都合のいい男

美浪

文字の大きさ
66 / 180
遺跡

決行日2日前 シアンとボス

しおりを挟む
警察の同行、キラービーの同行確認。順調そのもの。

予定通りならあと2日か。

アルージャの引き籠もりハッキング三昧で訛った身体も戻ったし何とかなりそうだな。

晩飯も食べて風呂上がり部屋のソファで寛いでいた所だった。

・・・。今日あたり行こうかと考えていたんだが。まさかそっちから来るとはね。

この時間は大丈夫だから良いんだけど俺の部屋に押し掛けるのは初だ。
ドアがスっと開いた。

「やあ?」
「いらっしゃい。」

風呂上がりのラフな部屋着でシアンがやって来た。

「抱きに来た。」
「ん?抱かれに来たの間違いだろ?」

いや?違うよ?
そう言って俺のソファの隣に座り強引にキスをしてきた。

いきなりで驚いたが此奴とのキスは気持ち良い。
「ん・・・。はぁ。待て。犯したいのか?」
唇が離されてそう尋ねる。
「そう。犯したい。」

綺麗な目は本気みたいだな。

「確かにこの前そんな話もしたがな。」
「やりたい。」
欲情した貪るようなキスで口を塞がれる。

貪欲で気持ち良い。
でも、少しばかり冷静な自分も居て。

シアンも不安なのかもな・・・。政府管轄国が如何にこの世界生まれの異能者に取って最も警戒すべき国って言うのは良く解る。

この男は不安になると抱きたくなる?
博物館襲撃前にミナキを抱いたみたいに。

案外そんな性癖か?

「俺に集中しろ。」
シアンブルーの瞳が俺を睨み付ける。

「悪い。抱くのは良いが?俺は10年はやられてないんだ。上手く気持ち良くさせてくれるんだろうな?」
昔、開発はされたが良い思い出が全く無い。

「当たり前。ランジャン・・。」
切なそうな顔でシアンが俺を脱がせる。
「お前も脱げ。その身体好きなんだ。」
クスっと笑ってシアンも脱いだ。

何か不思議な感じだ。シアンが俺を見下ろす。
普段の殺人鬼とは打って変わって優しく俺の身体を舐め上げていく。

たまには良いな。
はぁ・・・。気持ち良い。

「すっかり元気だね。」
ニヤっと笑い俺のモノを口に含む。気持ち良い。

「ん・・。」
少しばかり甘い声が漏れる。
「慣らすよ?」
シアンはそう言って舐め出した。

「うわっ・・・。まじか。」
思わず身体がビクッと震えてしまう。
ローションは寝室にしかない。

舐められて慣らされるとは・・・。
「ふっ・・・、あっ・・・。」
ゆっくりと指を入れられて優しくまさぐられる。

久しぶり過ぎる身体をシアンは丁寧に愛撫していく。
グチュっとイヤらしい音が室内に響く。

指を入れられたまま咥えられ舐め上げられ俺はそのままシアンの口内に出した。

「はぁ・・・。気持ち良いよ。」
「まだ。素直じゃないね?」
なかなかそう言う感じに慣れていない。

乱れたい。でも理性が働く。

「試してみようか?」
シアンがゆっくりと挿入してきた。生かよ。まあ、良いんだけど・・・。
うわ・・・。久しぶりすぎ。

苦しい・・・。この感触。

「ランジャン。」
気持ち良さそうなシアンの顔を見るとゾクゾクする。

ゆっくり息を吐く。
「もっと深く入れてくれ。」
もう大丈夫だ。

グッと押し込まれて俺の身体も気持ち良さで震える。
また勃起してるし。

「ゆっくり動くから。」
「ああ。」
優しくシアンの頬を撫でる。

グチュ・・・グチュ・・・と乱れた音とお互いの息遣い。

「うっ・・・。そこ・・・。」
「うん。ここ気持ち良いね?」
ブルっと身体が震えて反応する。

「シアン。」
ギュっと抱き着いた。深くもっとそこ・・・。

「あっ・・・。イク・・・。」
俺がイクともっと貪欲な瞳で俺を見詰めて激しく挿入してくる。
はぁ・・・。シアン・・・。

俺・・・そこ弱い・・。

シアンの背中に爪を立てガクガクと震えながらまたイッた。
「絞り・・取られそう・・・。」

シアンは気持ち良さそうに腰を打ち付ける。
「ランジャン・・。俺もイきそう。」
グッと奥に突き立てられて俺の身体もビクッと反応する。

あっ・・・出てる・・。

抱き締めてキスをしながらシアンは俺の中に出し切った。

はぁ。はぁ。と乱れた息遣いでシアンはまたキスをした。

「満足した。」
ニヤっと笑いかけるとシアンも
「それは良かった。」
とフフっと笑った。

「全く。中出しかよ。」
身体を浄化、ソファも浄化。

「猛烈にやりたくなったんだ。」
身体を浄化し終わったシアンがそのままソファの隣に腰掛けた。

「まあ。今回はやりたい相手が俺で良かった。」
フワリとシアンの髪を撫でる。

嫉妬・・。独占欲・・・。

「何か飲むか?」
立ち上がって冷蔵庫へ向かう。
「いや、もう帰るよ。」

「・・・。はぁ?帰す気は無いが。」
「何?まだしたいの?」

冷蔵庫から炭酸水と珈琲を取り出してシアンに珈琲を渡した。

「一緒に寝るんだよ。」
笑い返すとシアンの顔が少しばかり赤くなった気がした。

「珍しい事もあるもんだね?」
クスっと笑って珈琲を飲むシアン。

「お前が俺の部屋に来る事の方が珍しいよ。」
「外で浮気する方が良かった?」
バカか?とシアンの髪をぐちゃぐちゃにしてやる。

一緒にベッドに入りどちらが腕枕をするかで揉めた・・。
仕方ない。シアンの腕枕で寝る。
「抱き締められて眠るのも悪く無いな。」
「そうだね・・・。ボス?」
フワリと優しくキスをされた。

「おやすみ。」
「おやすみ。」

直ぐにシアンの寝息が聞こえ始めた。

殺人鬼の野生の勘かな?

リュートやオーガ並の強者が西アン・デスには居る。

しかし。俺はやっぱりタチ役が良いな。そんな事を思いながら腕の中で眠りについた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。 領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。 *** 王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。 ・ハピエン ・CP左右固定(リバありません) ・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません) です。 べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。 *** 2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...