都合のいい男

美浪

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シアンを取り戻す

秘密にしますって

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昼ご飯だよ。と声をかけて来てと言われてヴェガさんの寝室の扉を開けて中に入った。
ハーミット様の邪魔してもミナキなら1番文句言われないだろうって言われてしまった。
それでも、何か言われそーだなー?
「ハーミット様?」

部屋に入ると直ぐに異変に気が付いた。

えっ?!ハーミット様の身体がガクガクと震えていて。何か頬も赤いし。
でも、これって?!!

「?!!」
イってる?夢精みたいなもん?
股間勃ってるし。既にイった形跡が・・。
なんで?え?ど・・どうしよう?
声をそっとかけるけど反応が無い。

もしかして?意識が襲われているんだ!!
パソコンの中だよね!

どうしよう。パソコンの中に入るって。

――帝台!遠隔透視はパソコンの中も行けるかな?――
大丈夫らしい。

やってみるか。ハーミット様の身体に触れてっと。パソコンに向かって。
異能発動。


――遠隔透視リモートエックスレイ――

何これ!?エロっっ!!!
思わず俺の下半身も反応しそうなエロい場面を見てしまった。
あれは触手だよね。触手に犯されるハーミット様。

――神人達!!助けに行く!――

――文王が行って参ります。お待ち下さい。――

フワリと降りてきた文王の身体が光ってパソコン内に侵入していった。
文王の目を通して見える。フワフワと飛びながら奥へ進む。

こんな中にハーミット様は何時も1人で入っているんだ?

不思議。迷路みたいだ。

急がないと!飛ぶスピードを上げる。
朱雀よりは飛ぶスピードは遅いかなあ。何かまだ扱いが難しい。
ハーミット様が通ったであろう通路はセキュリティも解除してあり安全だった。

「あっ・・・。もう・・・。やめてくれ・・・。むり・・。」
聞き慣れた声。
エロいよ・・ハーミット様。

いた!!暗闇の入口辺りで触手みたいな奴に襲われるハーミット様を発見した。

意識を集中させる。
剣を抜く。

ザシュッ!!!文王の剣は触手を斬り捨てた。

来る!後ろ!
ザシュッ!

文王と俺の意識は繋がった感じで斬り捨てた感触まで手に伝わる。
「ハーミット様!」
床に倒れ込んだハーミット様に声をかけた。
「その声はミナキ?」
顔が赤く上気してしていて下半身剥き出しだし。
エロいって!!
「ミナキです。異能で助けに来ました。帰りましょう!」
そう声をかけるとまた触手が襲ってきた。

グッ!!
文王の左手に触手が絡みつく。

まーけーるーかー!!

触手をグッと引っ張り右手の剣を振り下ろす。
この闇から抜けないと!

ハーミット様の手を取り何とか境界線まで抜け出した。
「あーもー。クソ・・・。」
はぁ。はぁ。とハーミット様は肩で息をしながらありがとうとお礼を言った。

「戻ろう。意識を身体に戻す。お前も・・・そうしてくれ。」
「了解。」
文王、戻れ。
帰りは2人で高速で飛んで戻る感じだった。
戻る方が早い。

何か不思議な感じ。スっと画面から文王とハーミット様が帰還した。

文王は頭を下げてフワフワと俺の頭上へ戻って行った。

「ハーミット様!!」
閉じていた目がパッと開いて目が合った。
「・・・。一生の不覚・・・。」
ハーミット様は自分の濡れた股間を見て大きく溜息を付いた。
「ありがとう。」
そう言いつつも顔は悔しそうで身体を自分でさっと浄化していた。

「ミナキ。本当にありがとう。凄く感謝している。しかし、頼むから誰にも言わないでくれ・・・。」
俯いて俺の顔もまともに見れないハーミット様。
そりゃこの状態って誰にも見られたくない状態だったと思う。
「勿論、秘密にします。」

「本当だな!絶対だぞ!感謝はしている。でも、言ったら・・・殺す!」
あーもー。普段の優しい顔からその表情。ハーミット様って本気で殺りそうなタイプだもんな。
「秘密にしますって!!」
本当に。誓って!

ブツブツと悔しそうにハーミット様は文句を言い続けている。

「あの闇には何が隠されていたんだろうな。つい興味本位で覗いてしまった。確かに潜入は異能の消費が激しくて既に疲れてはいたんだが。触手は無気配だった。」
ハーミット様は大きく溜息を付いて物凄く疲れたー!!と叫んだ。

「あっ。俺も・・・。」
気を張っていたのが落ち着いた途端に貧血を起こすようにフラっとして座り込んでしまった。神人を使う異能の消費が激し過ぎる。

「飯・・・。」
「行きましょう。飯・・・。」
2人でフラフラと立ち上がって支え会いながら漸くドアノブに手をかけた。

リビングルームに出ると安心からかまた2人してへたり込む。
「ミナキ!アルージャ?!」
ウェンが駆け寄る。

「何か食わせて。」
「俺も。」
リビングの前で小鳥の様に口を開ける俺達。
「何があったの?」
心配そうに皆が見詰めるがウェンが口に放り込んでくれるオムライスを2人ともひたすらモグモグと飲み込む様に食った。
1皿完食。
「あー。血が通う気がする。」
「同感です。」
ウェンにお礼を言ってやっと自力で立ち上がれた。
まだ少し疲れている。

ハーミット様は触手の件は伏せて潜入中に敵に襲われている所を俺が助けに来てくれたと報告した。

「闇か・・。」
ウェンがお疲れ様と俺とハーミット様の頭を撫でた。

「ミナキも潜入出来るんだな。」
改めて感心した様にボスに言われた。

「俺自身も新しい異能がイマイチ解っていないんですが出来ました。今の所、一瞬だけ遠隔透視とパソコンに潜入が少しだけ。」
でも、全て俺自身が行う訳では無くてこの四神や神人達が行うと言う説明をした。俺も良く理解出来て居ないので解ってくれたか不明・・。

2体の神人を操作するのでこれだから鉄壁を張るってどれ位の異能消費量なのか想像が付かない。

「うん。ミナキはバトル向けと言うより偵察系、医療系、防御系。何だか俺達を護るためにこの世界に来たみたいだね。」
ボスが嬉しそうな顔をした。

そう。俺はそのために来たんです。それは言えないけれど。

「あー!ハーミット様!調べて欲しい情報があります。」
2皿目のオムライスを完食したハーミット様にさっきの海誠先生との会話を報告した。 

「アインシュタインにトオル・ミクリヤか。Sランクリストを今から閲覧しよう!」
すっかり何事もなかった様に復活。

ヴェガさんの部屋からパソコンをダイニングテーブルまで持ってきて俺達は閲覧と今後の方針を決める会議を行う事にした。
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