エンバスター家の絡んだマフィアは後々の事を考えると面倒。エンバスター家を敵に回すと不利益過ぎる。
もしかしてメールを使って取引していないのかな?
「試しに久々に潜るか。」
結構な異能消費するから飯を先に用意しとくかね。でも、買いに行くの面倒。
うーんと。誰かパシりぃぃぃ。
『誰か飯を持ってきて。』
一斉チャット。
誰か起きてますように。
・・・。
・・・。
フッ・・。虚しい。
返事無し!普通は寝てるよなあ。
トントン。軽くドアをノックする音がして鍵がピッキングされた。
「やあ?お久しぶり。」
シアンだった。
他の奴が良かったが背に腹はかえられん。
「お久しぶり。飯ありがとう。電気付けて良いよ。」
「了解。確かに暗いね。一仕事終えてコンビニに居たんだよ。」
眩しい・・・。致し方ない。
シアンはコンビニパスタとおにぎりにパン等の入った袋をテーブルにドサっと置いた。
「おー!!有難い!」
コンビニパスタは好物だ。
「俺も一緒に良いかな?」
「ああ。構わない。今からハッキングに集中するから無言で食えよ。」
「了解。何時見ても君の異能は面白いよね。」
普通の異能で無いのは確かだ。
何故この様な能力に目覚めたのか?
知らないだけで俺も異世界人の血が流れているかもしれないとさえ時々思う。
パソコン画面を見詰める。
――潜入――
意識が画面を通して中に入る。
そして無意識の俺がパソコンを操作する。
売人キラービーのパソコンへ侵入開始。
まあ、1度ハッキングはしているからトラップは破壊しているけれど。
さて、此処からが問題。
――ウイルス設置――
後は電話回線へ侵入っと。
――盗聴設置――
ノーミスかな?辺りを見渡す。
OK。ニヤと自然と笑みが零れる。
意識は身体へ戻ってくる。
「完了!!あー。腹減った!!」
どっと疲れが・・・。
温められたパスタがだいぶ冷めていたがお構い無しに食う!
「終わったのかい?」
「モグモグ。モグモグ。うん。」
シアンはいつの間にか食べ終わって居た。
そんなに時間はかけてなかったつもりだったがやはり潜るのはハッキングより時間がかかるな。
政府や警察のハッキングよりは楽だけど。
シアンは何をしたか聞きたそうだが取り敢えずは飯だぁ!
パスタを一気食いしてお茶を飲む。
「これも食って良いかな?」
おにぎりに手を出す。
「勿論。」
シアンはニヤっと微笑む。
「何したか聞きたいんだろ?」
「そう。面白いねぇ。本当に不思議。」
「盗聴器をしかけて来たんだ。普通の盗聴器の仕組みは解るよな?」
シアンは頷いた。
あれは周波数だの距離だの限られる。
それにコンセントに仕込んだり挙句の果てにバレる可能性が高い。
「俺の盗聴ってのは電話回線を乗っ取って丸ごと聞ける感じ?」
「なるほど。電話の内容を聴き放題?」
そうそう。
後はパソコンにもイタズラ仕掛けたので室内の携帯の会話も聞ける。
「俺、天才!」
「本当に便利だねぇ。」
しみじみとシアンが微笑む。
最近・・・。シアンが落ち着いて来た気がする。前はもっと殺しをしないと生きていけない雰囲気が常にあったんだが。
カプリスへの仲間意識が芽生えたのかな?
どちらにせよ。
西アン・デスでは活躍して貰わないとね。
「ぼちぼち帰るよ。面白い場面を見られて得した気分。」
「そうか?滅多に潜らないからな。此方も助かったよ。飯ありがとう。」
シアンはご丁寧に鍵までかけて出て行ってくれた。
さて、後は電話を待つだけ。
まだかかる筈は無いか。夜中3時。
電気は消す。やはり暗闇が心地良い。
ピピッ。パソコンが鳴る。
おやおや。まさかの電話。
盗聴開始。
盗聴内容はパソコンに記録される様に仕込んでいる。聞き漏らしは無い。
へー?こりゃ良いや。
東ボル・ネオ国のガーラントファミリーね。
マフィアの規模もデカいし取引内容も億単位。
これは売れるネタだ。
日時は2週間後。
はい。ご馳走様。
明日と言うかもう今日か。ボスに報告してみて行動開始だろうな。
電話録音機能をオンにしたまま寝る!!
俺のミッションはこれでコンプリートかなー。まじで眠い。
面倒くさいがそろそろ体術も鍛えないとな。
等と思いながら就寝。
翌日、昼に起きボスの部屋へ。
「で?OKかな?」
「ガーラントは潰して良いだろう。そもそもクスリ売りのマフィアは俺は嫌いだしね。」
ボスはクスリやってる奴が個人的に嫌いだ。俺も嫌い。
「日程、場所の確実な確定が出たらミナキに電話をさせて俺達は西アン・デスへだな。」
いよいよか。
政府管轄国家への侵入。楽しみだ。
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